NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2003年7月13日発行


Genentech社のがん治療薬がFDAのファーストトラックに指定される

世界で2番目の巨大バイオテクノロジー企業であるGenentech社は、同社の実験段階のがん治療薬Avastinが食品医薬品局(FDA)のファーストトラックに指定されたと発表し、FDAはAvastinの申請が完了するのを待たずに審査を開始する予定である。

同社は、大腸がんの転移巣に対する第一治療薬として、腫瘍への血流を阻止するようデザインされた抗体、AvastinのFDA承認を申請している。

FDAのファーストトラック審査は、致死的な疾病の治療法および医療ニーズにこたえられる可能性を持つ新薬の開発と審査の迅速化を目的としている。

化学療法併用のAvastinの使用に関して、非常に重要な治験の結果が良好であったことを最近発表したGenentech社は、今後、FDAと協議しながら申請に適切な情報を決定してゆく予定である。

Reuters,2003年6月26日

NCIとIntrogen社が臨床治験契約を締結

Introgen Therapeutics社は、同社のp53遺伝子を用いた抗癌剤、Advexinを共同開発するため、国立がん研究所(NCI)と臨床治験契約を締結した。Advexinは、口腔内の前癌病変に対するマウスウォッシュ型治療薬として使用される。

20件以上の臨床治験の結果から、悪性腫瘍の治療法としてのAdvexinの有効性は証明されている。今回の臨床治験は、末期がんへと進行する可能性が高い喉頭悪性腫瘍に対する治療効果について初めて研究するものである。

多数の治験医によって行われるこの臨床治験は、 NCIのがん治療および診断部門によって資金援助される予定である。

Dow Jones Business News,2003年6月24日

天然痘ワクチン接種に医療専門家達が警戒を促す

ブッシュ政権の天然痘ワクチン計画について医療専門委員会は、心臓疾患の合併症が確認されていることからワクチンの安全性に対して疑問視しており、何百万人もの緊急隊員にワクチン接種を行う取り組みに対して反対の意を表している。

多くの州政府および連邦政府の保健局員が、何百万人もの緊急隊員に予防接種を行おうと試みるブッシュ大統領の計画は停滞しており、予定よりも大幅に遅れていると非公式に陳述したことから、諮問委員会はワクチン計画に関して勧告を行った。米国疾病管理予防センター(CDC)は、ブッシュ政権はこの勧告を考慮するが、おそらくワクチン計画の拡張に取り組むであろうと発表した。

ブッシュ大統領が昨年12月にこの天然痘ワクチン計画の再開を発表した際、保健委員会は、2003年初期に50万人の保健関連職員と同年夏季までに1,000万人の医療関連職員および緊急隊員に予防接種を行うという大々的な予定表を打ち立てたが、これまで予防接種を受けた者は4万人にも達していない。

諮問委員会およびその他の医療専門家達は、ワクチン計画を継続する前に、ワクチンと心臓疾患の関連性についてのより詳細にわたる研究を実施することを要請している。

Washington Post,2003年6月20日

米国陸軍が生物物質を検知するための製品購入を拡張

IGEN International社は、国防総省が重要と指定する生物物質を検知するため、化学・生物防衛のための共同計画事務局(Joint Program Executive Office for Chemical and Biological Defense)に、独自のORIGEN技術を使った製品を販売する契約に合意した。この契約によって、米国陸軍に今後12ヶ月で700万ドル、また今後4年間で2,300万ドル分の製品が販売される。こうして購入された製品は、国防総省その他政府機関の数々の研究室や調査地域において、環境サンプルにおける生物物質や毒素の検出に利用される。

IGEN社の検出技術は、国土安全保障および生物防衛イニシアティブにおいて幅広く利用されている。同社はこれまでも、国防総省その他政府機関のさまざまな部門と提携してきており、ORIGENベースの技術は、 炭疽菌、ブドウ球菌腸毒素B、ボツリヌス毒素などを含むカテゴリーAおよびBの生物物質の検出に使われている。

PRNewswire-FirstCall,2003年6月23日

鼻腔用スプレー型のインフルエンザワクチンがFDA承認を獲得

食品医薬品局(FDA)は、腕に注射する方法ではなく鼻腔にスプレーすることによって投与するインフルエンザワクチンを初めて承認した。これによって、今年のインフルエンザの流行時までには医療施設や薬局でこのワクチンを入手することが可能になる。

メリーランド州GaithersburgのMedImmune社が製造するFluMistと呼ばれるこのワクチンは、通常インフルエンザワクチンを接種しない5歳〜49歳、1億6,000万人の健常人を対象としている。同社は、インフルエンザの流行シーズン(11月~3月)が始まる前には FluMistの発売を開始できると語っている。

すでに死滅したウィルスを含む 注射によるインフルエンザワクチンとは異なり、 FluMist に含まれるウィルスは希薄ではあるが生きているため、免疫系が弱い患者にとっては健康上リスクを伴う可能性もある。

インフルエンザ関連の合併症を引き起こす可能性が最も高いと考えられている5歳未満の幼児および49歳以上の患者へのFluMistの投与は許可されていない。FDAはまた、喘息および呼吸器系疾患を持つ患者はスプレーを使用するべきではないと警告している。

MedImmune社の FluMistは、発売最初の年に最高1億4,000万ドルの利益が予測されており、バイオテクノロジー産業において最大の製品となる可能性も考えられる。

Washington Post,2003年6月18日

遺伝子組み替えトウモロコシの実用性が疑問視される

ワシントンDCの消費者団体であるCenter for Science in the Public Interestの最近の報告によると、トウモロコシ栽培が盛んな3州において、多数の農業経営者が、遺伝子組み替えトウモロコシの栽培に関して連邦政府が制定した規制に従っていないとのことである。

この報告書は米国農務省のデータをもとにしたもので、アイオワ州、ミネソタ州、ネブラスカ州の農業経営者の19パーセントが、特定の遺伝子組み替え農作物の長期的な実用性を持続するための主な規制に従っていないことが明らかとなった。また、新しいデータによると、アワノメイガが生息できるように、トウモロコシ栽培面積の20パーセントに遺伝子組み替えされていないトウモロコシ種を栽培するよう義務付けられているのに対し、各州の農業経営者のうち、アイオワ州では18パーセント、ミネソタ州では18パーセント、ネブラスカ州では22.5パーセントがこれに違反している。

これらの規制は、遺伝子組み替えすることによって害虫に対する耐性を獲得したトウモロコシを始めとする農作物の長期的な実用性を持続する目的で環境保護庁(EPA)が制定したものである。このように害虫耐性を獲得した遺伝子組み替え農作物を栽培することによって、有毒な農薬の使用を大幅に削減できるかもしれない。EPAの規制では、農業経営者は遺伝子組み替え農作物の近辺に、ある一定量の遺伝子組み替えされていない農作物を栽培することが義務付けられている。これら農作物はやっかいな害虫の“避難所”としての役割を果たし、害虫が遺伝子組み替え農作物の殺虫性たんぱく質に対する遺伝的耐性を獲得する速度を遅らせることができる。

Washington Post,2003年6月19日

バージニア州の研究施設に対し、バイオテロに関してCDCを支援するよう指令

バージニア州は、バイオテロおよび致死的感染症に対する全米の防御体制において重要な役割を占めるようになった。同州は、6,000万ドルをかけて、高度において米国疫病管理予防センター(CDC)や軍研究所に匹敵すると言われる研究施設を開設する予定である。

同州Richmondの“Biotech Six”と呼ばれるこの研究施設には、SARS、西ナイルウィルス、結核などの致命的な疾病を取り扱うための密閉研究室が8室ある。1年以内には、州政府の研究施設では初めての“Biosafety Level 4”と呼ばれる研究室が設けられる予定であり、エボラウィルス、ハンタ・ウイルス属、天然痘などの最も危険な病原体の安全性テストを行うことが可能になる。

この新しいガラスとレンガの建物では151人の研究者が毎年300万のテストを行うことになる。20万平方フィートの施設は、48の有線カメラと何層もの電子キーで守られた同市内で最も安全なビルにもなる。

Washington Post,2003年6月10日

炭疽菌毒素に対する“免疫”を与える新薬

食品医薬品局(FDA)は、新しい炭疽菌治療薬のヒト臨床治験を初めて承認し、米国は生物兵器を使ったテロ攻撃に対する体制を強化する考えである。Abthraxと呼ばれるこの新薬は、炭疽菌の毒素、バクテリア本体、胞子を血液中からすべて除去することが可能である。

メリーランド州RockvilleのHuman Genome Sciences社が開発したこの新薬は、薬剤耐性を獲得した炭疽菌種に対する治療に利用できるだけでなく、これによって、現在使用されている抗生物質やワクチンの大きな改善へとつながる可能性もある。抗生物質は炭疽菌そのものを死滅させるが、炭疽菌胞子は致死的な毒素を放出するまで十分生き残る可能性もある。抗生物質は炭疽菌毒素に対しては無力である。また、炭疽菌ワクチンの効果が出るまでには数週間かかるため、バイオテロ攻撃が予測もつかずに勃発した際にワクチンの効果は保証できない。

ヒト臨床治験には数百人ものボランティアが参加する予定である。この新薬の治験が成功すれば、ブッシュ大統領が提案したBioshield計画によって政府が購入する薬剤の対象となりうる。Bioshieldは、60億ドルをかけた10カ年計画で、反バイオテロ薬剤を購入する権限を政府に与え、これら薬剤の市場を保証するものである。Bioshieldは現在議会で審議されている最中である。

USA Today,2003年6月24日

欧州政府のバイオテクノロジー食品の認可を要請する米国の取り組みが失敗に

ブッシュ政権は、ジュネーブで先頃行われた欧州の遺伝子組み替え食品受け入れに関する米国と欧州連合の交渉が決裂したことを発表した。

米国連邦政府関係者は世界貿易機構(WTO)に対し、本件に関する会議を召集するよう要求し、農産業から年間何百億ドルもの利益を奪っていると農業団体が訴えている、バイオテクノロジー食品禁止法を廃止するよう取り組む計画である。

ブッシュ政権は、科学研究によって遺伝子組み替え農作物の安全性が証明されているとし、欧州の法令を違法であると主張している。これに対して欧州政府は、遺伝子組み替え食品の長期的な影響は明らかではないと述べ、ブッシュ政権がこの論争について公表していることに遺憾を表している。

全米で栽培されるトウモロコシの40パーセントが遺伝子組み替え品種であり、遺伝子組み替え食品が日常的に消費されている米国では、遺伝子組み替え食品をめぐる論争はあまり起こっていない。しかし、環境保護運動がより盛んな欧州では、狂牛病など食品に関連した一連の事件が起こったこともあり、政府から企業にいたるまで、遺伝子組み替え食品の安全性に対してより懐疑的である。

欧州議会は、過去10年間において、大豆を含むいくつかの遺伝子組み替え食品の利用を許可してきたが、最近の新製品の大部分に対して一時禁止を宣言している。

Washington Post,2003年6月19日

ブッシュ大統領がバイオテロ、飢餓、疾病の対策のためバイオテクノロジーの発展を呼びかける

先頃ワシントンDCで開催された第10回バイオテクノロジー産業機構年次総会で、ブッシュ大統領は8000名の参加者に対し、バイオテクノロジー産業は“今日における最も難しい問題を抱えている”と発言し、バイオテクノロジー分野の研究者達は、バイオテロ、世界的な飢餓問題、疾病の対策のためにより献身的に取り組むべきであると述べた。

この陳述によって、ブッシュ大統領はバイオテクノロジー産業への総括的な支持を表明したが、中でも特にバイオテロに焦点が置かれていることは明白であった。ブッシュ大統領は、バイオテロ物質に対するワクチンを大量購入するために資金援助を行うProject Bioshieldについて特に言及し、企業上層部に法令承認の支持を喚起するよう総会参加者に訴えた。

しかし、バイオテロについての発言に加え、ブッシュ大統領は、研究者、企業上層部、投資家達に対し、特に発展途上国の飢餓問題の解決にバイオテクノロジーを応用するよう推奨した。またこの機会を利用し、バイオテクノロジー農作物に反対するのをやめるよう欧州政府に要請した。

GenomeWeb,2003年6月24日


破裂した心臓のゲノム地図を新たに作製することによって命を救う治療法の開発

米国心臓病学会が発行するCirculation誌で最近発表された報告書によると、テキサス大学ヒューストン校医学部の研究者達が、致命的な遺伝性心臓疾患を引き起こす遺伝子突然変異の新しい部位のマッピングに成功した。

これによって、大動脈が破裂もしくは解離するまで拡張する疾病である遺伝性胸部大動脈解離(TAAD)の初期治療法の開発につながるかもしれない。

TAADは、骨の過形成などあらゆる奇形を特徴とするマルファン症候群と呼ばれる遺伝性疾患の患者に時折見られるだけでなく、X染色体の欠損を要因とするターナー症候群とも関連している。ターナー症候群は、大動脈瘤だけでなく、小人症や性的発育の遅滞にも関連している。TAADは、マルファン症候群とターナー症候群とは関係なく、家族性発症の可能性もある。TAADは診断が困難なため、発症患者が若年で死亡する確率は高い。

大動脈が臨界直径に拡張するまで自覚症状が表れないため、TAAD患者は直面するリスクについて認識できない。大動脈は臨界直径に達すると、解離もしくは破裂し、患者にとっては致命的となる。

American Heart Association,2003年6月26日

熱ショックたんぱく質がDNAテストとバイオプロセシングを改善

メリーランド大学バイオテクノロジー研究所(UMBI)の研究者達によると、深海熱水孔のバクテリアを保護する熱ショックたんぱく質は、医療および法医科学においてDNA断片を増幅する一般な技法であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の感度を向上するのに利用できるかもしれない。

また、ワクチン、抗生物質、その他にも医学的に重要なたんぱく質の製造は、特異な熱ショックたんぱく質を微生物の細胞に導入することによってより効率化できるかもしれない。熱ショックたんぱく質の今後の利用法は、農業、水産業、その他商業的に重要な生物プロセスに影響を与える可能性がある。

耐熱性を備えたDNAポリメラーゼに依存するPCRは、臨床医療、法医科学、進化生物学、考古学、遺伝疾患の診断などの分野で一般的に利用されている。

UMBIは、バイオテクノロジー最先端の伸展に貢献しており、この超好熱性古細菌由来の小型熱ショックたんぱく質の特許権を獲得した。

University of Maryland biotechnology Institute,2003年6月24日

組織再生されることによって強靱な骨組織を作製

トロント大学の研究者達が、重篤な骨損傷の回復速度を速める革新的な手法を開発し、研究室において組織再生された骨組織の中では最も強靱な骨組織を作製することに成功した。

この革新的手法によって作製された人工骨格によって、成長賦活剤を加えることなく、成長する組織の骨格を作製することができる。

人工骨格は、傷口の縫合に使われるポリマーであるPoly (lactide-co-glucolide)で構成される。このポリマーは、既存のプロセスで作製される気孔よりも10倍以上大きな気孔を持つ、スポンジのような構造を作る特異な方法で処理される。

動物実験の結果によると、人工骨格は、ゆっくりと分解する一方で、高密度な骨格が成長するための複雑な骨組みを提供する。ウサギを使った実験では、強靱な骨組織が約8週間以内に人工骨格にとって替わった。

トロント大学は、この技術のライセンス権をBoneTec社に供与し、Osteofoamという商標で商品開発されている。

Whitaker Foundation,2003年6月26日

新しく解読された酵素によって女性の性機能障害の治療法開発

ペンシルベニア大学、テンプル大学、ボストン大学による新しい研究によると、男性の性的喚起に関連した生化学プロセスを短絡化する、アルギナーゼIIと呼ばれる酵素が女性の性器にも存在することがわかり、女性の性機能障害を治療する新薬の標的となりうることが明らかとなった。

研究チームは、アルギナーゼIIの3次元構造を解読したことにより、この酵素の機能を不活性化する新薬の開発が可能になった。この研究結果は、Biochemistry誌8月5日号で発表される予定である。

男性と女性の正常な性機能はある重要な生化学プロセスに依存する。このプロセスでは、一酸化窒素合成酵素が天然アミノ酸20種のひとつであるアルギニンをシトルリンと一酸化窒素に転換する。 一酸化窒素は男性と女性の性器の平滑筋を迅速に弛緩し、これによって性器の何千もの小さい血管が血液で膨張する。アルギナーゼは、アルギニンを隔離して生理学的に性的喚起を引き起こす役割を持つ化合物とは無関係の化合物へと分解することによってこの生化学プロセスを阻害し、性器から性機能に必要な一酸化窒素を奪う。

University of Pennsylvania,2003年6月27日

HIVを標的とする抗体の構造を解明

Scripps海洋研究所(TSRI)およびその他、複数の研究機関は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こすウィルスであるHIVを効果的に中和させる抗体の構造を解明した。

最新号のScience誌で発表されたように、この抗体はHIVウィルスの表面にある糖質に結合し、その特異な構造によってウィルスを効果的に中和させることができる。この新構造の発見は、 HIVに対する有効なワクチンを開発するという目標達成のために非常に重要なステップとなり、研究者達は総体的に抗体を開発する新しい手法を得ることができる。

Scripps Research Institute,2003年6月27日


BioAdvance社がフィラデルフィア・バイオインフォマティックス同盟を発足

ペンシルベニア州南東部のバイオテクノロジー産業振興機関であるBioAdvance社は、フィラデルフィア・バイオインフォマティックス同盟を発足するにあたり、地元のバイオインフォマティックス関連事業を支援するための250万ドル投資の一部として、50万ドルを投資すると発表した。

この同盟は、フィラデルフィアの大学および研究機関のバイオインフォマティックス関連の専門性と、地元の製薬会社やバイオテクノロジー企業におけるバイオインフォマティックス・リソースの需要との相互作用を促進するのを支援するものである。

同盟の主な目的には以下が含まれる。

痺oイオインフォマティックスにおける熟練した人員を養成・維持するため、様々な教育やトレーニングプログラムを提供する

痺oイオインフォマティックスの需要を認識し、革新的なソリューションをデザインするため、大学機関、民間企業、政府機関、ベンチャーキャピタルのネットワークを構築し、支援する

癈ッ盟の活動によって誕生した革新的技術を商品化するためのインフラストラクチャーを提供する

フィラデルフィア・バイオインフォマティックス同盟には以下の機関が資金援助をしている。

ペンシルベニア大学
ドレクセル大学
テンプル大学
トーマス・ジェファーソン大学
University of the Sciences in Philadelphia
ペンシルベニア州立大学Great Valley校
フィラデルフィア小児病院
Fox Chase Cancer Research Center
Wistar Institute

PRNewswire,2003年6月24日

Affymetrix社、NIAID、TIGRがSARSウィルスの共同研究

SARSウィルス研究の促進を目的とするAffymetrix社の新しいGeneChipアレイが、政府、非営利組織、民間企業の革新的共同計画を通じて研究界に提供される。

GeneChipアレイの第一弾は、非営利組織のInstitute for Genomic Research (TIGR)と国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)の契約のもと、TIGRが運営するPathogen Functional Genomics Resource Center(PFGRC)を通じて、選定された研究者に無料で支給される。

SARS-CoVアレイプログラムは、病原体とそれによって引き起こされる疾病への理解を深めるためのゲノミクス・アプローチを促進しようとするNIAIDの取り組みの一環である。研究者は、所属に関係なく、アレイとその他の試薬の申請をウェブ上で行うことができる。申請手続きの詳細はNIAIDのウェブサイト、http://www.niaid.nih.gov/dmid/genomes/pfgrc を参照。

PRNewswire-FirstCall,2003年6月23日

がん治療薬の開発に明るい兆し

米国のバイオテクノロジー産業は、ベイビーブーム世代ががんにかかる年代になってきたこともあって、がん治療法を改善できる新しい薬剤の研究開発に取り組んでいる。

膨大なデータによると、今日の薬剤は昔のものに比べて副作用も少なく、より効果的にがんを治療できる。これらの薬剤を開発できたことは、腫瘍細胞の謎を解明し、科学者達に治療法のアイディアを提供してきた遺伝子研究への何十年にもわたる公共投資と、これらアイディアを活かすためのツールを開発するバイオテクノロジーへの四半世紀にわたる民間投資の産物といえる。

アナリスト達は現在、米国企業が海外のライバル企業をおさえて優位を占めていることから、バイオテクノロジー産業全体が2007年頃までには黒字に転じると推定している。トップのバイオテクノロジー企業の多くはすでに利益を上げており、急速に成長している。総体的にがんと称されている約200件の疾病は、現在開発中である新薬の約半数の標的となっており、これらがん治療薬が利益を上げるカギとなることが予測される。

Washington Post,2003年6月23日

産業バイオテクノロジーが高度成長を遂げる

多くのバイオテクノロジー企業は今、医薬品の開発に使われる技術と同じ技術を導入することによって消費財市場をターゲットにしている。例えば、カリフォルニア州Palo AltoのGenencor International社は、コンタクトレンズ、食器類、衣服に付着した汚れを分解する酵素を作製するよう土壌中のバクテリアを遺伝子組み替えした。

デンマークのNovozymes AS社は、カーキ色のズボン、タオル、ストーンウォッシュのジーンズなどの工業予洗に使用される、菌類が生成する酵素を販売している。繊維を侵食することなく綿花の微粒子を切断するこの酵素は、繊維を柔らかくしたり、ストーンウォッシュ・ジーンズの色あせを出すのに使われる。

ミネソタ州MinnetonkaのCargill Dow社は、コーンシュガーから抽出されたプラスチックを販売している。このプラスチックは、枕、カーペットタイル、食品の包装などに使われている。

McKinsey&Co社は、バイオテクノロジー産業における化学製品の売上が、現在の500億ドルから、2010年までには最高1,400億ドルにまで上ると予測している。これらの数字は、Dupont社、Archer Daniels Midland社、Dow Chemical社などの巨大バイオテクノロジー企業の売上も含まれる。

Washington Post,2003年6月15日

販売力によってバイオテクノロジーのツール製造会社の売上が急増

科学者達がバイオテクノロジー研究に使用するツールを製造する企業は、熟練された販売力によって得られるメリットについてよく認識している。BioInformatics社が1,000名以上の科学者を対象に最近行った調査によると、調査に参加した科学者達の約60パーセントが“製品依存の”カスタマーであると解答している。つまり、ある科学製品の購入に際しそれが自分の研究にどのような効果をもたらすかという点が製品購入の決め手になるということである。販売員は、顧客が製品の性能仕様を基準に購入するかどうかを決めると推測して販売活動を行うほど、科学者達が“製品の成果”に置く比重は非常に大きい。

科学者達が、販売員は2年以上の研究室経験と製品のデザインや応用についての十分な知識を持つべきであると感じていることからも、バイオテクノロジー製品販売への諮問的なアプローチが要求されていることがうかがえる。

この調査に参加した科学者達によると、最も訓練された効果的な販売力を持つ企業は以下の6社である。

Invitrogen社
Amersham Biosciences社
Bio-Rad社
Fisher Scientific社
Applied Biosystems社
Qiagen社

PRNewswire,2003年6月25日

IBM社が革新的プログラムを開始し、2大学を表彰

IBM社は、生命科学研究に貢献している大学研究機関を表彰するためにLife Sciences Institutes of Innovationと称するイニシアティブを発起し、インディアナ大学とジョンズ・ホプキンス大学が第1回の受賞者となった。

この革新的プログラムは世界的規模で、IBM社の技術、ソフトウェア、テクニカルサポートへの初期からのアクセスだけでなく、博士課程終了後の研究、外部財源の申請、同社の大学資金援助プログラムへの参加資格、などさまざまな特典を大学機関に提供している。

参加を希望する大学機関および非営利研究団体の参加資格は以下の通りである。

IBM社の技術を研究に利用し、同社との共同研究を行うこと

ゲノムデータ解析とデータ管理、プロテオミクス、システム生物学、情報ベースの医療、などを含む“幅広い科学分野”についての研究を行っていること

グリッドコンピューティング、自律型コンピューティング、高性能コンピューティングなどの分野において“パイオニア”であること

製薬会社、生物製剤企業、病院、政府の研究所などの研究を支援している、もしくは共同研究をしていること

GenomeWeb,2003年6月26日


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