エネルギー省、大学発クリーンエネルギー技術の商業化推進で

5件のプロジェクトを選定

2010年9月16日
NEDOワシントン事務所
松山貴代子

エネルギー省(DOE)のSteven Chu長官が9月15日、大学研究所発の省エネルギー・再生可能エネルギー技術の商業化を加速する「イノベーション・エコシステム(innovation ecosystem)」の構築で、5件のプロジェクトを選定したと発表した。プロジェクトの総予算は向こう3年間で900万ドルで、この内の約530万ドルを連邦政府が拠出する予定である。

「イノベーション・エコシステム」は、大学や民間部門、連邦政府やDOE傘下国立研究所のキープレーヤーを一同に結集させて、新たなクリーンエネルギー技術の開発やその市場化へと繋がる協調環境を育成することを目的としている。

本日発表された「イノベーション・エコシステム」プロジェクト5件は、@起業家の育成・指導;A技術イノベーションの知的財産保護の追求;B周辺のビジネス界やベンチャーキャピタル界の喚起;C大学の各学部をあげての持続可能なアントレプリナールシップやイノベーションの統合、といった目標に基づいて選定されたもので、大学や非営利団体を中心に、大学・ビジネス・金融・政府・研究機関・経済開発団体・促進者(accelerator)・国立研究所等、合計80のパートナーを集めている。

本日発表されたプロジェクト5件の概要は下記の通り:

  • Clean Energy Trust(イリノイ州シカゴの非営利団体)…DOEの拠出額は3年間で105万ドル。

    Clean Energy Trustはイリノイ工科大学、ノースウエスタン大学、シカゴ大学、イリノイ大学シカゴ校と協力して、イリノイ州クリーンテク・エコシステム協会(Illinois Cleantech Ecosystem Consortium)を創設。下記の4プログラムに着手する:

    • 科学者や起業家に10万ドルのシーズ資金やサービスを提供する、Clean Energy Business Plan Competition
    • 新規起業家に集中トレーニングやネットワーク新築の機会を提供する、Clean Energy Boot Camp
    • 新規起業家や新興ベンチャーに、市場・製品戦略や財務モデリング等の支援を提供する、分野別事業開発支援プログラム
    • イリノイ州の既存及び新規エネルギー資源についての認識を向上させるプログラム

  • Fraunhofer Center for Sustainable Energy Systems(マサチューセッツ州ケンブリッジ)…DOE拠出額は3年間で105万ドル。

    同センターのFraunhofer TechBridgeプログラムを拡張するほか、Fraunhofer USAとニューイングランド州クリーンエネルギー評議会(NECEC)及びニューイングランド州クリーンテク・インキュベータ協会(ACTION)の能力を結集させて、クリーンテクノロジー・イノベーションを推進するEnergy Innovation Acceleration Program(IAP)を創設する。


  • カリフォルニア大学サンディエゴ校(カリフォルニア州サンディエゴ)…DOEの拠出額は3年間で105万ドル。

    カリフォルニア大学サンディエゴ校は、カリフォルニア大学、San Diego's William J. von Liebig Center for Entrepreneurism and Technology Advancement、及び、Rady School of Managementと提携して、Regional Energy Innovation Challengeを毎年企画・開催する。専門家諮問委員会の設置後、諮問委員会は、経験豊かなアドバイザーや教授陣及び科学やビジネスの学生からなる有望チームを選定し、各チームの商業化計画に磨きをかけるために商業化ブート・キャンプを実施し、最終的には3チームにフェローシップの機会を授与する。


  • セントラルフロリダ大学(フロリダ州オーランド)…DOEの拠出額は3年間で105万ドル。

    技術ショーケースと事業計画コンテストやビジネスサービス及びプロトタイピングサービスを合体したMegaWatt Venturesというイベントを開催する。エネルギー業界専門家・エンジェル投資家・ベンチャーキャピタリスト・初期段階企業の経験を持つ企業幹部から成る委員会が毎年10チームを選定。選定されたチームはその後2年間、フロリダ州の大学が持っている知的財産ポートフォリオやリサーチの専門知識を利用することが出来る。


  • ユタ大学(ユタ州ソルトレーク)…DOEの拠出額は3年間で105万ドル。

    Energy Innovation Commercialization Centerを創設し、大学発技術の産業界やスタートアップ企業への移転と商業化で、センターに参加する西部諸州大学を支援する。同センターは、教育指導(mentoring)や概念実証(proof of concept)の検証、プロトタイプの指導、ユタ大学の技術商業化事務局(Technology Commercialization Office)および同Venture Bench 計画へのアクセスといった各種リソースを提供する。また、最有望技術へ資金提供するために業界ニーズと市場ニーズを特定するほか、技術が雇用創出や化石燃料依存や気候変動に与える影響の理解および数量化に役立つツールを開発していく。

 

(Department of Energy News Release, September 15, 2010)

 

 

  

 

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