NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2003年6月29日発行


バイオテクノロジー産業と反対派、遺伝子組み替え食品規制について合意ならず

農業バイオテクノロジー産業とその反対派は、米国における農業バイオテクノロジー規制を強化する計画に合意できず、過去2年間ワシントンDCにおいて入念かつ秘密裏に取り組まれてきた両者の停戦協定は失敗に終わった。バイオテクノロジー物質を含む食品の安全性を評価するためのより強い権限を食品医薬品局(FDA)に与えるという法案を議会が制定すべきかどうかについて論争が行われ、ここ数週間にわたって繰り広げられた交渉は失敗に終わった。

合意に失敗したことは短期的に見ると、両者が希望していたように連邦議会および規制機関に出向いてより厳密な規制を支持する団結した意向を示すことができなくなるが、一般的にバイオテクノロジー産業が有利と見られている現状を維持することを意味する。長期的に見ると、この交渉失敗によって最近農業バイオテクノロジーに対する懸念を表している米国食品産業にとっては新たな問題が浮上することになる。

この交渉を後援した、財団援助による組織であるワシントンDCのPew Initiative on Food and Biotechnologyは、このイニシアティブに参加した関係者の取り組みについての最終報告書を発行する予定である。イニシアティブ参加者には、セントルイスのMonsanto社や、バイオテクノロジー産業に対する連邦規制が厳重でないことについて長期間にわたって批判してきた公共利益団体なども含まれる。

Washington Post,2003年5月30日

上院議員がブッシュ政権の幹細胞研究規制に関してNIH所長を批判

生物医学研究を支持してきた上院議員2人が国立衛生研究所(NIH)当局に対し、ブッシュ政権の幹細胞研究規制によって将来非常に有望な医療分野の進展を遅らせているのではないかと批判した。

Arlen Specter上院議員とTom Harkin上院議員は、NIH当局が最近の医学的発見の重要性を軽視していると批判し、連邦助成金の利用を禁止された胚性幹細胞研究が疾病の治療に特に有益である可能性を指摘している。

これに対してNIH当局は、新しい医学的発見の重要性はまだ不明確であるとしながらも、ブッシュ政権が胚性幹細胞研究ヘの連邦政府助成金の利用を承認した場合、研究者達は飛躍的な進展を遂げることができるかもしれないとも予測している。しかし、大多数の大学関連の科学者達がNIHの見解に反対している。

The Chronicle,2003年5月23日

米国上院委員会が遺伝情報に関する差別法を禁止

米国上院委員会は、保険会社や雇用者が、顧客や被雇用者の遺伝子情報を根拠に差別するのを禁止する立案を承認した。

2大政党に支持されたこの法案によって、遺伝子・分子診断を受ける国民が増加するかもしれない。この法案が可決されると、保険会社および雇用者は、遺伝子情報を要求したり、顧客・被雇用者に遺伝子診断を受けるよう要請することを禁じられる。また、保険会社は遺伝子情報を理由に補償を拒否したり保険料を設定することを禁じられ、雇用者は遺伝子データに基づいて雇用および解雇の決断を下すことを禁じられる。

Associated Press, 2003年5月22日

郵政公社が炭疽菌検知システムのテストを拡張

米国郵政公社は、バイオテロ物質を検知する新しいセキュリティ・システムのテストを拡張する予定である。このバイオハザード検知システム(BDS)は、米軍、政府機関、その他の専門家と相談した結果、開発・テストされた。

郵便物の継続的な分析を行うこのシステムは、メリーランド州Baltimoreで過去9ヶ月にわたってテストされ、その評価も良好である。6月1日、このテストは全米14ヶ所の郵便施設に拡張される予定で、30日間の試験期間後、郵便施設関連者は全国的な配備に向けてシステムの適性を評価する。

このシステムは一晩で1万件のテストを実行することができる。炭疽菌DNAに対する陽性反応が確認された場合、ネットワーク・コンピューターは、施設内だけでなく地元および全国の郵便局にも即座に警告し、緊急対応計画が起動される。今後、炭疽菌攻撃が勃発した場合には、全郵便局員は即座に避難し、郵便施設は閉鎖されることになる。

Washington Post,2003年5月26日

Echelon Biosciences社のがん研究にNIH助成金が供与される

Echelon Biosciences社は、国立衛生研究所(NIH)から“たんぱく質結合の選択性に対するリポソームの重合”と称する重要な研究助成金を受けた。この60万ドルの助成金によって、様々な細胞の異常を引き起こす主要因子である特有の細胞シグナル伝達経路についての研究を促進する。

Echelon社は、細胞の応答性を制御する細胞間脂質シグナル伝達経路の研究を専門としている。このようなシグナル伝達経路は、がん、炎症、糖尿病を引き起こす可能性がある細胞の応答性を制御する。これら伝達経路における標的を同定することによって、シグナル伝達修飾因子(signal transduction modifier: STM)として知られる最新の治療法を開発できるかもしれない。

細胞のシグナル伝達の異常を解析し、それを修正することは創薬の最新分野である。Echelon社はPolyPIPosomesと呼ばれるナノ粒子ツールを開発し、これによって薬剤標的候補をより迅速に認識することができる。ナノ粒子ツールは既存の技術の安定性を増強し、検査キット開発および薬剤スクリーニングのための標的を同定するのに役立つと考えられる。

PRNewswire,2003年5月28日

ブッシュ大統領が欧州の遺伝子組み替え農作物禁止法に対し飢餓問題を提起

先頃行われた米国沿岸警備隊アカデミーの卒業式で、エイズおよび貧困問題と闘うためのイニシアティブについてスピーチを行ったブッシュ大統領は、欧州の遺伝子組み替え農作物禁止法によって発展途上国は遺伝子組み替え技術を利用できなくなることから、この法令がアフリカの飢餓問題対策に反するものであると演説した。ブッシュ大統領は以前にも欧州政府に対して遺伝子組み替え食品の販売妨害をやめるよう要請したが、遺伝子組み替え農作物禁止法を世界の飢餓問題と結びつけたのはこれが初めてである。

ブッシュ大統領は、“高収量バイオ農作物”の利用を増強することによって、深刻な貧困問題を抱える発展途上国の農業生産力を大幅に改善できると主張している。しかし、米国が実際は欧州との抗争の結果によって得られる経済的効果に興味があることについてはふれなかった。世界のバイオテクノロジー産業をリードする米国企業は、欧州市場に乗り出すことを切望している。

欧州の国民は、今後起こりうるまだ知られていない保健上・環境上のリスクを懸念して、遺伝子組み替え製品の購入を躊躇している。欧州政府関係者は、欧州の遺伝子組み替え食品禁止法がアフリカの飢餓問題に何らかの責任があることを示唆するブッシュ大統領の発言を受け入れることはできないと語っている。

New York Times,2003年5月21日

VaxGen社の炭疽菌ワクチンに治験承認

食品医薬品局(FDA)はVaxGen社に対し、実験段階の炭疽菌ワクチンに対しヒト臨床治験承認を与えた。

FDAの治験承認によってVaxGen社は、炭疽菌感染に備えて最高2,500万回投与分のワクチンの備蓄を計画する連邦政府との有益な契約を締結できる。同社がこの備蓄契約の受注を全面的に受けた場合、1億〜2億5,000万ドルの収益が予測される。

VaxGen社とそのパートナー企業は政府助成金1,620万ドルを使って、米国陸軍感染症研究所(USAMRIID)の科学的実証された研究成果に基づいて炭疽菌ワクチンを開発する。

VaxGen社のこのワクチンは、炭疽菌毒素を中和する抗体を誘導する防御抗原と呼ばれるたんぱく質の組み替え体に基づいて開発された。今回FDAの承認を受けた臨床治験では、これらの抗体産生について研究が行われるが、ワクチンの効果を評価するために被験者を炭疽菌毒素に接触させることはない。

San Francisco Chronicle,2003年5月28日


“マスター遺伝子”と呼ばれる幹細胞を発見

スコットランドのエディンバラ大学と日本の奈良先端科学技術大学院大学の科学者達は、長年待ち望まれていた胚性幹細胞の“マスター遺伝子”を発見した。再生医療および治療学において利用できる幹細胞の特異な性質はこの“マスター遺伝子”に起因する。

“nanog”と称するこの遺伝子の発見によって、科学者達は、胚細胞を破壊・破棄することなく通常の細胞をヒト胚性幹細胞の生物医学的有効性を備えた細胞に転換できるようになるかもしれない。しかし、この研究によって、これまで繰り広げられてきたヒト胚細胞研究に関する論争にこの先すぐ決着がつくことはないと研究者達は警告した。マスター遺伝子が、胚細胞がおかれている自然環境においてどのように作用するかが注目される一方、ヒト胚細胞研究の方が短期的に見てより重要であると主張する研究者もいる。

研究者達が発見したこの遺伝子は、遺伝子でも特別な種類のもので、この遺伝子がコードするたんぱく質はDNA鎖の特定の領域に結合する。それによって、このたんぱく質が結合したDNA領域に位置する遺伝子発現のスイッチを正確にオン・オフにし、他の遺伝子の働きに影響するたんぱく質の産生を制御する。その結果、nanogなどの調節因子はほぼ単独で全遺伝子の働きを制御することができる。

Washington Post,2003年5月30日

ドラッグデザインの専門家がSARSに取り組む

SARS感染の原因であるウィルスのゲノムが公開された3日後、ジョンズ・ホプキンス大学の生物学者達は、このウィルスが産生するたんぱく質の同定に成功した。これによって、新薬開発の標的が提供されるかもしれない。

研究者達は、SARSウィルスゲノムにコードされた、ウィルスの増殖に必須なたんぱく質であるプロテアーゼを発見した。現在、ドラッグデザイン研究を開始するのに十分な量の組み換えたんぱく質を作製している。

ジョンズ・ホプキンス大学の生物学教授であるErnesto Freire氏は、新薬をデザインするさまざまな解析的アプローチを支持している。病原体に必須なたんぱく質の解析にこのアプローチを応用することによって、細菌を死滅させたりその増殖能を破壊したりすることなく、遺伝的に常に保存されているたんぱく質の特定な領域を発見することができる。この領域が同定されると、それに結合する新薬を開発することが可能となり、病原体は薬剤耐性を獲得するのが困難になる。

Johns Hopkins University,2003年5月29日

NISTの新しい分光手法によってテロ攻撃を検知

米国商務省標準技術局(NIST)とSPARTA社の科学者達が、遠赤外線を使って密封された封筒やプラスチック容器の中の物質を高速で検知する新しい技法を実証した。

この手法は、密封された容器の中のサンプルに遠赤外線を当てて物質中を伝達する遠赤外線を感知し、容器が吸収した分の遠赤外線を調整しながらサンプルが吸収した遠赤外線を解析するものである。この手法によって、3個の分子で構成される化合物から、一般的なバイオテロ物質のサイズである数百個の分子からなる化合物まで同定することができる。

パルスレーザー、および蛍光繊維をそれぞれ使った小型サイズの2つの機器は室温で作動する。研究者達は、100以上もの物質のスペクトル特性のデータベースを作製し、赤外吸収スペクトルに基づいてバルク材を高速で認識する自動ソフトウェアツールを開発した。

NIST,2003年5月29日

治験を中止されたアルツハイマー病治療薬の効能が再確認される

昨年、重篤な副作用が原因で即座に治験を中止されたアルツハイマー病の実験的ワクチンに関する初めての追跡研究によると、脳疾患症状の進行が一時停止し、中には症状が改善された患者もいることが明らかとなった。スイスのチューリッヒ大学の研究者達はこの結果について、ワクチンを接種した患者28名のみのテスト結果にしか基づいていないことから、予備的な結果として考慮するべきであると警告した。

このワクチンを開発した企業は、ワクチンを接種した300名の患者のうち18名が脳炎を発症したことから、製品の再製造は予定していない。しかし、先頃Neuron誌で発表されたこの新しい結果によって、現在開発されている同じようなワクチンがアルツハイマー病の症状を軽減できる可能性があるという期待が高まっている。

アルツハイマー病は、アミロイド斑として知られる異常たんぱく質が脳に蓄積する疾病である。アイルランドDublinのElan社とニュージャージー州MadisonのWyeth社は、アミロイド斑が疾病の副産物ではなく要因そのものであるという見解に基づいてワクチンを開発した。このワクチンは免疫系を刺激してアミロイド斑を攻撃し、免疫系細胞がアミロイド斑を除去するのを助けるものである。

Elan社は現在、抗体を増加させるが、脳炎の原因と思われるTリンパ球細胞を増加させない改良型ワクチンを開発中である。同社は、今年中にヒト臨床治験を開始できるよう食品医薬品局(FDA)承認を獲得することを期待している。

Washington Post,2003年5月22日

First Genetic Trust社とハワード大学がアフリカ系人種のバイオバンクを開発

First Genetic Trust社とハワード大学医学部は、アフリカ系人種バイオバンクにおけるゲノム研究と称する共同開発研究を行い、アフリカ系人種の遺伝および生物情報のバイオバンクを作製することを発表した。

このプログラムは5年間にわたって、約2万5,000人のアフリカ系人種の生物サンプル、病歴、疾病に関する遺伝子情報を登録する予定である。同大医学部付属病院、医師達のネットワーク、および同大同窓会から参加者を募集する。

このバイオバンクには、ハワード大の国立ヒトゲノムセンターにあるゲノムタイピング塩基配列解読施設、またFirst Genetic Trust社の大規模なウェブベースのバイオバンキングシステムであるenTrustが使われる予定である。

GenomeWeb,2003年5月27日

遺伝子から耐乾性植物を作製

植物の保護作用のある被膜の最外層の生成を制御する遺伝子を同定・複製することによって、パデュー大学の研究者達はより改善された耐乾性を備えた農作物を作製できるかもしれない。

一般的な実験的植物であるシロイヌナズナが急速に青枯れするという変異株を発見した科学者達は、WAX2遺伝子をクローニングすることに成功した。この遺伝子は、外皮とそこに含有されるろう状物質からなる保護作用のある被膜の生成に直接関連している。

変異株と野生型のシロイヌナズナを比較すると、水分を保持する能力に違いが見られる。これはwax2変異株では正常のWAX2遺伝子を持つシロイヌナズナとは異なる外皮構造を持っていることが原因である。

WAX2の遺伝子発現を修正することができれば、より透水性が低く、厚くて堅い外皮を作製することが可能になる。遺伝子の働きや遺伝子発現をオンにするタイミングを操作することによって、乾燥に強い植物を作製することができる。

Purdue University,2003年5月22日

イヌゲノム塩基配列解読計画としてボクサー犬のドラフト地図作成が開始される

モデル生物のゲノム塩基配列解読計画の進捗情況を報告した国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)は、イヌゲノムの塩基配列を解読するためにボクサー犬を選定したと発表した。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のホワイトヘッドゲノム研究所の研究チームは、60種のイヌ計120頭を解析した後、ボクサー犬のゲノムは個体間偏差が最も少なく、塩基配列の解読に最適であると判断した。

イヌゲノムの解読は、イヌと人間に共通の疾患である視覚消失症、難聴、がん、心臓疾患、自己免疫疾患などを含む遺伝性疾患の研究に役立つだけでなく、ヒト医療および獣医学にも有益となる。

イヌゲノム研究チームは6月に塩基配列解読計画を開始し、12ヶ月間で28億個の塩基対のドラフトを完成することを予定している。その後、同研究チームは遺伝的多様性の研究のため、ビーグル犬を含む他10〜20種のゲノム塩基配列を解読する計画である。

GenomeWeb,2003年5月20日

バクテリオファージGのゲノム塩基配列が解読される

米国微生物学会(ASM)の声明によると、ピッツバーグ大学の研究者達が、最も巨大なウィルスとして知られているバクテリオファージGのゲノム塩基配列を解読した。

この研究によると、バクテリオファージGはバクテリアに感染するウィルスで、684個の遺伝子、67個のたんぱく質をコードするORF、17個のtRNA遺伝子を持つことがわかった。

バクテリオファージGのゲノム塩基配列解読と解析は、国立衛生研究所(NIH)の助成金によってピッツバーグ大学ピッツバーグバクテリオファージ研究所で行われた。

GenomeWeb,2003年5月21日


ABN社が経口ワクチンの新しいプラットフォーム技術の開発に助成金

Advanced BioNutrition (ABN)社は、水産業・農業分野における保健問題の改善と疾病管理のための製品を開発する主要企業で、今回 “Novel Oral Vaccine for Infections Salmon Anemia”と称する研究に、Saltonstall-Kennedy (S-K)助成金プログラムから助成金19万ドルを授与された。S-Kプログラムは、米国海洋大気庁(NOAA)の国立海洋漁業局(NMFS)のプログラムの一環である。

この研究の目的は、経口ワクチンの効果的な投与を可能にする改善された免疫系プラットフォームを開発することである。ABN社はまず、サケ科の魚の致命的な疾病であるISAVとIPNVに焦点をしぼって開発を行う予定である。このプラットフォームは、数々の魚病に対応できるようにデザインされており、このプラットフォームの開発に成功すれば、陸生動物の疾病やヒトワクチンの開発にも応用できる。

Business Wire,2003年6月4日

Digene社のがん治療薬の効能が確認される

先頃、食品医薬品局(FDA)の承認を獲得したDigene社の子宮頸がん診断テストの治験結果によると、30歳以上の女性における子宮頸がんおよび前がん病変を100パーセントの確率で診断した。テスト結果が陰性だった女性は、子宮頸がんを罹患している可能性はなく、近い将来子宮頸がんを発症する確率も少ないということを事実上保証することになる。今週号のBritish Journal of Cancer誌で結果が発表されたこの治験では、ドイツの7,908名の女性を対象に子宮頸がん診断テストを行った。

Digene社の子宮頸がん診断テストは、これまで標準と考えられてきたパップテストと発がん性ヒトパピローマ・ウィルス(HPV)の診断テストを組み合わせた併用テストで、30歳以上の女性を対象にしている。子宮頸部の細胞異型を肉眼的に診断するパップテストは、微小ながん病変を見逃す可能性もあるが、HPVテストと併用した場合、子宮頸がんを診断・治癒する確率は急増する。パップテストの診断率が43.5パーセントなのに対し、同社の子宮頸がん診断テストの診断率は100パーセントである。

治験結果によると、Digene社のHPVテストを単独で使った場合でも子宮頸がんおよび前がん病変の診断率は97.8パーセントで、これまで子宮頸がん診断テストとして長年利用されてきたパップテストの診断率をはるかに上回る。HPVテストの単独利用はまだ承認されていないが、Digene社は今後数年の間にFDA承認を獲得することを期待している。

メリーランド州Gaithersburgを本拠とするDigene社は、パップテスト併用子宮頸がん診断テストの米国での販売を6月に、欧州でも今秋に開始することを予定しており、各市場の年間収益は3億ドル以上と予想される。

Washington Post,2003年5月22日

バイオテクノロジー分野の株価が急上昇

がん会議で良好な結果が発表され、バイオテクノロジー産業の株価が急上昇するものと見込んだ投資家達は、バイオテクノロジー分野に多額の資金をつぎ込んだ。

バイオテクノロジー企業の株価は毎年、米国がん治療学会議(ASCO)開催後に急上昇し、その後急落する傾向にあるが、今年は急落の兆候は見られていない。

中でも最も株価が上昇したのはClone Systems社で、最近発表された研究結果によると、研究初期段階にある同社のErbituxImは大腸がんの治療に効能を見せた。サンフランシスコ南部にあるGenentech社の株価も、同社のがん治療薬Avastinの効能が明らかになったため上昇した。先頃発表されたデータによると、Avastinは、全身に転移した大腸がんの治療に効果があり、アナリスト達は食品医薬品(FDA)の迅速な承認を予測している。

このようながん治療薬の薬効に関するデータは、バイオテクノロジー産業の株価急上昇の要因となった最近の出来事であるが、その他にも新FDA会長のMark B. McClellan氏が医薬品審査過程の迅速化を提案したことも要因となっている。FDAは先頃、国立がん研究所(NCI)と共同で、特にがん治療薬の審査過程を迅速化する新しい方法を考察するイニシアティブを発表した。

Washington Post,2003年6月3日

Roche社が西ナイルウィルステストの治験承認を獲得

Roche Holding AG社は、輸血直後の血中西ナイルウィルスを検知するテストの臨床治験の開始を許可する食品医薬品局(FDA)承認を受けた。最も一般的な感染経路は蚊であるが、昨年FDAは輸血と組織移植によって感染した例が数件あることを示唆した。

Roche社は、2003年夏季までに間に合うようにこのテストの開発に拍車をかけてきた。このテストの臨床治験は、米国とカナダで7月1日に開始される予定である。同社はカナダでも臨床治験申請を行った。

西ナイルウィルス感染者の大部分は、インフルエンザに似た症状を発症するか、無症状である。しかし、少数の感染者は、脳、髄膜、脊髄の腫脹などを含む致命的な疾病を発症することもある。

Reuters,2003年5月21日

Capital Genomix社とBlanchette Rockefeller Neuroscience Instituteが新施設を建設

Capital Genomix社とBlanchette Rockefeller Neuroscience Institute (BRNI)は、新しいマイクロアレイ中枢施設をメリーランド州Gaithersburgのジョンズ・ホプキンス大学Shady Grove校内に建設することを計画しており、マイクロアレイ研究者のPachiappan Manickam氏が所長に任命された。

バージニア州Chantillyを本拠とするCapital社は、Affymetrix社のマイクロアレイ・サービスのライセンス権を保持している。同社は、BRNIとの提携によって、GeneSystem320とImmunoMouseと呼ばれる同社の遺伝子発現・抗体技術も拡張できることを期待している。

GenomeWeb,2003年5月30日

Roche MedImmune社、年間収益10億ドルを目指す

MedImmune社は、第2弾目の主要製品であるFluMistの販売を2003年に開始することを予定している。同社とWyeth社は、現在食品医薬品局(FDA)の承認過程にあるこの製品を共同で販売する計画である。今年2月、MedImmune社はこの鼻腔スプレー型ワクチンに関するFDAの質問に対してデータを提出した。

MedImmune社は、第2四半期の収益を9,500万ドルから1億500万ドルに維持し、これは昨年同期と比べて6,370万ドル増である。同社は、昨年度の8億4,770万ドルに比べて、今年度の収益を10億8,000万ドルから11億3,000万ドルと見込んでいる。アナリスト達は13億ドルの収益を予測している。

MedImmune社は、今年度におけるFluMistの売上、特許使用料、および報奨金による収益を1億2,000万ドルから1億4,000万ドルと予測している。

Dow Jones Business,2003年5月22日


American Association for Cancer Research-94th Annual Meeting

日付: 2003年7月11-14日

場所: Washington, D.C.

参照: http://www.aacr.org/2003AM/2003AM.asp


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