NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

11月15日号

製造業ハブへの支援は高まるものの、先行き不安な「America COMPETES法」の再認可審議

上院商業・科学・運輸委員会が11月13日に、「21世紀のイノベーション経済における製造業ハブの役割」に関する公聴会を開催。公聴会では、同委員会の民主・共和両党の上院議員や学界・産業界の代表等が、米国先進産業技術の製品化を促進する為に産官学パートナーシップにてこ入れをする製造イノベーション研究所の創設に支持を表明した。

同公聴会は、今年9月に満期終了となった包括的な科学・教育支援法である「America COMPETES法」(注:1)の再認可努力の一環として行われたもので、Sherrod Brown上院議員(民主党、オハイオ州)とRoy Blunt上院議員(共和党、ミズーリ州)が今年8月に共同提案した「2013年米国製造業及びイノベーション再活性化法案(Revitalize American Manufacturing and Innovation Act of 2013:上院第1468号議案)」(注:2)に関して、各界からの意見を聴聞することが焦点となった。

上院商業・科学・運輸委員会のJay Rockefeller委員長(民主党、ウェストバージニア州)は、製造業が回復傾向にあるものの、製造業の真の復活を望むのであれば、投資に本腰を入れる必要があると指摘したほか、イノベーションと製造業は両立するものであって、片方を失うと他方をも失うことになるというマサチューセッツ工科大学の調査結果は非常に興味深い見解であると語った。

一方、同委員会の共和党ランキングメンバーであるJohn Thune上院議員(サウスダコタ州)は、ホワイトハウスと上院商業・科学・運輸委員会はNNMIが国立標準規格技術研究所(NIST)の製造技術普及計画(Manufacturing Extension Partnership)を始めとする既存の製造パートナーシップの複製でないことを保証する必要があると指摘し、米国製造業の支援には税制改正や貿易協定、知的財産法や規制改訂といった別の方法があることを強調した。

Brewer Science社(ミズーリ州ローラに本部を置く半導体メーター)のTerry Brewer社長は公聴会で、貿易協定には知的財産権の保護に必要な執行手段が含まれていないことを指摘し、研究開発優遇税制を断続的に遡及的に延長する議会の決定は新規雇用や労働者育成を妨げる結果となっていると証言した。

一方で、下院科学・宇宙・技術委員会のLamar Smith委員長(共和党、テキサス州)は10月30日に、「America COMPETES法」への代替案の一つとして、全米科学財団(NSF)やNISTから切り離し、エネルギー省(DOE)科学局の予算だけを別個に再認可する「EINSTEIN America法(Enabling Innovation for Science, Technology, and Energy in America Act of 2013)」(注:3)を提案している。緊縮財政の中、連邦政府支援に対しては、民主党主導の上院議会と共和党主導の下院議会の間にかなりの格差があるため、「America COMPETES法」の再認可は現在のところ先行き不明となっている。

(Environment and Energy Daily, October 31, 2013; Environment and Energy Daily, November 14, 2013)

 

 

 

 


注釈:

1: グローバル経済における米国競争力強化のためにイノベーションや教育への投資を推進する目的で2007年に制定され、2010年には再認可されたが、2013年9月で満期終了となった。

2: 全米製造イノベーションネットワーク(National Network for Manufacturing Innovation =NNMI)に対して6億ドルの予算を認可する条項を含む。

3: DOE科学局の基礎研究予算を現行レベルより1.7%引き上げ47億ドルまで増大する一方で、ARPA-E他幾つかのDOEプログラムの廃止を盛り込んでいる。

 


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