NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月24日号

Resources for the Futureの研究者、米国は2020年までにGHG排出削減目標をほぼ達成可能であると報告

オバマ大統領は2009年にデンマークのコペンハーゲンで開催された国連気候変動会議で、米国の温室効果ガス(GHG)排出を2020年までに2005年レベル比17%減とすることを約束したが、欧州気候プラットフォーム(European Climate Platform)が先日発表した『米国の気候変動緩和誓約に向けた進捗状況の評価(An Assessment of US Progress towards its Pledge on Climate Change Mitigation)』という論文では、米国が17%という削減目標には僅かに及ばないながらも、2020年までにGHG排出を16.3%削減する可能性があると報告している。

Resources for the Future(RFF)のシニアフェローで同論文の主執筆者であるDallas Burtraw氏は、世界中の多くのアナリストが米国はコペンハーゲン誓約達成への努力を何もしていないと見ている中で、米国が実際には順調に誓約達成へと向かっているというのは驚きであると語っている。

Burtraw氏とRFF研究員で共同執筆者のMatt Woerman氏は、GHG排出の2005年レベル比16.3%削減を以下のように算出している:

  • 乗用車・小型トラックといった移動発生源、及び発電所や産業施設といった固定発生源に対する環境保護庁(EPA)規制によって10.5%の削減
  • 安価な天然ガスやエネルギー効率改善といったエネルギー市場の動向によって3.3%の削減
  • 地域別温室効果ガスイニシアティブ(Regional Greenhouse Gas Initiative)・再生可能エネルギー使用基準(Renewable energy standards)・省エネプログラムといった州政府や地方政府による炭素排出削減努力で2.5%の削減

EPA規制には係争中の規制もあり、推定されるGHG削減量の一部には不確実性が残ってはいるものの、天然資源防衛委員会(Natural Resources Defense Council)等の専門家は同分析の一般的結論に同意している。

(Climatewire, October 24, 2012)

 

 

ライス大学の報告書、NASAはナノテクノロジー研究に再投資する必要があると指摘

ライス大学のベイカー公共政策研究所(Baker Institute for Public Policy)が発表した『米航空宇宙局とナノテクノロジーとの関係:過去、現在、及び未来の課題(NASA's Relationship with Nanotechnology: Past, Present and Future Challenges)』という報告書は、米国が研究開発(R&D)…特にナノテクノロジーR&D…の資金やプロセスを新たな緊急優先事項として重視しなければ、米国は宇宙分野のリーダーシップを中国・ドイツ・フランス・日本・イスラエルといった他諸国に奪われる危険があると警告している。

同報告書によると、ナノテクノロジーR&Dには宇宙船の軽量化や小型で正確なセンサーの開発によって宇宙飛行を改善するという非常に大きな可能性があるにも拘わらず、NASAは同分野へのR&D予算を2004年から2007年にかけて4,700万ドルから2,000万ドルまで削減しており、連邦省庁の中ではナノテクノロジー分野への投資を縮小した唯一の機関であったという。報告書の執筆者は、2003年から2010年の間は連邦政府科学研究の総予算が600億〜650億ドルでほぼ一定であったのに対して、NASAの研究予算が66.2億ドルから15.5億ドルへと75%以上の削減を被ったことをあげ、NASAはR&Dプログラムの再編、焦点の定め直し、及び強化を行う必要があると主張し、議会と大統領が予算について毎年格闘している状況下では、自省のあらゆる側面に関連する科学技術R&Dの明白なプランを提示することが必須であると指摘している。

(Science Daily, October 16, 2012)

 

 

 


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