NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2012年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

11月29日号

ARPA-E、トランスフォーメーショナルなエネルギー技術プロジェクト66件に1億3,000万ドルを授与 

Steven Chuエネルギー長官は11月28日、先進燃料から先端自動車設計や材料、ビルディング省エネ化や炭素隔離、グリッド近代化や再生可能発電及びエネルギー貯蔵といった幅広い技術に焦点をあてたARPA-EのOPEN 2012プログラムで、最先端のエネルギー技術研究プロジェクト66件に総額1億3,000万ドルの助成金を授与すると発表した。一件あたりの助成金は38万ドルから475万ドルで、これによって、ARPA-Eの支援するプロジェクトは総数が約285件、総額が約7億7,000万ドルとなる。

今回選定されたプロジェクトは、オバマ政権の「エネルギー全活用(all-or-the-above)」アプローチを支援するもので、エネルギー技術の考え方を根本から変えるようなブレークスルーを生み出し、全く新しい産業の基礎を築き、大きな商業的インパクトをもたらす可能性を持ちあわせたプロジェクトであるという。プロジェクトの約47%が大学の主導で行われ、29%は小規模企業、15%は大企業、1.5%が非営利団体の主導になるという。選定されたプロジェクトの例は以下の通り:

先進燃料

  • Allylix社(ケンタッキー州レキシントン):高性能な液体航空燃料としてエネルギー密度の高いテルペン(terpene)燃料を開発するプロジェクトに約450万ドル。
  • ガス技術研究所(Gas Technology Institute)(イリノイ州デスプレーンズ):室温でエネルギー効率良く、天然ガスをメタノールと水素に変換する新プロセスを開発するプロジェクトに約77万ドル。
  • ミネソタ大学(ミネソタ州ミニアポリス):バイオ燃料やプラスチック、その他工業材料の生産を向上させる、極薄の分離膜を開発するプロジェクトに約182万ドル。


先端自動車設計及び材料

  • Electron Energy Corporation(ペンシルバニア州ランディスビル):摩擦圧密押出法(friction consolidation extrusion process)に基づいて、既存磁石よりも強力で低コストな永久磁石の製造技術を開発するプロジェクトに約290万ドル。
  • United Technologies Research Center(コネチカット州イースト・ハートフォード):積層造形(additive manufacturing)を使って、自動車用の超高効率電気モーターを開発するプロジェクトに約270万ドル。


ビルディング省エネ化

  • ローレンスバークレー国立研究所(カリフォルニア州バークレー):窓からビルに差し込む光と熱をコントロールする、低コストのコーティングを開発するプロジェクトに300万ドル。


炭素隔離

  • アリゾナ州立大学(アリゾナ州テンピ):発電所から放出される二酸化炭素を回収する、革新的な電気化学技術を開発するプロジェクトに約61万ドル。
  • マサチューセッツ大学ローエル校(マサチューセッツ州ローエル):太陽光と二酸化炭素と水を燃料に変換する、金属触媒を開発するプロジェクトに300万ドル。


グリッド近代化

  • GE グローバル・リサーチ(ニューヨーク州ニスカユナ):高電圧送電線用の電源スイッチとして、現行のシリコン・ベースではなく、ガス・ベースの新スイッチを開発するプロジェクトに約407万ドル。
  • Grid Logic社(ミシガン州ラピア):電力業界用の安価かつ革新的な超伝導ワイヤを開発するプロジェクトに380万ドル。
  • Silicon Power Corporation(ペンシルバニア州マルバーン):光信号を使って高出力・高電圧電気を制御(オンオフに)する半導体装置を開発するプロジェクトに475万ドル。


再生可能発電

  • 国立再生可能エネルギー研究所(コロラド州ゴールデン):太陽光線スペクトルを隈なく捕らえる為に、特別加工したフォトニック構造を使うことによって低コストのプラスチック製太陽電池の効率を高める新たな方法を開発するプロジェクトに80万ドル。
  • ブラウン大学(ロードアイランド州プロビデンス):川や潮泊渠(tidal basin)の流水からエネルギーを捕らえるために水中振動翼(oscillating wing)を開発するプロジェクトに75万ドル。
  • ジュージア工科大学(ジョージア州アトランタ):ダスト・デビル(じん旋風)のように、地面にそって出来る熱風の渦巻きからエネルギーを捕らえる方法を開発するプロジェクトに370万ドル。


定置型エネルギー貯蔵

  • ケース・ウェスタン・リザーブ大学(オハイオ州クリーブランド):電力網のエネルギー貯蔵用に、資源が豊富で無毒な鉄を使った安価なフロー電池を開発するプロジェクトに約57万ドル。
  • シャープ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ(ワシントン州カマス):電池のサイクル寿命を低コストで大幅に延長する、ナトリウムイオン・ベースの電池を開発するプロジェクトに約290万ドル。
  • デラウェア大学(デラウェア州ニューワーク):電圧とエネルギー貯蔵容量を高めるために、膜技術を利用して安価な水ベースのフロー電池を開発するプロジェクトに約79万ドル。


熱エネルギー貯蔵

  • E Nova社(テキサス州キングウッド):ガスタービンの排気管から出る廃熱を原動力とする、ガス圧縮装置を開発するプロジェクトに64万ドル。


輸送用エネルギー貯蔵

  • Ceramatec社(ユタ州ソルトレーク・シティ):内熱エンジンに同等する温度で作動する、固体型燃料電池(solid-state fuel cell)を開発するプロジェクトに約212万ドル。
  • ネバダ大学ラスベガス校(ネバダ州ラスベガス):現行の自動車用リチウム-イオン電池の安全性を高めるために、新しい耐火性電解質を開発するプロジェクトに約252万ドル。
  • Vorbeck Materials社(メリーランド州ジェサップ):ハイブリッド自動車用に、安価な急速充電バッテリーを開発するプロジェクトに150万ドル。

 

(Department of Energy News Release, November 28, 2012; ARPA-E Project Selections - OPEN FOA, November 28, 2012)

 

 


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