NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

12月18日号

Baucus上院財政委員長、エネルギー税制改革案を発表

Max Baucus上院財政委員会委員長(民主党、モンタナ州)が12月18日、現行のエネルギー産業向け優遇税制やインセンティブを統合撤廃し、技術中立的で(technology-neutral)かつ国産クリーンエネルギーの促進を狙った2つの長期的エネルギー優遇税制を設置するという革新的な討議草案を発表した。

現在、米国には42の(連邦レベルの)エネルギー優遇税制があるものの、その内の25は1年又は2年間で満期終了となる一時的インセンティブとなっている。また、異なる技術に異なる水準の助成を提供する既存のエネルギーインセンティブは過度に複雑で、明白な政策的根拠なしに勝者と敗者を選定するばかりか、これら現行インセンティブの継続は向こう10年間で約1,500億ドルの負担になる。Baucus委員長は声明で、国家エネルギー安全保障の強化とクリーンで健全な環境の確保の為に、予測可能でより合理的かつ技術中立的なエネルギーインセンティブが必要であると主張している。この討議草案に対するコメント期間は2014年1月31日であるが、Baucus委員長のスタッフによると、エネルギー税制改革法案が正式に上院財政委員会でマークアップされる時期は明らかでないという。

『エネルギー税制改革に関するスタッフの討議草案概要(Summary of Staff Discussion Draft: Energy Tax Reform)』の要点は以下の通り:



クリーン電力

  • クリーン電力の税額控除
    • 全発電施設の平均よりも25%クリーンな発電施設は税額控除を受けることが出来る。施設のクリーン度が高ければ高いほど、控除率も高くなる。
      • クリーン度は、環境保護庁(EPA)の定める、施設の温室効果ガス(GHG)排出量を発電量で割った割合とする。
    • 税控除の対象は米国内の発電施設で、再生可能エネルギー、化石エネルギー、その他全ての資源を利用可能。
    • 1キロワット当たり2.3セントの生産税控除、又は、最高20%の投資税控除のいずれかを選択可能。
      • ゼロ排出施設に対する生産税控除は1キロワット当たり最高2.3セントで、最高10年間。2017年1月1日以降に運転開始の施設が対象であり、それ以前に運転を開始する施設は後述の移行期間規定の対象となる。
      • 投資税控除の最高は投資の20%で、2017年1月1日以降に運転開始の施設が対象。但し、炭素回収・隔離(CCS)を設置して二酸化炭素排出を50%以上回収する既存施設は2016年以降に20%の投資税控除を要求可能。
    • 米国電力部門のGHG集約度が2013年水準より25%クリーンになれば、その後4年間でこの税額控除を段階的に廃止する。

  • 移行期間規定
    • 再生可能電力の生産税控除を2016年末まで延長
    • 再生可能電力の投資税控除を2016年末まで延長
    • 住宅向け再生可能電力投資の税額控除を2016年末まで延長

 

クリーン燃料

  • クリーンな輸送用燃料の税額控除
    • 在来型ガソリンよりも25%クリーンな燃料は税額控除を受けることが出来る。クリーン度が高ければ高いほど、控除率も高くなる。
      • クリーン度は、EPAの定める、ライフサイクルの排出ベースとする。
    • 税控除の対象は米国内で生産・販売される燃料で、再生可能エネルギー、化石エネルギー、その他全ての資源を利用可能。
    • 1ガロンあたり最高1ドルの生産税控除、又は、最高20%の投資税控除のいずれかを選択可能。
      • エネルギー含量が同じでライフサイクル排出がゼロの燃料に対する生産税控除は1ガロンあたり最高1ドルで、最高10年間。2017年1月1日以降に運転開始の施設が対象であり、それ以前に運転を開始する施設は後述の移行期間規定の対象となる。
      • 投資税控除の最高は投資の20%で、2017年1月1日以降に運転開始の施設が対象。2017年1月1日以降に運転開始の施設が対象。
    • 全ての輸送用燃料のGHG集約度が在来型ガソリンよりも25%クリーンになれば、その後4年間でこの税額控除を段階的に廃止する。

  • 移行期間規定
    • 輸送用再生可能燃料及び輸送用代替燃料の生産税控除を2016年末まで延長

     

エネルギー税条項の撤廃

  • 電気や燃料の国内生産に的を絞っていない、現行の11のエネルギー関連優遇税制を撤廃する。

 

(Greenwire, December 18, 2013; Summary of Staff Discussion Draft: Energy Tax Reform, December 18, 2013; Energy Tax Reform Discussion Draft (One-pager), December 18, 2013)

 

 

 


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