NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2014年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

2月6日号

Monizエネルギー長官、ARPA-E の太陽光フルスペクトル変換・利用最適化(FOCUS)プログラムのグラント受賞者を発表

Ernest Monizエネルギー省(DOE)長官は2月6日、安価な太陽エネルギーをオンデマンドで効率よく提供出来るハイブリッド型太陽エネルギー変換器とハイブリッド型エネルギー貯蔵システムを開発するため、ARPA-Eの「太陽光フルスペクトル変換・利用最適化(Full-Spectrum Optimized Conversion and Utilization of Sunlight =FOCUS)」プログラムで12件のプロジェクトを支援すると発表した。グラントの総額は3,000万ドル。

FOCUSプログラムが支援するプロジェクトは、即時利用の為に太陽光を電気に変換すると同時に、後日使用するために貯蔵しておく熱を生産する先進ソーラーコンバーター、及び、太陽エネルギー源から生産される熱と電気の双方を受け入れる革新的貯蔵システムを開発していく。今回選定された12件のプロジェクトの概要は以下の通り:

リード機関

DOE助成額

プロジェクト概要

アリゾナ州立大学 (アリゾナ州テンピ)

390万ドル

High-Temperature Topping Cells from LED Materials

摂氏100度を超えると急激に性能が落ちる今日の太陽電池とは違い、摂氏450度以上でも効率よく機能する太陽電池を開発するプロジェクト。研究チームは高温での作動を可能にするために、発光ダイオード(LED)産業が使用している超伝導材料を改造。

アリゾナ州立大学 (アリゾナ州テンピ)

約264万ドル

Solar-Concentrating Photovoltaic Mirrors

太陽光を電気と熱に変換する為に、直射日光と拡散光(diffuse sunlight)の両方を集光する、太陽電池の曲面鏡(curved mirror)を開発するプロジェクト。

Cogenra Solar社 (カリフォルニア州マウンテンビュー)

約199.6万ドル

Double-Focus Hybrid Solar Energy System with Full Spectrum Utilization

波長ごとに太陽光を分ける特殊な透過光ミラー(light-filtering mirror)を搭載したハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。これにより、効率の良い太陽電池とオンデマンド電気変換に使われる別個の高温蓄熱材(high-temperature heat-storage component)を統合する安価なコンバーターが可能になる。

ガス技術研究所 (イリノイ州デスプレーンズ)

約99.3万ドル

Double-Reflector Hybrid Solar Energy System

太陽電池で電気変換する可視波長を反射する一方で、流動粒子(flowing particles)を過熱する為にその他の波長を反射する、ハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。太陽光のエネルギーを可能な限り捕らえるために、二重ミラーの設計を最適化する。

General Electric Global Research (ニューヨーク州ニスカユナ)

約227.6万ドル

Electrothermal Energy Storage with a Supercritical CO2 Cycle

高温・高圧の二酸化炭素(CO2)で駆動する独特なガスタービンの部品を設計・試験するプロジェクト。CO2は低圧・超低温で膨張し、貯蔵された電気・熱エネルギーから電気を発生させる。タービンからの熱損失を防ぐ画期的な設計が必要。このエネルギー貯蔵システムをハイブリッド型ソーラーコンバーターと連結することで、オンデマンドの太陽光発電を供給することが可能となる。

マサチューセッツ工科大学 (マサチューセッツ州ケンブリッジ)

342万ドル

Full-Spectrum Stacked Solar-Thermal and PV Receiver

吸熱材(thermal absorber)と太陽電池を層状スタックに組み込んだハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。集束太陽光が光透過性断熱材(optically transparent thermal insulation)の層を通る液体を過熱する一方で、電気変換が最も容易なスペクトルが太陽電池に流れ込むという独特なスタック設計。これにより、必要に応じて柔軟に電気を送ることが出来る安価な太陽エネルギー変換システムが可能となる。

マサチューセッツ工科大学 (マサチューセッツ州ケンブリッジ)

約59.4万ドル

Low-Cost Hetero-Epitaxial Solar Cell for Hybrid Converter

太陽光を、太陽電池へ送られるスペクトルと集熱器に送られるスペクトルに二分する色選択的なフィルター(color-selective filter)を組み込んだ安価なシリコンウエハーを利用し、高性能太陽電池を開発するプロジェクト。

MicroLink Devices社 (イリノイ州ナイルズ)

360万ドル

Epitaxial Lift-Off III-V Solar Cell for High Temperature Operation

摂氏100度を超えると急激に性能が落ちる今日の太陽電池とは違い、摂氏400度以上でも機能する高性能太陽電池を開発するプロジェクト。信頼性を耐用年数25年間に亘って保つように、現在使用されている低温集光式太陽電池の材料と設計をカスタマイズする他、コストを最小限に抑える為に高価な太陽電池製造テンプレート(solar cell manufacturing templates)を再利用できる製造技術を利用する。

ノースロップ・グラマン宇宙航空システム (カリフォルニア州レドンドビーチ)

約236.2万ドル

Thermo-Acoustic AV Hybrid Solar Energy System

高性能太陽電池と熱を電気に変換する熱音響エンジン(thermo-acoustic engine)を組み合わせた、皿型の(dish-shaped)ハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。

Otherlab (カリフォルニア州サンフランシスコ)

300万ドル

Hybrid Solar Converter with Solar Pond Receiver

太陽スペクトルを二分して、太陽光の最適な波長を高性能太陽電池によって電気に変換しつつ、残りのスペクトルを利用して溶融塩プールを過熱する、統合システムを開発するプロジェクト。

Sharp米国研究所 (ワシントン州カマス)

約418.3万ドル

High-Concentration Full-Spectrum Solar Energy System

可視波長を超高性能太陽電池に反射する一方で、紫外線や殆どの赤外線を通過させて熱流体を加熱する、半透明ミラーを組み入れたハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。

タルサ大学 (オクラホマ州タルサ)

約175.9万ドル

Liquid Filter with Plasmonic Nanoparticles

非可視波長を捕らえて光吸収ナノ粒子(light-absorbing nonaparticles)を含む流体を加熱する、ハイブリッド型ソーラーコンバーターを開発するプロジェクト。光吸収ナノ粒子含有流体は、電気変換が最も容易なスペクトルを太陽電池に送り、廃熱を流体へと送り戻す。

(Department of Energy News Release, February 6, 2014; ARPA-E Project Selections- Full-Spectrum Optimized Conversion and Utilization of Sunlight, February 6, 2014)

 

 

 

 

 


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