NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月23日号

エネルギー省、価格が手頃で高効率な太陽光発電の推進に6,000万ドルを投資

Ernest Moniz エネルギー省(DOE)長官は10月22日、「SunShot」イニシアティブ(注:1)の一環として、価格が手頃で高効率な太陽光発電の推進を助長する一連のプロジェクトに約6,000万ドルの助成金を付与すると発表した。今回選定された主なプロジェクトは以下の通り。

A. ソフトコスト削減及び機械設備(ハードウェア)の効率・性能改善によって太陽光発電コストを引き下げるプロジェクト

1. 「SunShot」インキュベーター計画 …幅広い技術やサービスの商業化を助長する目的で、17企業に約1,200万ドルを投資。 DOEから100万ドル以上の助成金を受領する企業は以下の通り:
  • EnergySage社(マサチューセッツ州ケンブリッジ): 消費者が複数の設置業者からの見積価格を無料で比べることが出来る革新的なプラットフォーム「EnergySage Marketplace」の構築に125万ドル。
  • Sun Number社(ミネソタ州ディープヘブン: 消費者が自宅の太陽光発電装置設置の可能性について学ぶことが出来るツール「Sun Number Scores」の構築に100万ドル。
  • Sunrun Inc. (カリフォルニア州サンフランシスコ): 自動設計・原価計算・シミュレーション・プロポーザル・価格決定・許可取得・現場変更管理によって、太陽光発電プロジェクト開発を合理化する統合システムを構築するプロジェクトに160万ドル。

2. 「SunShot」F-PACE(Foundational Program to Advance Cell Efficiency)計画 … 単一接合太陽電池(single junction solar cell)の理論的な効率限界に近づくソーラー装置を開発するプロジェクト4件に約1,600万ドルを投資。

  • アリゾナ州立大学(アリゾナ州テンピ): MIT、カリフォルニア工科大学、ニューサウスウェールズ大学及びスイス連邦工科大学と協力して、超薄膜結晶シリコン太陽電池の為の新たな素子構造(device structure)を組み立てるプロジェクトに約350万ドル。目標とする変換効率は29%。
  • ジョージア工科大学(ジョージア州アトランタ): 国立再生可能エネルギー研究所及び独フランウンホーファISEと協力して、基礎・応用研究を介して結晶シリコン太陽電池の変換効率を26.5%以上に引き上げるプロジェクトに350万ドル。
  • IBMトーマス・J・ワトソン研究センター(ニューヨーク州ヨークタウンハイツ): デラウェア大学エネルギー変換研究所、カリフォルニア大学サンタバーバラ校及びハーバード大学と協力して、CZTS(copper zinc tin selenide)系薄膜太陽電池の開回路電圧欠損(open-circuit voltage deficit)に取り組むプロジェクトに約450万ドル。変換効率目標は18%以上。
  • 国立再生可能エネルギー研究所(コロラド州ゴールデン): First Solar社、テキサス州立大学、コロラド州立大学、コロラド鉱山大学、及びワシントン州立大学と協力して、テルル化カドミウム(CdTe)薄膜のドーピングや寿命、可動性や表面安定化の本質的限界を研究するプロジェクトに450万ドル。変換効率目標は24%。

3. 「SunShot」 PREDICTS(Physics of Reliability: Evaluating Design Insights for component technologies in Solar)計画 … より頑丈で信頼性の高い太陽光発電装置素材を開発するプロジェクト4件、及びマイクロインバーター・マイクロコンバーターの信頼できる性能テストを開発するプロジェクト1件に総額で約700万ドルを投資。

  • アリゾナ州立大学(アリゾナ州テンピ): テルル化カドミウム(CdTe)薄膜太陽電池の性能と準安定化(metastability)の背後にある原理を研究するツールの開発に約142万ドル。
  • GE グローバルリサーチ社(ニューヨーク州ニスカユアナ): GEが開発した内部モデルを活用して、臨界圧CO2タービンの膨張タービン(turboexpander)内にあるHGB(ハイブリッドガス・ベアリング)とDGS(ドライガスシール)の信頼度を予測する研究に約193万ドル。
  • 国立再生可能エネルギー研究所(コロラド州ゴールデン): 集光型太陽熱発電(CSP)システムに使用される先進材料や塗料の劣化や故障の原因となる物理化学的プロセスのモデルから測定可能な特徴を予測する能力を開発するプロジェクトに約156万ドル。
  • スタンフォード大学(カリフォルニア州スタンフォード): 集光型太陽熱発電()CSPに技術の信頼度と稼動寿命を決定する固有の熱機械(thermo-mechanical)劣化メカニズムと光化学(photo-chemical)劣化メカニズムを研究するプロジェクトに約117万ドル。
  • サンディア国立研究所(ニューメキシコ州アルバカーキ): 独立型及びモジュール統合型のPVマイクロインバーターとマイクロコンバーターの為に技術的に安定した、ベンダーや技術面で中立的な信頼性基準(reliability standard)を確立する包括的な研究開発プログラムに約139万ドル。


B. シームレスなグリッド統合

4. 「SunShot」 SUNRISE(Solar Utility Networks: Replicable Innovations in Solar Energy)計画 … 電力会社による太陽光発電電力量の予測や、大量な太陽光発電のグリッド統合を助長するプロジェクト8件に約780万ドルを投資。DOEから100万ドル以上の助成金を受領するプロジェクトは以下の通り:
  • 全米地域電力共同組合(National Rural Electric Cooperative Association =NRECA): 15の共同組合と協力して、NRECA開発の0.25-MW、0.5-MW、1-MW級PVプロジェクト標準設計を用いて、今後3年以内に23メガワットの太陽光発電を導入するプロジェクトに約365万ドル。


C. 増加する米国の太陽光発電従事労働者の支援

5. 「SunShot」 GEARED(Grid Engineering for Accelerated Renewable Energy Deployment)計画 … 次世代のエネルギー技術者や電力管理者等を教育する人材育成地域コンソーシアム4ヶ所の立ち上げに約1,500万ドルを投資。
  • 電力研究所(EPRI: テネシー州ノックスビル): 大学4校及び17の公益事業/電力管理会社と協力して、米国東部に分散型技術人材育成コンソーシアム(Distributed Technology Training Consortium =DTTC)を設立するプロジェクトに約480万ドル。
  • Electricore社(カリフォルニア州バレンシア): DOEのDTTCを手本として、太陽高発電その他分散型技術のグリッド統合に焦点をあてた訓練ネットワークを構築するプロジェクトに270万ドル。
  • ミズーリ科学技術大学(ミズーリ州ローラ): 中部アメリカ・マイクログリッド教育訓練地域コンソーシアム(Mid-America Regional Microgrid Education and Training Consortium)の設置に約500万ドル。
  • セントラル・フロリダ大学(フロリダ州オーランド): 米国南東部諸州の大学7校、電力会社8社、裾野産業パートナー5社、2つの国立研究所及び1つのリサーチセンターと協力してFEEDERコンソーシアムを設立するプロジェクトに367万ドル。

6. 「SunShot」 DISTANCE-Solar(Diversity in Science and Technology advances National Clean Energy in Solar)計画 … マイノリティ学生に太陽エネルギー研究や教育の機会を提供するため、2つ大学に約100万ドルを投資。

  • デラウェア州立大学(デラウェア州ドーバー)に約33万ドル
  • テキサス大学サンアントニオ校(テキサス州サンアントニオ)に75万ドル

(Department of Energy News Release, October 22, 2013)

 

 

 

 

 

 


注釈:

1: 1 2020年までに太陽光発電システムの総コストを75%削減して、1ワットあたり約1ドル(kW時あたり約6セント)まで引き下げることを目標とするイニシアティブ。

 


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