NEDO ワシントン事務所:デイリーレポート

2016年

■ エネルギー・環境・産業技術関連では、以下のような動きがあった

7月22日号

オバマ政権、2020年までに1ギガワットのソーラー発電導入を目的とする新イニシアティブを発表

オバマ政権は7月19日、全米各地、特に低中所得コミュニティにおけるソーラー発電の普及拡大と省エネルギーの推進を目的とする新たなイニシアティブ「Clean Energy Savings for All Initiative」を発表した。この新イニシアティブは、エネルギー省(DOE)、住宅都市開発省(HUD)、農務省(USDA)、厚生省(HHS)、復員軍人省(VA)、及び環境保護庁(EPA)の連携を強化し、更には州政府機関との協力によって実施されるもので、2020年までに1ギガワットのソーラー発電を低中所得世帯に導入することを目標とする。

オバマ大統領は2013年の「気候変動行動計画(Climate Action Plan)」において、2020年までに政府支援住宅に100メガワットの再生可能エネルギーを設置するという目標を発表している。新イニシアティブの目標はその10倍となるが、オバマ政権ではこの野心的な目標を、革新的な融資メカニズムの促進; 州政府やコミュニティに対する技術支援の強化; イノベーションの推進; クリーンエネルギー分野での職業訓練の拡大; 民間・慈善部門との協力等によって達成していくという。オバマ政権が発表した新イニシアティブの主要点は以下の通り:

1. PACE(Property-Assessed Clean Energy)(注:1)融資プログラムの拡大

  • HUDおよびVAが、住宅用のPACE融資促進する新たな指針書を発表
  • DOEが、一般コメントを求めるため、更新した『住宅用PACE融資のベストプラクティス・ガイドライン(Best Practices Guidelines for Residential PACE Financing)』の草案を公表
  • DOEは、効果的なPACEプログラムの設計・実施を支援するため、州政府やコミュニティに技術支援を提供

2. 「コミュニティ・ソーラー・チャレンジ(Community Solar Challenge)」

  • オバマ政権の1ギガワット目標達成を支援するため、DOEは「コミュニティ・ソーラー・チャレンジ」を構築すると発表。コミュニティ、特に低所得コミュニティにおけるソーラー発電導入の拡大と光熱費の削減を達成する革新的モデルを開発するため、数十のコミュニティに最高各10万ドルの賞金を授与する。

3. 低所得世帯による再生可能エネルギー投資予算へのアクセスを簡易化

  • HHSとDOEは、低所得家庭向けエネルギー支援プログラム(Low Income Housing Energy Assistance Program =LIHEAP)の受益者が、LIHEAPの低コストエネルギー効率改善予算の15〜25%利用を認める条項を活用できるよう、LIHEAP受益者へ技術支援を提供する。

     

4. より多くの米国人がクリーンエネルギー経済に参加できるよう、技術支援を提供

  • コミュニティやビジネス、州政府や地方政府が、低中所得世帯のソーラー化を助長する連邦資源を把握できるよう、DOEはSolar Powering Americaのウェブサイトに省庁間のデジタル拠点を構築する。
  • EPAは州・地方政府のエネルギー、環境、住宅、及び社会福祉部署や、非営利団体及び公益事業に対して、省エネや再生可能エネルギーを低所得コミュニティにもたらす際に利用可能なモデルについての付加的情報を提供する。
  • DOEのインディアン・エネルギー部は、インディアン部族間の技術支援エネルギープロバイダー・ネットワーク構築に700万ドルを拠出する。

5. コミュニティ・ソーラー融資へのアクセス拡大、および健全なコミュニティ作りへの新規パートナーシップ構築のため、全米各地で一連の会合を開催

  • 低中所得世帯のコミュニティ・ソーラープロジェクト融資へのアクセスを拡大するため、銀行と規制機関担当者を招集
  • ホワイトハウス、DOE、EPAおよびHUDは、全米各地において一連のClean Energy Savings for Allサミットを開催。第一回サミットは8月9日にサウスカロライナ州スパルタンブルグで開催。

6. 低所得・少数民族コミュニティを含めたソーラーエネルギー労働者(注:2)の構築

  • DOEによるSolar Training Networkの立上げ
  • DOEが、メリーランド州ボルチモア市でコミュニティ労働力投資プログラム(Community and Workforce Investment Program)に着手

7. ソーラーエネルギー普及に対する州政府及び民間部門のコミットメント

  • 全米36州における住宅局、農業電力共同組合、電力会社、及び慈善団体等の120を超える組織が、2億8,700万ドルの投資を確約。この投資で導入されるソーラーエネルギーは280メガワット強。

 

(White House FACT SHEET: Obama Administration Announces Clean Energy Savings for All Americans Initiative, July 19, 2016)

 

 


注釈:

1: 地方政府や州政府等が、商業不動産や住居用不動産のエネルギー効率改善にかかる初期費用を提供することを認めるというプログラムで、初期費用は徐々に動産所有者から政府に返済される。

2: オバマ大統領就任後、ソーラー産業のために5万人を越える労働者に訓練を提供。新イニシアティブでは2020年までに更に7.5万人の訓練を目標としている。

 


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