NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

10月7日号

政府説明責任局、連邦政府による中小企業研究支援の実態を報告

年間の委託研究費が1億ドルを超える連邦政府省庁は、中小企業法によって、外部委託研究費の一部を中小企業革新研究(Small Business Innovation Research)計画(注:1)と中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer =STTR)計画(注:2)へ充当するよう義務付けられている。しかしながら、政府説明責任局(Government Accountability Office =GAO)の調査により、2006年度から2011年度の6年間にわたって常にSBIRとSTTRへの年間支出義務を順守していたのは、SBIRでは国土安全保障省(DHS)・教育省・厚生省の3省、STTRでは厚生省1省のみであったことが明らかになった。

GAOが2013年9月に発表した『中小企業研究プログラム:支出・報告義務のコンプライアンス改善に必要な措置(Small Business Research Programs: Actions Needed to Improve Compliance with Spending and Reporting Requirements)』の主要点は以下の通り。

  • 連邦政府は、SBIR計画の開始時から2011年までに約12万6,000件のプロジェクトに総額約304億ドル、STTR計画の開始時から2011年までに約9,000件のプロジェクトに総額約23億ドルのアワードを提供。

  • SBIR計画やSTTR計画への参加省庁が報告した2006年度から2011年度のデータから、殆どの省庁が6年間にわたって常に、SBIR計画やSTTR計画の計上義務を順守していたのではない(注:3)ことが判明した。また、SBIR計画やSTTR計画への支出義務を算定するにあたり、幾つかの参加省庁は異なる方法論を使用し、[支出義務の]算出ベースとなる自省の委託研究費から不適切にR&D予算を除外(注:4)していた。

  • SBIR計画やSTTR計画に参加している省庁は、自省の委託研究予算を算定する方法論を中小企業局(Small Business Administration =SBA)に毎年報告するという[中小企業法で定めた]義務要件を順守しておらず、SBAも、各省庁の委託研究予算算定方法を分析して議会に毎年報告するという義務を順守していなかった。また、SBAの政策指針では各省庁に対して、委託研究予算から除外したR&D計画のリスト及び除外理由を方法論報告書に含めるよう指示しているものの、これを順守していたのはEPAと厚生省のみであった。

  • 各参加省庁によるSBIR計画やSTTR計画の管理コストは、省庁が情報収集を行っていない、又は収集するシステムを持っていないために、算出不可能であった。2011年度の管理コストに関するGAOの情報提供要請に応えて、9省庁(注:5)が提出した推定コストによって、給与・諸経費、契約処理費、アウトリーチ計画、技術支援計画、及び支援契約等が推定された管理コストの大半を占めていることが判明した。

  • SBA及び参加省庁が確実にSBIR計画とSTTR計画の支出義務及び報告義務を順守するよう、以下の措置を提言する:
    • SBAは、歳出予算法の成立が遅れた際の支出義務算定方法に関する追加指針を参加省庁に提供し、更に、省庁の方法論報告に含まれるべきフォーマットを提供すべきである。
    • SBAは、各省庁から方法論報告書を受領した後、各省庁が用いた委託研究予算算定方法がSBIR計画やSTTR計画の義務要件に準じているか否かに関する評価をタイムリーに提供すべきである。
    • SBAは米国議会に年次報告書 …参加各省庁がSBIR計画やSTTR計画の支出義務算定に利用した方法論に関する包括的分析を含む… をタイムリーに提出すべきである。

(Manufacturing & Technology News, September 25, 2013 ; "Small Business Research Programs: Actions Needed to Improve Compliance with Spending and Reporting Requirements" September 2013)

 

 

 


注釈:

1: SBIR参加省庁は、農務省、商務省、国防省、教育省、エネルギー省、厚生省、国土安全保障省、運輸省、環境保護庁、米航空宇宙局(NASA)及び全米科学財団(NSF)の11省庁。SBIRへの計上率は1997年度から2011年度が委託研究費の2.5%で、2012年度に2.6%へ、2017年度以降は3.2%へ引き上げ。

2: STTR参加省庁は、国防省、エネルギー省、厚生省、NASA及びNSFの5省庁。STTRへの計上率は2004年度から2011年度が委託調査費の0.3%で、2016年度以降は0.45%に引き上げ。

3: SBIR計画への支出義務の未順守: 農務省3年、商務省3年、国防省4年、DOE 1年、運輸省4年、EPA 1年、NASA 4年、NSF 3年。STTR計画への支出義務の未順守:国防省4年、DOE 3年、NASA 2年、NSF 2年。

4: R&D予算が不適切に除外されて委託研究予算が減少し、これによってSBIR計画やSTTR計画予算が減っていた例: 国防省のSTTR計上義務予算が770万ドル減、運輸省のSBIR計上義務予算が3,470万ドル減。

5: 農務省、国防省、教育省、エネルギー省、国土安全保障省、運輸省、環境保護庁、NASA、及びNSF。

  

 


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