(2002/5/22) 

米国エネルギー法案の比較

NEDOワシントン事務所
平成14年5月22日

ブッシュ大統領は昨年5月17日に、チェイニー副大統領率いるエネルギータスクフォースが作成した国家エネルギー政策(National Energy Policy)を発表した。国内のエネルギー供給拡大を柱とした行政府のエネルギー政策に対する米国議会の反応は予想通りで、共和党と民主党の党派ラインでほぼ分かれることとなった。共和党が主導権を握る米国下院は、ブッシュ政権の国家エネルギー政策をベースとしたエネルギー法案の審議を直ちに開始し、昨年8月2日に下院第4号議案を可決させている。

一方、行政府のエネルギー政策はエネルギー業界の多大な影響下で秘密裏に策定されたものであるとして同政策を厳しく批判していた民主党は、昨年5月末のJames Jeffords上院議員(バーモント州)の共和党離党によって米国上院の主導権を獲得したのを機に、再生可能エネルギーやエネルギー効率改善を重視する法案を提出した。上院の各管轄委員会で審議を続けたものの、北極圏野生生物保護区域 (Arctic National Wildlife Refuge = ANWR)の石油掘削解禁や電気事業再編、企業平均燃費(Corporate Average Fuel Efficiency = CAFE)の強化や気候変動、および、エネルギー税控除や再生可能エネルギー使用基準(Renewable Portfolio Standard = RPS)といった条項で意見がまとまらず、行き詰まりとなっていた。こうした状況を打開するため、Tom Daschle上院院内総務(民主党、サウスダコタ州)は委員会可決を待たずに、民主党提案のエネルギー法案(上院第517号議案:注1)を直接上院本会議に持ち込む策を取り、今年3月6日から本会議審議を開始した。6週間以上に及んだ論争の末、上院第517号議案は4月25日に88対11で可決されている。

しかしながら、上院のエネルギー法案と下院可決のエネルギー法案には大きな相違が存在するため、今後は上下両院協議会で擦り合わせが行なわれ、妥協案が策定されることになる。上院は既に、上下両院協議会への代表者として17名(注2)を指名しているが、代表者50名を送り込むという噂のある下院では選出が未だ行なわれていないため、エネルギー法案に関する上下両院協議会の開催は戦没者追悼記念日(5月27日)以降になるものと見られている。上院と下院のエネルギー法案の内容については、主要事項をNEDO Washington Daily Reportで随時報告しているものの、部分的な報告のため、全体像の把握はなかなか困難である。下記は、ワシントン事務所リサーチャーのMario Farrugiaと学生インターンのEmi Kameyamaが、ブッシュ政権の国家エネルギー政策、上院可決のエネルギー法案(上院第517号議案)、および、下院可決のエネルギー法案(下院第4号議案)を項目毎にまとめた比較対照表である。今後の上下両院協議会での審議状況を追う上で、参考となれば幸いである。

ブッシュ政権

−Energy Task Force Report
−President's Budget Proposal

上院第517号議案

−Energy Policy Act of 2002

下院第4号議案

−Securing American Future Energy Act of 2001

基本方針

  • 将来のエネルギー課題への対応
  • エネルギー効率の向上
  • 連邦政府の施策に関しその影響、代替策を示すことを要求
  • 本勧告に関連する法制化について議会と協力
  • エネルギー供給プロジェクトの迅速化を推進
  • 省エネルギーとエネルギー研究開発(R&D)を推進し、米国のエネルギー供給を多様化して、エネルギーの保証を図る
  • 省エネルギーとエネルギーR&Dを推進し、米国のエネルギー供給を多様化して、エネルギーの保証を図る

発電・送電

  • 将来のエネルギー課題への対応
  • エネルギー効率の向上
  • 連邦政府の施策に関しその影響、代替策を示すことを要求
  • 本勧告に関連する法制化について議会と協力
  • エネルギー供給プロジェクトの迅速化を推進
  • 省エネルギーとエネルギー研究開発(R&D)を推進し、米国のエネルギー供給を多様化して、エネルギーの保証を図る
  • 省エネルギーとエネルギーR&Dを推進し、米国のエネルギー供給を多様化して、エネルギーの保証を図る

  • FERC に対し、送電線敷設のための私有地強制収用権(Right to eminent domain)を付与
  • 電力輸入を拡大するため、国境を越える送電に関する規制の見直しを実施
  • 競争の促進やPUHCA 及びPURPA の廃止を含む法制度の構築
  • DOE及びFERCに対し、州間送電システムの信頼性向上、FERC監視下の自立的組織に関する立法措置を要求
  • 送電線信頼性及び超伝導に関するR&Dの拡充
  • 州間送電に関する制約の撤廃
  • 新規発生源規制の見直し
  • 許認可プロセスの円滑化

 

[研究開発]

  • 電力システム・貯蔵研究開発;$51.9Mと昨年同額
  • DOE長官に対し、送電に関する州間調整の監督、及び、州間調整を推進する年次会合の開催を指示

[電力供給市場問題と信頼性]

  • 電力卸売競争を査定する為、FERC・連邦取引委員会・司法省間タスクフォースを創設
  • FERCに対し、公益企業持株会社の帳簿や記録へのアクセスを付与。州政府に対し、管轄下の公益企業持株会社の帳簿や記録へのアクセスを付与
  • 条件付きでPURPA廃止。コジェネを除き、再生可能資源利用電力購入義務要件を撤廃
  • PUHCAの廃止

 

[連邦電力法(FPA)修正案]

  • テネシー川流域開発公社と連邦政府電力事業部を公営電力として定義付け
  • 電力部門と天然ガス部門の合併に関するFERCの権限拡大。市場に基づいた電気料金設定権限をFERCに付与
  • FERCに対し、不公正レートを監視し、罰金を査定するよう指示
  • 未規制の送電会社に対し、条件付でオープンアクセスを容認
  • RTO の送電信頼度基準を監督・認可・実施する権限をFERCに付与

言及なし

化石エネルギー全般

[予算]

  • 化石エネルギー関連予算;
    $736M→$745Mへ1%増
  • 戦略石油備蓄予算;
    $149M→$169Mへ14%拡充
  • 化石エネルギーR&D予算;
    $42M→$449Mへ17%減
  • 新設・既存発電所での使用を目的とした先端褐炭技術や石炭ベース技術の実用性を実証するため、エネルギー研究・開発・実証・導入計画の実施をDOEに義務付け
  • 環境に優しい持続可能な方法で将来も石炭を利用していくため、石炭ベースの技術に対する性能基準を確認すべく調査を行なうようDOEに要請
  • 天然ガス送配基盤の信頼性・効率・安全性・健全性を改善する研究・開発・実証、及び、分散型エネルギー資源推進のために、包括的5ヵ年計画を実施

[予算] 

  • 向こう10年間の石炭関連予算;$5.8B
  • 向こう10年間の石油・ガス関連予算;$22B

石油・ガス

[ANWR開発]

  • ANWRにおける石油,天然ガスの開発の承認
  • ANWRからのロイヤリティを活用して土地の保全・管理を行なう保全基金を創設
  • ANWR開発の競売収入のうち$1.2Bを上限に代替、再生可能エネルギー対策に充当

 

[開発・輸送]

  • 新規製油所及びパイプラインについての許認可に際しての環境規制を見直し
  • 新規天然ガスパイプラインを先導するため環境規制手続きを円滑化、特に、アラスカ横断パイプライン(更新)について対応
  • 緊急時に向け地下における戦略備蓄を拡大
  • 新技術を活用した既存生産井からの石油、天然ガスの回収向上
  • 官民協力の下、石油、天然ガス関連技術を向上
  • 連邦の石油、天然ガスリースの障害となる土地の状況及びリース条項の見直
  • 海上石油開発に対するインセンティブを検討
  • 海上又は大陸棚外部における掘削について、連邦による障害について再検討
  • 大陸棚外部における探査、開発計画の承認を促進
  • アラスカ横断パイプラインのリース手続きの迅速化
  • アラスカの天然ガスを他の48州へ輸送するためのパイプラインの建設(更新)の迅速化。要すれば法律の適用除外も検討
  • 天然ガス・パイプラインの安全性向上のための規制設定
  • 各州のまちまちなクリーン燃料計画の見直し
  • 製油所の許認可手続の円滑化
  • アラスカ石油備蓄におけるリース拡大
  • 北東部の家庭暖房用灯油の備蓄の構築($8M)

 

[対外関係]

  • イラク、イラン、リビアに対する経済制裁を見直し
  • アジア、ラテンアメリカ、カスピ海諸国とエネルギー開発促進、米国技術調達について協力
  • サウジ、クエート、アルジェリア、カタール、UAEにおける外資規制撤廃
  • 多国間フォーラムによる障害撤去
  • エネルギー貿易をUSTR ,国務省の優先事項とする
  • ベネズエラ、ブラジルとのエネルギー条約を完了
  • アフリカとのエネルギー貿易拡大
  • BTCパイプラインの支援
  • 油流出に関するワークショップ開催
  • 石油、天然ガスの円滑な輸入のための海外との協力
  • 備蓄に関するIEA との協調
  • 供給途絶時対応についてAPECと協調
  • IEAと迅速な総合的データ収集について協力

 

[R&D、予算、税制]

  • ガス関連研究予算;
    $45Mから$21Mへ53%減
  • 石油関連研究予算;
    $67Mから$31Mへ54%の減
  • 8Mの共同研究開発協定(CRADA)予算はゼロ査定

[ANWR開発]

言及なし

 

[開発・輸送]

  • 大統領に対し、戦略石油備蓄の補充を指示し、DOE長官に対し、インフラ障害の排除を指示
  • アラスカ天然ガス・パイプラインの南下ルートが東(カナダ側)に方向転換する地点を、北緯68度以南とすることを義務付け。パイプラインの認可・建設・当初運営の推進と80%のローン保証
  • John McCain上院議員(共和党、アリゾナ州)提案のパイプライン安全性議案(上院第235号議案)

 

[対外関係]

  • イラクからの原油輸入禁止
  • エネルギー市場の開放・拡大、及び、途上国へのクリーンエネルギー技術移転を目的とする、DOE・商務省・USAID から成るクリーンエネルギー技術輸出に関する省庁間作業グループを創設

 

[R&D、予算、税制]

  • 超深海(Ultra-deepwater)の掘削R&D計画を創設
  • NASに対し、炭層メタンが地表や水資源に与える影響を研究するよう要請
  • 戦略石油備蓄の補充で、物納ロイヤリティ(royalty-in-kind = RIK)を活用するよう大統領に指示
  • パイプラインの原価償却期間を短縮:集油パイプラインの償却期間を7年、製品パイプラインを15年とする
  • 日産75,000バレル以下の小規模精製業者に対し、EPA ディーゼル燃料規制の遵守で生じたコストの最高75%までを経費として申請することを認可
  • 限界的石油及び天然ガス生産井に対し、$3.2Bの税控除
  • 炭層メタン井の税控除を拡大し、対象に新生産井も含める

[ANWR開発]

  • 表面積2,000エーカーを上限に、石油・天然ガス掘削を承認。(但し、道路や砂利鉱山、高架式パイプライン、探査やその他支援活動に必要な面積は含まず)

 

[開発・輸送]

  • アラスカ天然ガス・パイプラインの南下ルートが東(カナダ側)に方向転換する地点を、北緯68度以南とすることを義務付け。パイプラインの認可・建設・当初運営の推進と80%のローン保証
  • 内務省に対し、連邦政府所有地での石油・天然ガスのリース規制が州法令と異なる理由を説明し、公有地の掘削を禁止する環境面での理由を正当化するよう義務付け
  • 州政府に対し、五大湖沖合の掘削禁止の継続を奨励
  • 全米科学アカデミー(NAS)に対し、メキシコ湾の石油・天然ガス既存埋蔵量を調査し、生産拡大に必要な提言を含めた報告書の作成を義務付け
  • 連邦所有地の石油・天然ガス採掘リースから、不当な制限条項を除去するようDOEに指示

 

[対外関係]

  • 2010年までに海外石油への依存度を50%削減する目標に関し、進捗状況の調査をDOEに義務付け

 

 

 

 

 

[R&D、予算、税制]

  • 深海掘削のロイヤリティ免除、及び、超深海(1,500メートル以上)の掘削R&D計画予算として$3B認可
  • 天然ガスと石油精製施設の原価償却期間を短縮:集ガス・パイプラインと石油精製施設を7年、製品パイプラインを15年とする
  • 日産75,000バレル以下の精製業者が、EPA ディーゼル燃料規制の遵守で生じたコストの最高75%までを経費として申請することを認可
  • 限界的生産井に対し、$1.1Bの税控除及びロイヤリティ免除
  • RIK計画の拡大、及び、ケース・バイ・ケースの決定を承認
  • 既存炭層メタン井に対する税控除の拡大

石炭

  • 石炭発電所に対する透明性の高い規制の適用
  • 石炭発電所が改修や改善を行う際に、より厳しい排出規制を適用する「新排出源査定評価(NSR)規制」を見直し
  • 米国のクリーンコール技術の輸出を支持、また海外での開発を促進

 

[税制、予算]

  • 既存の石炭関連R&Dに関する税控除を恒久化
  • 今後10年間で$2BのR&Dの実施
  • 産業界とのマッチング形式で$150Mのクリーンコール発電イニシアティブを開始
  • 燃料・発電システムは、$324Mから$160Mに50%減。
  • クリーンコール技術は既に$83Mの予算が計上

[税制、予算]

・ クリーンコール開発に対し、向こう10年間で$1.9Bの税額控除:クリーンコール技術への投資、初期段階技術の実用化、クリーンコール技術を用いた発電に対する税控除の創設

  • 2001年クリーンコール発電イニシアティブ法の実施をDOEに指示。2011年度までの同計画歳出予算を認可

 

[税制、予算]

  • クリーンコール技術開発に関し、向こう10年間で$3.3Bの税控除
  • 石炭ガス化複合発電所・先端燃焼システム・炭素隔離研究開発・先端燃料研究といった石炭関連技術のR&D予算として、2002年度に$172M、2003年度に$179M、2004年度に$186Mを承認。
  • Energy Systems of the Futureの優良センターを創設する為に必要な最新クリーンコール技術を開発するため、メリットベースのグラントを大学に授与
  • 先端クリーンコール技術を用いた発電に対し、生産税控除を提供

原子力

  • 原子力発電所のライセンシング、リライセンシングの円滑化を図る
  • 既存原子力発電所の出力向上
  • 大気汚染面から原子力エネルギー利用の評価を行う
  • 原子力安全の為のリソース拡充
  • 使用済燃料の深地層処分場を選定
  • 廃棄物削減のための燃料条件についてのR&Dを実施
  • 使用済燃料再処理の可能性及び技術に関し評価を実施
  • プライス・アンダーソン法の延長

 

[予算]

  • 原子力全体;
    $277.5M→223Mへ20%減
  • 原子力イニシアティブ;
    $34.8M→18.1Mへ40%減
  • 原子力エネルギー技術;
    $4.5M→3.0Mへ40%減

 

[税制]

  • 廃炉基金支払額に対する免税措置の適用

  • 米国内での原子力事故時の賠償を規定したプライス・アンダーソン法を2012年まで延長
  • DOE傘下のハンフォード国立研究所にある高速増殖炉用燃焼照射試験施設の再開を禁止
  • 原子力工学研究を推進するDOEプログラムを創設
  • DOE内に、使用済核燃料研究室を設置
  • 新型原子力発電所を設計・開発する為のロードマップを作成する原子力技術開発プログラムを支援
  • 下院第2983号議案によりプライス・アンダーソン法を2017年まで延長
  • 高速増殖炉用燃焼照射試験向けの予算を否認
  • 原子力工学研究を推進するDOEプログラムを創設
  • 先端燃料リサイクリング技術R&D計画を要請
  • 既存のDOE用地に商用目的の原子力発電所を建設する可能性について、DOEに調査依頼

水力発電

[リライセンシング]

  • 水力発電所のリライセンシング手続きの円滑化、管理組織の拡充及び適切な手続期限の設定

[リライセンシング]

  • ダム運営や魚梯建設に関し、関係者が提示した代替案をブッシュ政権が検討することを認可。一方で、ライセンス所有者が提出した条件が環境保全義務要件を満たす限り、これを承認するよう行政府に指示
  • ボナビル電力事業部の借入権限を、2003年度大統領要求額の$700Mから$1.3Bに拡大

[リライセンシング]

  • ダム運営や魚梯建設に関し、ライセンス所有者や他の関係者が、現行規定と同レベルの環境保護を維持しつつ発電コストを削減する可能性のある代替案を提出することを認可

再生可能エネルギー及び分散型電源

  • 再生可能エネルギーの供給拡大のため、連邦政府の土地に関する制約について評価
  • DOEの再生可能エネルギーR&D計画の見直しを行い、勧告
  • 地熱発電所の許認可の遅れを解消する
  • 再生可能エネルギーの購入が最も行い易いようEPAが支援
  • 水素・や融合等の次世代発電技術を開発
  • 水素エネルギー法の延長支援
  • 再生可能エネルギーについての教育キャンペーン実施
  • EPAに熱電併給施設の開発を支援させる

 

[予算]

  • 再生可能エネルギー全体予算は2001年の$373.2Mから2002年には$276.7Mへと26%減
  • バイオマス:$86.3→80.5Mへ7%減
  • 地熱:$26.9→13.9Mへ48%減
  • 水素:$26.9Mと同額
  • 水力:$5Mと同額
  • 太陽:$92.7→42.9Mへ54%減
  • 風力:$39.6→20.5Mへ48%減

 

[税制]

  • 家庭用太陽エネルギー・システムに対する15%の税額控除(上限$2000)
  • 風力、バイオマス利用発電税控除の対象を様々なバイオマス装置に拡大
  • バイオマスと石炭の混焼施設に対する税控除
  • 埋立地のメタン回収に対する税控除
  • エタノールの消費税免除を延長
  • 2020年のRPSを10%と設定
  • 連邦政府に対し、2010年を目途に、年間エネルギー需要の7.5%を再生可能資源利用電力で調達するよう義務付け
  • 再生可能エネルギーには水力発電も含まれる
  • 水素の生産・貯蔵R&D計画、及び、燃料電池計画の創設
  • 低風速に対応する風力技術研究計画の設置
  • 地熱探査方法を改善し、掘削コストを削減する研究計画を創設
  • 化石燃料技術と競合できるソーラー及びバイオエネルギー技術を開発する研究計画を創設
  • ・ 分散型発電とコジェネのインセンティブに関しては言及なし

 

[予算、税制]

  • 2001年12月31日に失効した1.5_/kWhの風力発電向けの税控除を2007年まで延長し、税控除対象をバイオマス、地熱、ソーラーを利用する発電施設に拡大
  • クローズド・ループ型バイオマス施設の建設期限は2007年、それ以外のバイオマス施設は2005年
  • 地熱とソーラー発電施設の建設期限は2007年
  • RPS及び連邦政府のエネルギー調達に関しては言及なし
  • DOEに対し、利用可能な全再生可能エネルギー資源を1年以内に調査するよう義務付け
  • 水素利用発電に関する研究計画の創設
  • Energy Sun Renewable and Alternative Energy計画の設置
  • 軍の管轄下にある公有地を地熱開発に開放
  • 米国農務省所有地の保護が不充分な場合、農務省による地熱リースの発行を禁止

 

[予算、税制]

  • R&Dプログラムの承認
  • 風力発電向けの税控除を2007年まで延長
  • 税控除対象となるバイオマス施設の建設期限を2007年まで延長
  • 地熱ロイヤリティを15%から8%に削減し、地熱発電施設に課された最低額ロイヤリティを廃止
  • 燃料電池を用いた適格発電所、及び、熱電併給施設の購入に10%の税控除

代替燃料

  • 石油代替燃料について国際協力、特に運輸部門中心に実施

 

[税制]

  • 今後10年間で$6.3Bの追加的予算支出。このうち$4Bが燃料電池、ハイブリッド自動車に対する税控除
  • 連邦政府フリートにエタノール混合ガソリンを最低10%購入するよう義務付け

 

[税制]

  • 燃料電池自動車の購入に対する税控除:控除額は車種に応じて$4,000〜$40,000
  • クリーン燃料補給施設コストに対する税控除を延長
  • ハイブリッド自動車購入に対し、向こう10年間で総額$2Bの税控除
  • 代替燃料(ガロン換算で)の販売に対する税控除
  • 連邦政府の業務用軽車両(light-duty)が消費する石油ベース燃料の削減を要請

 

[税制]

  • 燃料電池自動車の購入に対する税控除:控除額は車種に応じて$4,000〜$40,000
  • クリーン燃料補給施設コストに対する税控除を延長
  • 電気自動車向けの税控除額を車種に応じて$4,000〜$40,000に制限
  • 水混合ディーゼル燃料に対する税率を低減し、列車や荷船用のディーゼル燃料に対する消費税を廃止

エネルギー効率化

  • エネルギー効率化を促進するプログラムを強化、特にEnergy STAR制度の拡充、教育プログラムの強化を図る

 

[規制]

  • 従来、エネルギー基準がなかったテレビ、コンピュータ等の機器に関するエネルギー効率化基準の設定について検討。その際、効率基準引上げにより高価となり消費が低迷しない程度内とする

 

[連邦政府]

  • 各省庁に対して、省エネ努力を行うよう指導
  • ブラウンフィールドにおける熱電併給の拡大
  • 柔軟な許認可を通じる熱電併給の促進
  • エネルギー効率に対する国民の意識向上

 

[R&D]

  • 石油代替エネルギー及びエネルギー効率化技術についての基礎研究、開発について国際協力を実施
  • エネルギー効率化技術の世界的な導入に向けた革新的プログラムの設立

 

[建物]

  • 低所得家庭エネルギー支援計画の強化($1.7Bと21%増)
  • 低所得家庭に対する耐候化支援を拡充;$152.7M(2001年)から$273M(2002年)に拡大。
  • 石油、天然ガスのロイヤリティによる基金を用い低所得家庭支援

 

[運輸]

  • NAS報告(2001年7月)を踏まえCAFE基準見直しを実施
  • 運輸省に対し、交通渋滞解消技術に関連した計画の策定を指示。また、ITS を支援
  • DOEの燃料電池バス計画を支援
  • クリーンバス計画を支援
  • トラックの燃費改善に関する計画を策定

 

[予算]

  • DOEに対し、エネルギー効率化に関する研究資金、成果について見直しを要求
  • エネルギー効率化予算全体;
    7%減(R&Dは更なる減
  • 建物関連研究、標準設定;
    $64.2M→32.4Mと50%減
  • 連邦エネルギー管理計画;
    $25.7M→13.3Mと48%減
  • EERE 産業技術;
    $148.6M→87.7Mと41%減
  • EERE運輸技術;
    $255.4M→198.4Mと22%減
  • Energy STAR計画担当省庁の責任分担による同計画の強化。Energy STARラベルに対する国民の認識向上を計りつつ、同計画認可技術の推進を奨励

 

[連邦政府]

  • DOEが、一次エネルギー消費の多い産業部門との間で2002~2012年の間、年率2.5%のエネルギー効率化を目指す自主的合意を形成することを認可
  • DOEに対し、エネルギー効率規準目標の達成度の査定評価でNASと協力するよう義務付け

 

[運輸]

  • エネルギー法案発効6ヵ月後に、運輸省長官が、CAFE基準の研究を実施し、最終規定を発行することを認可。乗用車以外の車両は15ヵ月後
  • DOEが、燃料電池/水素貯蔵研究に重点をあてることを認可
  • DOEに、都市バスの燃料電池・ハイブリッド型・クリーン燃料バスへの転換方法を研究し、クリーンなスクールバス助成を運輸省と共同で設定するよう義務付け
  • トラックのアイドリング制御で生じる燃料節減について研究を開始し、アイドリングの制約規定を発行

 

[予算、税制]

  • 高効率洗濯機、冷蔵庫製造業者に対する税控除
  • 住居のエネルギー効率改善に対して10%の税控除
  • 業務用ビルにおけるエネルギー効率化投資に対する税控除
  • 2003~2005年の間、低所得家庭エネルギー支援計画に年間$3.4Bを承認
  • 低所得家庭の耐候化支援に、2003年度は$325M;2004年度は$400M;2005年度は$500Mを充当
  • DOEに対し、エネルギー効率改善、再生可能エネルギー・分散型エネルギー供給の開発、低所得コミュニティの省エネルギー推進を目的とするグラントを、地方政府、民間企業、非営利地域開発団体、インディアン部族経済開発団体に授与する権限を付与
  • Energy STAR計画の拡大
  • 省エネ電気製品を認定・推進する計画をDOEとEPAに創設し、啓蒙活動に従事
  • 次世代照明イニシアティブ研究開発計画を認可

 

[建物]

  • 低所得家庭エネルギー支援計画の予算を倍増
  • 連邦政府所有ビルに関する2020年までのエネルギー効率義務要件を改正
  • 国家建築物性能イニシアティブ(National Building Performance Initiative)を策定

 

[運輸]

  • ガソリン消費量を2002年レベルよりも50億ガロン削減するため、非乗用車に対する平均燃費新基準の設定を運輸省に指示
  • 平均燃費ベースラインを決定して、調達を管理するように連邦省庁へ指示
  • 自動車の燃料消費を2010年までに大幅削減する可能性を研究するよう運輸省とNASに指示
  • クリーンなスクールバス計画を支援

 

[予算、税制]

  • 高効率洗濯機、冷蔵庫の製造業者に対する税控除
  • 住居のエネルギー効率改善に対し、$2,000を上限とする20%の税控除
  • 業務用ビルにおけるエネルギー効率化投資に対する税控除
  • 業務用・個人用の定置型燃料電池発電装置購入に対し、発電容量$1,000/kWhを上限として10%の税控除

環境及び気候変動問題

  • EPAに対し、SOx、NOx、水銀に関し排出権取引等柔軟な複合汚染基準の策定を指示
  • 気候変動関連研究の継続
  • 自発的温暖化ガス排出登録を最低5年間維持。5年後に自発的登録量が米国温暖化ガス排出の60%以下である場合、排出量登録を義務化し、EPAを登録管理省庁として追加
  • ホワイトハウスに対し、気候政策局の創設を指示。新局に対し、1年以内に排出量安定化戦略を議会に提出するよう義務付け

言及なし

  


注1:
上院第517号議案は、上院本会議での可決後に下院第4号議案に挿入されたため、正式にはもはや存在しない議案番号であり、上下両院協議会で検討される法案は、上院エネルギー法案の条項を盛り込んだ下院第4号議案となる。しかしながら、本レポートでは、両者を区別するという目的で、2001年8月に下院が可決したエネルギー法案を下院第4号議案と呼び、2002年4月に上院の可決した法案を上院第517号議案と呼ぶこととする。

注2:
指名された民主党上院議員は、Bingaman(ニューメキシコ)、Hollings(サウスカロライナ)、Baucus(モンタナ)、Kerry(マサチューセッツ)、Rockefeller(ウェストバージニア)、Breaux(ルイジアナ)、Reid(ネバダ)、Lieberman(コネチカット)の8名。共和党上院議員は、Murkowski(アラスカ)、Domenici(ニューメキシコ)、Grassley(アイオワ)、Nickles(オクラホマ)、Lott(ミシシッピー)、Craig(アイダホ)、Campbell(コロラド)、Thomas(ワイオミング)の8名。これに無所属のJeffords(バーモント)が加わり、計17名


FERC (Federal Energy Regulatory Committee)−連邦政府エネルギー規制委員会

PUHCA (Public Utility Holding Company Act)−公益企業持株会社法

PURPA (Public Utility Regulatory Policy Act)−公益事業規制政策法

RTO (regional transmission organization)−地方別送電機関

USTR (US Trade Representative)−米国通商代表部

IEA (International Energy Agency)−国際エネルギー機関

USAID (US Agency of International Development)−米国国際開発庁

ITS (Intelligent Transportation System)−インテリジェント交通システム

EERE (Office of Energy Efficiency and Renewable Energy)−DOEのエネルギー効率化・再生可能エネルギー部


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