NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月16日号

エネルギー省の支援を受けた電気自動車用電池メーカーA123 Systems社が破産申請

エネルギー省(DOE)から2億4,900万ドルのグラントを2009年に受領した、電気自動車用のリチウムイオン電池製造会社A123 Systems社が2012年10月16日に米国破産法第11章に基づく破産保護を申請した。

先進電池市場が2010年に50億ドル、2020年には500億ドルに拡大するというDOE予測とは裏腹に、米国における電気自動車の導入は遅々たる状況のため、A123 Systems社では未だに利益を計上したことがなく、2012年第2四半期には8,300万ドルの損失を報告していた。

A123 Systems社のプレスリリースによると、自動車部品メーカーのJohnson Controls社(注:1)がA123社の自動車事業資産(注:2)を1億2,500万ドルで買収すると同時に、会社更生手続き中のA123 Systems社の運営継続を支援する為に7,250万ドルのつなぎ融資(debtor-on-possession financing)を確約したという。A123 System社が発表したプレスリリースの要点は以下の通り:

  • 同社の資産は4億5,980万ドルで、負債は3億7,600万ドル。
  • デラウェア連邦破産裁判所に破産申告を行ったのは、A123と米国子会社の全て。米国外にあるA123の子会社は対象外。
  • 同社の自動車部門以外の事業 …グリッド用バッテリー技術、企業や政府機関を顧客とする事業…に関しては代替案を積極的に討議しており、買収への意思表示を幾つかの企業から受領。
  • 2012年8月に発表した中国の大手自動車部品メーカーWanxiang Groupによる出資(注:3)については、予期しなかった深刻な課題が浮かび上がったために、Wanxiang Groupの出資提案を断ることを決定。

A123 Systems社の破産申請は、代替エネルギーや自動車・運輸部門への政府融資に関する政治討論に更に油を注ぐ可能性がある。共和党全国委員会(Republican National Committee)はA123 Systems社崩壊のニュースへのリンクをツイート。ミシガン州の上院選に出馬しているPete Hoekstra元下院議員(共和党)は早速これを利用して、オバマ政権と対抗候補者のDebbie Stabdnow上院議員(民主党)を非難している。

一方、DOEはA123 Systems社がジョージ・ブッシュ前大統領の政権で超党派の支持を受けていた会社であることに言及し、更に、2009年5月にHoekstra氏を含む当時のミシガン州下院議員がSteven Chuエネルギー長官に書簡を送り、ミシガン州に先進電池センターを設立することの意義を熱弁していたことを指摘している。

(A123 Systems Press Release, October 16, 2012; Bloomberg News, October 16, 2012; Greenwire, October 16, 2012)

 

 

 

 

 


注釈:

1: 本社はウィスコンシン州グレンデール市。

2: A123 systems社の自動車技術、製品及び顧客リスト; ミシガン州リボニアとロミュルスの工場; 中国のカソードパウダー(cathode powder)製造工場; A123 Systems社が所有するShanghai Advanced Traction Battery Systems社の持分; Shanghai Automotiveとの合弁事業、等。

3: Wanxiang GroupはA123 Systems社に最大4億6,500万ドルを出資し、A123 Systems社の株式の最大80%を取得する計画であった。

 


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