NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

4月16日号

内国歳入庁(IRS)、生産税額控除(PTC)と投資税額控除(ITC)の「施設建設開始」に関するガイドラインを発表

内国歳入庁(Internal Revenue Service =IRS)は2013年4月15日、風力その他再生可能エネルギー開発業者がプロジェクト費用の少なくとも5%を2013年末日までに使用した場合には、プロジェクトが生産税額控除(Production Tax Credit =PTC)や投資税額控除(Investment Tax Credit =ITC)の対象になるというガイドラインを発表した。

2013年1月1日に成立した「2012年米国納税者救済法(American Taxpayer Relief Act of 2012)」には再生可能発電の「優遇税制延長(tax extender)」条項が盛り込まれ、同条項によってPTCとITCが1年間延長されただけでなく、税額控除の対象となる施設が「稼働中」から「建設開始」に変更されたことから、「建設開始」に対するIRSの解釈・定義の発表が待ち望まれていた。

『再生可能発電PTCとエネルギーITCの為の建設開始(Beginning of Construction for Purposes of the Renewable Electricity Production Tax Credit and Energy Investment Tax Credit)』というガイドラインでは、適格施設の建設が開始したことを立証する方法として以下の2つを提示している:

 

  1. 実質的工事(Physical work of a significant nature)の開始 … 実質的工事には、土台建設の為の掘削; アンカーボルトの埋め込み; コンクリートの流し込み; 特定施設用の風力タービンやタワーの製造; 風力タービンの修理・維持に必要なアクセス道の建設、等が含まれる。企画や設計や融資確保、探査や環境調査、許認可取得やライセンシング、用地整理や土壌状態を究明する試掘、既存タービンやタワーの除去、等は実質的工事には含まれない。建設が開始したか否かは関連のある事実と状況によって決まり、IRSは施設を綿密に検査し、2014年1月1日以前に建設が開始されたかどうかを決定する。

    施設の建設が開始したか否かを決定する目的だけに限り、一つのプロジェクトに属する複数施設を単一施設として取り扱う。



  2. プロジェクトコストの5%投資 … 2013年末までにプロジェクト総コストの少なくとも5%を使用したプロジェクトには免責条項(Safe harbor provision)が適用され、税額控除の対象となる。

    <プロジェクトの最終的総コストが予想費用を超過した場合>

    (i) 複数施設から成る単一プロジェクトの最終コストが予想額を超過し、2013年12月31日までに支払った費用が、施設稼動時の総コストの5%未満となった場合には、免責条項が十分に満たされなったことになる。一方で、単一プロジェクトに属する複数施設の一部に対しては免責条項が満たされ、PTCまたはITCの対象となる(注:1)可能性がある。

    (ii) 複数施設から成る単一プロジェクトではない単一の施設の最終コストが予想額を超過し、2013年12月31日までに支払った費用が、施設稼動時の総コストの5%未満となった場合には、納税者は施設のどの部分をとっても免責条項を満たさなかったことになる。但し、施設の実質的工事が2013年12月31日までに開始されていれば、前述1に基づきPTCやITCの対象となる可能性がある。

 

IRS発表のガイドラインは、建設開始後又は免責適用後、いつまでに開発者がプロジェクトを完成させなければならないかという期限を設定していない。しかしながら、どちらの場合にしても、IRSは、プロジェクト稼動に向けた継続的努力の維持を開発者に義務付けている。

(E&E News PM, April 15, 2013; "Beginning of Construction for Purposes of the Renewable Electricity Production Tax Credit and Energy Investment Tax Credit," Internal Revenue Service, April 15, 2013)

 

 

 


注釈:

1: 例: 風力タービン5基から成るウィンドファーム事業(単一プロジェクト)で、納税者(開発者)がタービン1基建設の費用を10万ドル、総額50万ドルと見込んで、2013年に2.5万ドルを支出。納税者はウィンドファームの完成に向けて継続的な努力を積み重ね、稼動に至ったが、実際のプロジェクト総コストが60万ドルに達した。納税者は2013年3月31日までに実質総費用の5%を支出してはいないものの、5基のタービンの内の4基に関して言えば総額48万ドルとなり、2013年に支出した2.5万ドルは5%以上に相当するため、この4基はPTCまたはITCの対象となる。

  

 


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