NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2003年4月27日発行


科学者達がバイオテロ警報システムを開発中

ジョンズ・ホプキンス大学の科学者および医療チームが、ワシントンDC周辺をバイオテロ攻撃から保護するための緊急対応システムを開発しようと試みている。医師、疫学者、生物統計学者が参加するこのプロジェクトは、一昨年起こったペンタゴンへのテロ攻撃後、全国的なセキュリティ対策として開始されたものである。

このプロジェクトはESSENCEと呼ばれ、Electronic Surveillance System for the Early Notification of Community-based(コミュニティーにおける早期通報のための電子監視システム)を意味する。ESSENCEは、病院の緊急医療室、薬局、医師、学校、動物管理局、獣医、緊急医療サービス、緊急係員、臨床研究室、および気象予報局などから情報を毎日収集する。このプロジェクトに参加している保健局は安全なウェブサイトを使って、診断前のデータを周辺地域のデータと検証・比較する。こうして、保健局が疑わしい動向を発見した場合は連邦機関に通告する。

バクテリアやウィルスが培養するのには通常2日以上かかることから、科学者達はこの情報を使って政府関連局に警告し、抗生物質、ワクチン、および隔離によって伝染の発生を初期段階に阻止することができるかもしれないと考えている。

Washington Post,2003年3月28日

連邦政府がIGEN社のORIGEN技術の配備を拡張

IGEN International社は、化学・生物物質防衛プログラム事務局(PEO-CBD)から、生物物質を検知する試薬の新たな注文を受けたと発表した。PEO-CBDとの契約は、米国軍隊および国土防衛庁の数々の部門を支援するものである。

IGEN社は、国防総省やその他多くの連邦政府機関と提携している。これら政府機関はORIGEN技術を使って、炭疽菌、ブドウ球菌腸毒素B、ボツリヌス毒素などのカテゴリーA・Bの生物物質を検知する。

ORIGEN技術は、臨床診断、薬学研究開発、生命科学研究、生物兵器防衛テストや食品安全性および品質管理のためのテストなど、幅広い分野に応用されている。

BioSpace,2003年3月27日

医師たちに警報を送るネットワーク

保健社会福祉省(HHS)は、OSベースの携帯機器Palmを持つ医師たちにバイオテロ関連の警報を伝達するために、ePocrates社の医療データ伝達ネットワークのテストを開始した。HHSとカリフォルニア州San Mateo拠点のePocrates社は、3月に3ヶ月間のパイロットプロジェクトを開始した。

ePocrates社によると、緊急治療室担当医師、感染疾患および初期治療の専門医師あわせて1万人がこのパイロットプロジェクトに参加する。同社は、ポケットPC機器用のソフトウェアの販売を4月に開始する予定である。

医師約25万人、その他医療関係職員4万5,000人がePocrates社のネットワークの利用申し込みをした。同社は、処方薬に関する情報を独自のデータベースに保存し、最新の薬剤安全性データやニュースを含めた警報を送信する。HHSはePocrates社と提携することによって、米国疾病管理予防センター(CDC)のネットワークにアクセスしていない医師達にバイオテロ物質に関する警報を送ることができる。

Bio-IT World,2003年3月31日

Digene社のハイリスク型ヒト・パピローマ・ウィルス(HPV)DNAテストがFDA承認を受ける

Digene社は、hc2ハイリスク型ヒト・パピローマ・ウィルス(HPV) DNAテストの販売承認申請補足(PMAS)をFDAが承認したと発表した。hc2ハイリスク型HPV DNAテストは、パップ・テストと併用することによって、30歳以上の女性がハイリスク型HPVに感染しているかどうかを補足的に診断するテストである。このFDA承認によって、Digene社はパップ・テストの補助診断用としてスクリーニング目的にHPVテストの販売許可を得たことになる。

最近New England Journal of Medicine誌に掲載された論説には、HPVと子宮頸癌との関連性について、またHPV DNAテストが子宮頸癌のスクリーニングおよび予防に重要な役割を果たすかもしれないと記述されている。

Digene社は、ハイリスク型HPVを検出するこの補足診断法は、全米で4億ドル市場に発展すると考えている。同社は、これまで2年間このテストのFDA申請を行ってきており、この開発研究は約10年間かけて行われた。

BioSpace,2003年4月1日

BCY LifeSciences社の薬剤が希少疾病用医薬品に承認される

BCY LifeSciences社は、嚢胞性線維症(CF)治療薬dextran-1が食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に承認されたと発表した。オーファンドラッグに承認されたことによって、FDAから販売許可を得た後、最高7年間の市場優先権が与えられる。

オーファンドラッグ・プログラムは、全米において患者20万人以下とされる希少疾病のための治療薬の研究・開発・承認を促進する目的で実施されている。市場優先権だけでなく、臨床治験の助成金、デザイン・アシスタントの研究、税制上の優遇措置などの利点もある。

BCY LifeSciences社によると、DCF 987はCF患者の粘液を希釈し、バクテリアの数を減らす可能性があることが研究によって明らかとなった。同社は、この研究対象となった患者の半数以上が第2相CF臨床治験に参加していると最近発表した。臨床治験は、CF患者におけるDCF 987の効能を評価し、安全性を増強するよう促進するもので、2003年夏に終了する予定である。

Yahoo! News,2003年3月31日

連邦機関がオクラホマ州でバイオテロ実験を開始

連邦政府は、農薬散布用飛行機を使って、穀物アルコールおよび粉末粘土からなる無害物質や、水とポリエチレン・グリコールの混合物を散布し、気象レーダーがバイオテロ攻撃を検知できるかどうかを検証する実験を開始した。

この実験は、気象レーザーシステムが発達しているオクラホマ州で実施されており、米国陸軍および環境保護庁(EPA)の科学者達がこれらの物資をレーダーがどれぐらいの精度で検知できるかどうかを検証することができる。新しいシステムは、小型飛行機や通常のレーダーでは検知できないような微量粒子も感知する。

この実験の目的は、全国的なバイオテロ検知システムのためのコンピューター技術を開発することである。連邦政府は、全米約150のレーダー・ステーションにこのハイテクなソフトウェアをインストールすることを期待している。しかし、陸軍関係者は、データを分析したり実験が成功だったかどうかを評価するのに数週間はかかると述べている。

Associated Press, 2003年3月24日

中国が微生物ゲノミクスを使って石油抽出

中国科学技術省は、石油抽出に役立つ微生物ゲノミクスの研究を開始した。

報告書によると、同省関係者は、この研究が成功すれば油層から6〜10パーセント増の石油を抽出することができると述べた。この研究プログラムは2005〜2010年の間に終了する予定である。

研究者達はこれまでのところ、石油の構成要素のうち重量が重いものや不純物などを代謝し、地中から石油を簡単に抽出するのを促進するガスを産生することができる2種類の微生物のゲノム解読を開始した。

GenomeWeb,2003年3月24日

連邦政府が遺伝子組み替えトウモロコシの除去に資金援助

遺伝子組み替えトウモロコシに関する誤った取り扱いをしたテキサス州のProdiGene社と米国農務省との間で和解が成立し、同社は政府から無利子で350万ドルのローンを受けることになった。これについて批評家達は遺伝子組み替えトウモロコシの除去に政府が資金援助をすることになると主張している。

しかし、農務省代表は、支払い期間の延長を認める以外に方法はなく、一般市民を欺く意図はなかったと述べた。同代表によると、ProdiGene社の財政状況について検討した際に同社が罰金と遺伝子組み替えトウモロコシの除去にかかる費用を支払うことは不可能であることが明白であった。仮にProdiGene社が倒産した場合、政府は支払い総額を肩代わりすることを余儀なくされる。

この取り決めによって、遺伝子組み替えトウモロコシの除去にかかる費用は政府が支払い、ProdiGene社は今後1年間支払いを開始しなくてもよい。同社は、罰金と除去にかかる計375万ドルを年4回に分けて2年間で支払わなければならないが、利子は課せられない。

Washington Post,2003年3月26日


ビタミンCがマウスの幹細胞を心筋細胞に変換する

研究者達は、ビタミンCの作用によってマウスの胚性幹細胞は心筋細胞に分化したと発表した。この研究結果によって心筋障害を持つ患者の治療法を開発する研究へとつながるかもしれない。

この研究では、食品医薬品(FDA)承認を得た薬剤やビタミンなど880種の生物活性物質をテストし、マウスの幹細胞を心筋細胞へと分化誘導するかどうかを調べた。幹細胞は、ビタミンCの影響によって心筋細胞へと変換した場合にのみ鮮やかな蛍光の緑色を発色するよう遺伝子組み替えされた。

ビタミンCには、生体内の物質を障害する酸化物質を中和することができる抗酸化作用が認められることから、ビタミンEを含む他の抗酸化化合物を使ってテストしたところ、心筋細胞への変換は誘導されなかった。このような結果から、ビタミンCによる心筋分化誘導は、抗酸化作用とは直接的な関連性がないことが明らかとなった。しかし、この結果はまだ初期段階であるため、心臓を保護するためにビタミンCを摂取するよう勧めるべきではないと研究者達は語っている。

American Heart Association,2003年4月1日

パーキンソン病治療薬についての驚くべき結果

パーキンソン病患者を対象に治療薬の安全性をテストする予備的実験を行ったところ、患者5名全員にかなりの効果が見られるという驚くべき結果となった。GDNFと呼ばれるこの治療薬によって、最高20パーセント起こっていた機能障害がなくなり、この疾病の症状である不随意運動が軽減もしくは消失した。また、味覚や嗅覚を失っていた患者3名はこれらの感覚に改善が見られた。

この実験で、患者5名は脳の果核にチューブで連結されたミニポンプを皮下に移植された。実験の結果、ドーパミンに反応する脳細胞もあったが実際にはドーパミンを使っておらず、GDNFがドーパミンに反応するよう脳細胞を刺激していたことがわかった。

約2年間にわたって行われた第1フェーズの実験では患者に副作用も見られなかったが、ごく数名の患者しか実験に参加しなかったことも考慮されている。第2フェーズの実験も現在計画中である。

Associated Press,2003年3月31日

コーネル大学の化学者がバクテリアを模倣する生物分解性プラスティックの生成方法を発見

多種バクテリアに一般的に見られるポリエステルから、梱包用だけでなく生物医療機器に利用できるプラスティックを生成する経済的な方法を発見することは、科学界において長期的な目標とされてきた。このようなポリエステルから生物分解性を持つ“グリーン”プラスティックを生成することができる。

コーネル大学の研究者達が、polyまたはPHBと呼ばれる効率的なポリマー合成過程を発見したことによって、この目標は一部達成されたことになる。熱可塑性ポリエステルは自然界にも多く存在し、特にバクテリアによく見られる。ポリエステルは、ペトローリアムをベースとしたポリプロピレンと似た物理的・力学的特性を持っている。

PHBは生成にかかるコストも高く、糖質の発酵を含む大量のエネルギーを消費する生物過程によって生成される。しかし、新しく開発された化学合成過程が完成すれば、PHB生成の新しい方法となるかもしれない。この化学合成過程では、コバルトとアルミニウムをベースとした新しい触媒を使って、一酸化炭素と安価な環式化合物エポキシドである酸化プロピレンの化合を促進する。両手と同じようにミラーイメージの「利き手」を持つ分子である市販の酸化プロピレンを使って化学反応を起こすことによって、同じく利き手を持つラクトンを急速に生成することができる。

Cornell University,2003年3月24日

新しいコロナウィルスがSARSを引き起こす可能性

米国疾病管理予防センター(CDC)は、新しいコロナウィルスが重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こす要因である可能性が高いと発表した。

CDCの科学者達は、今後も継続してSARSの原因を追求していく予定であるが、現在世界的に発生しているSARSの原因を同定するにあたってこれは非常に重要な発見である。しかし、この仮定を証明するには、患者から得られる適切なサンプルからウィルスをさらに培養すること、ウィルスのゲノムを解読すること、さまざまな症状を呈する患者からサンプルを収集し研究することなど、さらなるステップが必要である。

世界保健機関(WHO)の科学者達や臨床の現場の医師達、全米の州政府および地方自治体の保健局などが協力してCDCの取り組みを支援している。

Centers for Disease Control and Prevention,2003年3月25日

シグナルを受けるとDNA複製を阻害するようデザインされた分子

バージニア工科大の研究者達の研究初期結果によると、シグナルを受けるとDNAを標的にして複製を阻害する新しい分子の作製に成功した。これまで医科学の世界ではがん細胞のDNAを妨害する化合物などががん予防として使用されてきたが、これらの薬剤はがん以外の正常細胞も損傷する恐れがあり、患者は副作用の強い化学療法を受けなければならなかった。

同大の研究者達によると、この新しい分子はシグナルを受けるまでは患者にとって有害ではない。分子はシグナルを受けるとDNAを切断して複製不可能にする。

基礎実験の段階で、さまざまな細胞株を顕微鏡で観察したところ、この特別に作製された分子は光を当てると細胞を死滅させることができることが証明された。研究者達は、Virginia Tech Intellectual Properties社を通してこの分子の特許出願を行った。バージニア州RoanokeにあるCarilion Biomedical Instituteがこの技術のライセンス権を保持している。

Virginia Tech,2003年3月26日

Genentech社が乾癬治療薬を開発

Genentech社は、実験的乾癬治療薬Raptivaの効能が第3相臨床治験において証明されたと発表した。同社が556名を対象に行った研究によると、プラセボを投与された患者のうち4パーセントにおいてのみ乾癬症状が最低75パーセント低減したのにくらべ、Raptivaを3ヶ月間投与された患者の27パーセントが同じく症状の低減を見せた。また、Raptiva患者の58.5パーセントにおいて症状が50パーセント改善されたが、プラセボ患者では13.9パーセント改善された。

Raptivaの共同開発を行っているGenentech社とXoma社は、から重症の乾癬の治療薬として、昨年12月にRaptivaのFDA申請を行った。両社は、今年度第4四半期にはRaptivaの販売を予定している。

乾癬とは、肌に赤い鱗状の斑点ができる疾病で、感染者は全米で450万人にのぼり、そのうちの150万人は中等度から重度の症状をかかえている。週一回注射によって投与するRaptivaは、免疫系細胞が他の細胞に結合するのを阻害するよう改変された抗体である。

Reuters,2003年3月22日


EntreMed社とCelgene社が戦略的パートナーシップを締結

血管新生に関する研究とその製品開発を行っている生物医薬品企業であるEntreMed社は、停滞状態であったCelgene社との提携契約は2003年3月31日に締結されたと発表した。

これによってEntreMed社はCelgene社との戦略的パートナーシップを拡張する。このパートナーシップによって、がんや炎症に関連した創薬およびその検証に取り組むことになる。両社は、独自に臨床応用前治験を行ってきた低分子に関する今後の研究開発や臨床応用前治験をお互いのために行う予定である。

EntreMed社は、独自のサリドマイド・アナログ・プログラム全てのライセンス権をCelgene社に2,700万ドルで供与した。その代わり、EntreMed社は、現金支払いだけでなく償還優先株およびワレントで株式投資を獲得することになる。また、Celgene社はEntreMed社にいくらかのライセンス料を支払うかわりに、今後1年間、臨床応用前治験段階の製品3つのうち1つを選択してEntreMed社との共同研究開発を行い、ライセンス権を獲得できる可能性もある。

BioSpace,2003年4月1日

回復に向けて押し進むバイオテクノロジー企業

2003年は、バイオテクノロジー産業にとって忘れがたい年となった。今後数ヶ月の間、苦しい財政状況によって多数の企業が今後有望と考えられる研究開発に手を出さなくなるであろうとアナリスト達は予測している。2001年初期以降、一般市場はバイオテクノロジー企業に関連した公募には興味を示さなくなった。これによってベンチャーキャピタルからの資金調達を試みる民間企業は厳しい状況下に陥ることになった。

しかし、バイオテクノロジー企業にも少しずつ希望の兆しが見えてきた。バイオテクノロジー製品の年間売上高は上昇傾向にあり、バイオテロ対策を図る連邦政府の支出額も劇的に増加した。政府助成金によってバイオテクノロジー産業全体が回復することは不可能であるが、助成金によって厳しい情勢下にある多くの企業は経営を継続することができる。

また、バイオテクノロジー産業は、研究、知的所有権、戦略的協力など、重要なビジネスの基本に常に重点を置いてきた。研究開発は全米の諸大学でも活発に行われている。このように、忍耐力と確固としたビジネス基盤によってバイオテクノロジー企業は短期的にも長期的にも持ちこたえることができるであろう。

Boston Globe,2003年3月30日

ImClone社、年間報告書の提出延期と税金問題によって6,000万ドルの損失か

インサイダー取引スキャンダルに巻き込まれたバイオテクノロジー企業ImClone System社は、税金問題を解決するため年間報告書の提出を延期せざるを得ないと発表し、これによって同社は最高6,000万ドルの損失を受ける可能性がある。

ImClone社は、1999年と2000年に自社株およびワレント購入権を行使した従業員の源泉徴収を誤ったため、税法規に違反したと述べた。これら従業員が課せられた税金を支払っていなかった場合は同社が責任を負うことになる。ImClone社代表によると、ニューヨーク州政府は同社に対し、前最高責任者が負っていた企業課税の支払いを済ませるよう通告した。同社によると、州・連邦政府への未払い税金を支払うには2,300万ドルもかかる可能性がある。同社は、他にも税金を支払っていない従業員がいないか確認している最中である。

この税金問題は、好景気へと向かっていたImClone社にとって新たな打撃となった。欧州で行われた研究によると、同社が開発した薬剤Erbituxは、大腸癌の治療に役立つかもしれない。金額は明らかではないが、同社は2004年度へと乗り切るための資金は確保していると述べた。

Washington Post,2003年4月1日

Biosift社がEntigen社の知的技術財産を獲得

マサチューセッツ州Cambridge拠点のバイオインフォマティックス企業Biosift社がEntigen社の知的技術財産を買収したと発表した。この知的技術財産は、Entigen社が3月に事務所を閉鎖したことから一時保留という形をとっていた。

Biosift社はEntigen社のBioNavigatorゲノミクス・ポータルおよびAddaptデータ統合技術の所有権を獲得した。これらの技術はBiosift社のRadia配列解析技術およびScintillaゲノム・ブラウザーに統合される。

2000年12月、バイオインフォマティックス企業のASP eBioinformatics社とインテグレーション・テクノロジー・プロバイダーのEmpatheon社が吸収合併したことによってEntigen社が創立された。Empatheon社は、その前年に資金増額を試みたが不成功に終わっていた。

Genomeweb,2003年3月24日

ミシガン州のライフ・サイエンス・コリダーが海外投資を求める

ミシガン州のライフ・サイエンス・コリダー・イニシアティブは、州政府の財政危機によって援助金の激減を目の当たりにした。20年にわたって行われるこのイニシアティブはタバコ訴訟の賠償金10億ドルを使って同州の生命科学産業を推進しようという目的で1999年に開始され、2003年の援助金は4,500万ドルから3,750万ドルへと削減された。2004年度の予算案でもさらに2,000万ドルへと削減される予定である。

同イニシアティブは、米国および海外の民間企業からの資金援助を期待している。日本貿易貿易振興会(JETRO)およびフランスの開発機関であるEurasant獅ヘ、4月8日に開催されるライフ・サイエンス・コリダー会議の協賛者であり、本会議はミシガン州における協力活動、資金調達、生命科学の発展に重点を置いている。

同イニシアティブのウェブサイトによると、JETROは米国中西部の生命科学研究開発に4億ドルを投資する予定である。

Genomeweb,2003年3月24日

炭疽菌治療薬によってHuman Genome Sciences社の株価が急騰

メリーランド州Rockvilleにある医薬品開発企業のHuman Genome Sciences(HGS)社が動物実験で効果が認められた炭疽菌解毒剤を開発したと発表したことから、同社の株価は31パーセント急騰し、医薬品市場で最も飛躍的な急増率を見せた企業となった。

HGS社は、この解毒剤の臨床治験のためのFDA申請を行い、早くも2年後には市場販売を開始できるようFDA承認を得ることを期待している。2000年には100ドル以上となったHGS社の株式は、3月21日現在で一株あたり1ドル97セント増の9ドル15セントとなった。

Washington Post,2003年3月24日

バイオテクノロジー企業が資金調達に苦戦

1998年以降、地方のバイオテクノロジー企業へのベンチャーキャピタル投資は250パーセントへと急増し、その他どのテクノロジー分野へのベンチャー投資よりも急速な発展を見せた。しかし、ワシントンDC周辺の生命科学企業は現在も資金調達に苦戦している。最近発表されたMoneyTree Surveyによると、2002年にベンチャー投資総額が増強したのはソフトウェアおよびテレコミュニケーション企業のみであった。

このような現象は、バイオテクノロジー企業に特有の財政状況が原因と考えられる。治療薬の開発に成功すれば多額の資金を得られるが、初期段階のバイオテクノロジー企業は何百万ドルをFDA申請に費やし、結局のところ申請が拒否されたり、治療薬の効果が不十分であるとされる場合が多い。

メリーランド州BaltimoreにあるNew Enterprise Associates社のJames Barrett氏は、今後も投資家達は将来有望なバイオテクノロジー企業への投資を行うが、ベンチャー投資は新興企業よりも成熟企業を対象に行われると主張している。

Washington Post,2003年3月24日


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