NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2014年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

1月28日号

下院エネルギー・商業委員会、EPAによる新規火力発電所のGHG排出規制計画を阻止する法案を可決

環境保護庁(EPA)は新規火力発電所から放出される炭素排出を制限する最終規制を2014年1月8日に『連邦政府官報(Federal Register)』で正式発表したばかりであるが、それから約3週間後の1月28日に下院エネルギー・商業委員会は、EPAによる新規及び既存火力発電所の二酸化炭素排出規制計画を廃止することを狙った法案「電力安定確保及び手頃な価格の電力法案(Electricity Security and Affordability Act: 下院第3826号議案)」を21対19で可決した。

EPAが1月8日に正式発表した発電所のGHG新規発生源業績基準(GHG New Source Performance Standard =NSPS)は2013年9月20日にEPAが提案した規制案の内容(注:1)と同様であり、大型(一時間当たり850mmBTU以上)の天然ガス火力発電所にメガワット時当たり1,000ポンド、小型(850mmBTU未満)の天然ガス発電所には1,100ポンド; 新設される石炭火力発電所に対してはメガワット時当たり1,100ポンドというCO2排出量基準(注:2)を設定している。

下院エネルギー・商業委員会が可決した下院第3826号議案は、EPAがこれまでに提案・発表したGHG新規発生源業績基準に関する規制や指針を撤回しているほか、EPAが今後、新規化石燃料EGUs(electric utility generating units)のGHG排出量基準を設定する最終規制を発令、実施、執行することに対して、以下の要件をかしている:

  • 要件1 … 新規化石燃料EGUsのGHG排出量基準を設定する規制を発令するにあたり、EPA長官は、
    • 石炭と天然ガスの火力発電所を個別のカテゴリーに分けるものとする;
    • 以下を満たした場合にのみ、新規石炭火力発電所向けに最良の排出削減システムに基いた基準を設定するものとする:
      • 全米各地にある異なる運転特性を持った6ヶ所以上の石炭火力発電所が商業ベースで12ヶ月間連続稼動し、各発電所が平均でその12ヶ月間に[最良の排出削減システムに基いた]基準を達成した場合、
      • 実証プロジェクトで得た結果がこの排出基準設定に使用されていない場合。


  • 要件2 …熱含有量が1ポンド当たり8,300 BTU未満の新規石炭EGUs のGHG排出基準を設定する規制を発令するにあたり、EPA長官は、
    • 熱含有量が8300 BUT未満の新規石炭EGUsのために個別カテゴリーを設定するものとする;
    • 以下を満たした場合にのみ、同カテゴリーの新発生源向けに最良の排出削減システムに基いた業績基準を設定するものとする:
      • 全米各地にある異なる運転特性を持った3ヶ所以上のEGUsが商業ベースで12ヶ月間連続稼動し、各EGUが平均でその12ヶ月間に[最良の排出削減システムに基いた]基準を達成した場合、
      • 実証プロジェクトで得た結果がこの排出基準設定に使用されていない場合。

(Greenwire, January 28, 2014; 113th Congress 2nd Session H.R. 3826)

 

 

 

 


注釈:

1: EPAが2013年9月20日に提案したNSPSの内容については、ワシントン事務所の調査レポート『米国の石炭火力発電所に影響を及ぼす環境規制』を参照されたし。

2: 米国内の標準的な既存石炭火力発電所が放出するCO2排出量は1,700ポンド余。 

 

 

 


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