NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2013年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

8月15日号

国防省の核兵器組立・分解施設にクリーンな電力を供給する、パンテックス風力発電プロジェクトの建設着工

エネルギー省(DOE)は8月13日、連邦政府所有の風力発電所としては全米で最大規模となるパンテックス風力発電プロジェクトの建設に着工した。

テキサス州アマリロにある国防省パンテックス工場(米国で唯一の核兵器組立・分解施設)の東にある1,500エーカーの用地に建設される同プロジェクト(11.5メガワット)では、年間約4,700万キロワット時の電力を発電する見込みであり、これはパンテックス工場の年間電力消費量の60%以上を賄うことになるほか、炭素排出量を年間3.5万メトリックトン削減することにもなるという。

この風力発電プロジェクトはここ数年にわたり計画段階にあったが、オバマ大統領が今年6月25日に包括的な新気候変動行動計画を発表したことを契機に、ファストトラックで承認されることとなった。Siemens Government Technologies社がDOEとの18年間の省エネルギー実績契約(Energy Savings Performance Contract)の下に、パンテックス風力発電施設を建設、運転する。2014年の夏には、建設を終了し、運転が開始される見通しである。

(Department of Energy News, August 13, 2013; Greenwire, August 13, 2013)

 

 

エネルギー省、ビルディングの省エネ技術研究開発に1,100万ドルを助成

米国の家庭やビジネスの光熱費節約と温室効果ガス削減を狙ったオバマ政権の努力の一環として、エネルギー省(DOE)は8月14日に、革新的な次世代省エネビルディング技術(冷暖房技術、断熱技術等)を開発する9件のプロジェクトに約600万ドル、住宅や商業ビルの省エネを助長するオープンソース・省エネソフトウェア(open source energy efficiency software)を開発するプロジェクト3件(注:1)に約500万ドルの助成を行うと発表した。DOEの総額約1,100万ドルの投資に対して、民間部門が約100万ドルのマッチングを行うという。次世代省エネビルディング技術研究開発で助成金を獲得した9件のプロジェクトは以下の通り:

  • サンディア国立研究所とユナイテッドテクノロジー研究センターが実施する、住宅用冷暖房空調システムのための回転熱変換器(rotating heat exchanger)技術実証プロジェクト: DOE助成が約75万ドル、コストシェアが約9.2万ドル。 

  • 国立再生エネルギー研究所(NREL)が実施する、窓用に手頃な価格の真空断熱プラスチックフィルム(vacuum insulation plastic film)を開発するプロジェクト: DOE助成が75万ドル、コストシェアは無し。

  • パシフィック・ノースウェスト国立研究所が実施する、太陽光発電の為に光を均衡に吸収するウィンドウコーティングを開発するプロジェクト: DOE助成が75万ドル、コストシェアが約8万ドル。

  • サーモリフト社、オークリッジ国立研究所、及びストーニーブルック大学が行う、住宅や商業ビルに冷暖房・温水を提供する天然ガス・ヒートポンプを商品化するプロジェクト: DOE助成が75万ドル、コストシェアが約35万ドル。

  • ITN Energy System社、電力研究所(EPRI)、スタンフォード線型加速器センター、及びコロラド州鉱山学校が実施する、低コストで透明性が高い低放射率フィルムを斬新な薄膜ロールトゥロール(roll-to-roll)加工技術を駆使して開発するプロジェクト: DOE助成は約75万ドル、コストシェアは約22万ドル。

  • アルゴンヌ国立研究所とイリノイ工科大学が行う、大規模ビルの建築外皮(ビルディング・エンベロープ)の一断面に関する浸透情報を数値化できるABIMS(Acoustic Building Infiltration Measurement System)技術を開発するプロジェクト: DOE助成が65万ドル、コストシェアが約4万ドル。

  • PPG社とバークレー研究所が実施する、クールルーフの金属屋根材や建物のファサードの塗料の性能を向上させる蛍光顔料を開発するプロジェクト: DOE助成が47.4万ドル、コストシェアが約5.6万ドル。

  • Industrial Science & Technology Networkが行う、建物外皮(ビルディング・エンベロープ)用の新しい発泡断熱材を商品化するプロジェクト: DOE助成が40万ドル、コストシェアが約17.3万ドル。

  • S-RAM Dynamics社、オークリッジ国立研究所、パデュー大学及びReGen Power Systems社が実施する、住宅やビルの冷却装置からHFC使用を撤廃するためにオイルフリーの(油を使わない)ヒートポンプを開発するプロジェクト: DOE助成が40万ドル、コストシェアが10.3万ドル。

 

 (Department of Energy News, August 14, 2013; E&E News PM, August 14, 2013)

 

 


注釈:

1: カリフォルニア大学主導のプロジェクト、バージニア工科大学が率いるプロジェクト、及びカーネギーメロン大学主導のプロジェクト。

  

 


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