NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2003年8月10日発行


バイオテクノロジー産業がノーブランド薬品のFDA承認によって競争直面か

食品医薬品局(FDA)がノーブランドのインスリンとヒト成長ホルモンの承認について検討していることから、ノーブランド薬品が遺伝子組み替え製剤の競争相手になるのではないかとバイオテクノロジー産業から反対の声があがっている。

最前線のバイオテク特許権の多くが今後5年の間に切れることから、FDAがノーブランド薬品を承認する方向に圧力がかかっており、これによって医薬品全体においてより安価な価格競争を引き起こす可能性がある。ノーブランド医薬品市場は非常に大きいと考えられる。2002年のバイオテクノロジー市場は165億ドルで、そのうちインスリンは15億ドル、ヒト成長ホルモンは4億3,300万ドルであった。

FDAの今後の動きについて懸念を抱いているバイオテクノロジー産業は、よりオープンな審査過程を要請している。バイオテクノロジー産業協会(BIO)は4月、ノーブランド薬品のガイドラインが施行される前に新薬の安全性についての公開討論を開催するよう訴える国民請願をFDAに提出した。

Boston Globe,2003年7月16日

Oxigene社の甲状腺がん治療薬に‘オーファンドラッグ指定’

食品医薬品局(FDA)は、Oxigene社の甲状腺がん治療薬Combretastatin A4 Prodrug (CA4P)を“オーファンドラッグ”に指定した。オーファンドラッグ指定とは、企業に対して7年間の市場優先権などの特典を提供することによって希少な疾病の治療薬の研究開発を促進する奨励策である。

Oxigene社は、治療薬のオーファンドラッグ申請を行ったところ、髄様がん、ステージIVの乳頭腺がん、ステージIVの甲状腺濾胞腺がんの治療薬としてもオーファンドラッグに指定された。

CA4Pは現在、第2相臨床治験が行われているが、まだ販売許可は下りていない。甲状腺未分化がん治療薬としてのCA4Pの第2相臨床治験は、2004年に完了するものと思われる。また、他の治療薬との併用による進行卵巣がんの治療薬としてのCA4Pの臨床治験も現在行われている。

CA4Pは、腫瘍の栄養血管周囲の細胞に侵入して血管構造を阻害することによって、腫瘍への血流を大幅に低減する働きがある。

Dow Jones Business News,2003年7月28日

FDAが成長ホルモンの利用拡張を認める

食品医薬品局(FDA)は、健常ではあるが身長が異常に低い子どもを治療するためにヒト成長ホルモンを使用することを承認した。

生合成されたヒト成長ホルモンであるHumatropeを4〜6年間投与した子どもの身長が、健康上大きなリスクもなく2.5センチから7.6センチ伸びたという研究結果に基づいて、FDAは今回の承認を決定した。

このヒト成長ホルモンは1980年代後半から利用されていたが、特定の疾病・症候群が原因の低身長のみを対象に承認されていた。今回の承認は、原因不明の低身長で、160センチ以下の成人男性、150センチ以下の成人女性を対象としている。

FDAは、最も身長が低い1.2パーセントの子どものみを対象に使用されるべきであると述べ、また、“short stature”と呼ばれるはっきりとした医学的根拠のない低身長は明確な疾病症状ではあるが、必ずしも治療可能な病気ではないという意見もあると言っている。

Washington Post,2003年7月26日

NIHが生物兵器防衛のための抗体の最適化にDiversa社に320万ドル供与

サンディエゴ拠点の細菌ゲノミクス企業であるDiversa社は、米国陸軍が生物兵器物質の検出に利用している3つの抗体を最適化するため、国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)から約320万ドルを受けることになったと発表した。

これら抗体は、リシン毒素、ペスト、αウィルスをするために開発された。この助成金を使って同社は、Gene Site Saturation Mutagenesis技術と呼ばれる、遺伝子の領域を限って徹底的に突然変異体を単離・同定する技術を導入し、抗体の結合親和性を最適化する。同社は、これら抗体の診断の感受性・特異性を増強し、生物兵器の検出を改善する方法の開発を目標としている。

NIAIDは、この計画の最初の6ヶ月間に89万ドルを供与する予定である。

GenomeWeb,2003年7月25日

連邦政府機関が米国北西部の企業に16億ドルを供与

国立衛生研究所(NIH)およびその他連邦政府機関代表が、米国西部6都市を訪問し、中小企業革新研究(SBIR)および中小企業技術移転(STTR)助成金として供与する16億ドルの対象資格を持つ企業の視察を行う予定である。

代表者たちは、以下の都市の事業主、起業家、科学者、研究者たちと助成金申請について話し合いを持つ予定である。

アイダホ州Boise
ユタ州Salt Lake City
ネバダ州Reno
カリフォルニア州Sacramento
オレゴン州Portland
ワシントン州Seattle

SBIRおよびSTTR助成金プログラムは、民間・公営企業において商業化できる可能性がある研究開発プロジェクトに取り組んでいる、従業員500人以下の米国企業に助成金を交付する。

GenomeWeb,2003年7月24日

NIHが炭疽菌研究のためにRensselaer Polytechnic Institute

ニューヨーク州TroyにあるRensselaer Polytechnic Institutesの研究者達は、炭疽菌感染者の治療可能期間を延長することができる可能性を持つ実験的化合物を開発するために、国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)から50万ドルの助成金を受けた。

この助成金は、炭疽菌毒素の阻害物質を開発するために交付された。開発された阻害物質はトロント大学と共同でテストされる予定である。

炭疽菌は、空中に胞子を拡散できるだけでなく吸入した場合の死亡率が高いことから、生物兵器として利用されるようになった。今日では、炭疽菌ワクチンを接種することもできるが、まだ大規模にわたる利用は浸透していない。

炭疽菌阻害物質は、予防物質としての機能を果たし、受動免疫療法の代替となるかもしれない。この阻害物質は手ごろな価格で入手できるだけでなく長期保存も可能なことから、備蓄にも適している。この研究は、地域的だけでなく地球規模における公衆衛生、環境、国土防衛のためのバイオテクノロジー開発を推進するRensselaer Polytechnic Institutesの取り組みの一環として行われる。

Rensselaer Polytechnic Institute,2003年7月31日

バイオテクノロジー産業の政治的影響力が増強

バイオテクノロジー産業によるロビー活動経費と選挙献金が増額していることから、全米でバイオテクノロジー産業の影響が増大していることが伺える。バイオテクノロジー産業は、医療健康保険制度ドラッグ・ベネフィット(医療健康保険の被保険者が処方薬を入手できるというメリット)について今夏に行われる討論や、バイオテクノロジー製品の競争相手となるノーブランド薬品についての討議だけでなく、食品医薬品局(FDA)が新薬審査を行うペースにも影響を及ぼそうとしている。

非営利組織であるCenter for Responsive Politicsは、2002年におけるバイオテクノロジー産業の対政府広報活動経費は3,300万ドル、最近の選挙運動期間中の選挙献金は770万ドルであったと報告している。同組織のデータによると、総体的に見てバイオテクノロジー産業の献金の大部分が共和党にわたっており、民主党への献金29パーセントに対し、共和党には71パーセントが寄付された。

バイオテクノロジー産業は、同産業の利害を保護し、新薬の開発と販売を保証するよう政府に働きかけるべきであると主張している。バイオテクノロジー産業の政治献金に比べると、製薬会社とその業界団体である米国研究製薬工業協会(PhRMA)の2002年における対政府広報活動経費は9,100万ドルであった。

Boston Globe Staff,2003年7月18日

天然痘ワクチン計画の重要性見直し

全米の安全保障専門家達は、ブッシュ大統領の天然痘ワクチン計画が国土安全保障に必須であるとし、停滞していた同計画を回復させるための大々的な広報活動を開始した。

ペンタゴン関係者、保守派、および公衆衛生局員は、ワクチン接種を受けた保健局員が相当数に達しない限り、米国は天然痘勃発の際に対応しきれないと主張している。アトランタにある米国疫病管理予防センター(CDC)は、ワクチン計画を実施するため州政府に1億ドルを供与する予定である。

ブッシュ大統領が天然痘ワクチン計画の再開を発表してから7ヶ月が経過した現在、同計画は実質的に消滅しかけている。州政府および地方自治体の保健局のほとんどは、重症急性呼吸器症候群(SARS)、西ナイルウィルス、新学期のワクチン接種など、より身近な問題に取り組んでいる。薬学研究所(IOM)とCDCのワクチン接種諮問委員会は、天然痘ワクチンによる心疾患の合併症に対する懸念を表し、天然痘ワクチン計画の一時停止を要請した。

これまでにワクチン接種を受けた保健局員および病院職員は4万人にも満たない。

Washington Post,2003年7月17日


メリーランド州の18企業が産業パートナーシッププログラムから研究助成金を受ける

先頃、メリーランド州産業パートナーシップ(MIPS)プログラムは、州立大学の教授陣との共同研究を支援するために同州の18企業に100万ドルを供与した。この助成金は、バイオテクノロジー中小企業からブロードバンド・ネットワーク関連巨大企業におよぶさまざまな企業のために大学機関が行う研究を支援する。助成金を受けた企業も大学機関への資金援助を行う。

メリーランド大学のA. James Clark School of Engineeringによって設立されたMIPSは、産学連携を促進し、1987年以降、技術開発企業に2,360万ドルを供与してきた。

これまでの技術移転プログラムとは異なり、企業は大学が開発した革新的技術を買収したり特許権を獲得することはない。MIPSでは、企業が大学と提携して実施したいとする開発研究を提案し、それが承認された場合、研究に従事する大学教員および大学院生は企業と連携するにあたって給与を支払われる。

Washington Post,2003年7月23日

トウモロコシゲノムの研究者がゲノム地図の作製に成功

ミズーリ大学Columbia校、アリゾナ大学ゲノム研究所、ジョージア大学の共同研究であるトウモロコシ・マッピング・プロジェクトは、統合されたトウモロコシゲノムの遺伝的・物理的地図の第1フェーズを終了した。

この5カ年プロジェクトは9月に完了する予定である。第2フェーズでは、遺伝的・物理的地図の手動修正を行い、第3フェーズでは比較ゲノミクスを使って、ライスゲノムやサトウキビゲノムと比較することによってトウモロコシゲノムについての見解を深める。

トウモロコシゲノムは、10個の染色体に配列された約25億の塩基対を持つ。

GenomeWeb,2003年7月21日

PDBが抗ウィルス薬開発のためのSARS情報を公開

生物医学研究のための国際的リソースで、Rutgers大学、ニュージャージー州立大学に施設を設けているProtein Data Bank (PDB)は、SARSウィルスの主要プロテアーゼ酵素の3次元結晶構造を公開した。この酵素は、SARS対策のために開発されている新しい抗ウィルス薬の主要標的と考えられていることから、この情報が世界中の医療研究者に公開されたことは非常に重要なことである。

実際に結晶構造を解明したのは、サンディエゴ拠点のバイオテクノロジー企業Structural Genomix社である。同社は独自のデータをPDBに保管し、公共データベースで公開するためにRutgers大学の研究チームがこのデータを迅速に処理した。

PDBは、生物高分子の3次元情報の国際的リソースで、インターネットでアクセスできる。PDBは、生体システムの謎を解明しようとする医療・製薬研究に役立つツールであり、21世紀のゲノミクス研究および医薬品設計にとって貴重な存在である。

Rutgers, the State University of New Jersey,2003年7月31日

DHAと魚の摂取量がアルツハイマー病のリスクを削減

Archives of Neurology誌7月号に掲載されたMartek Bioscience社のデータによると、魚とドコサヘキサエン酸(DHA)を週1回摂取することによってアルツハイマー病の発症リスクが60パーセントも軽減される。同社は、微細藻類から製品を開発・製造・販売している。

この研究によると、DHAはアルツハイマー病に対して最も予防効果が認められる。DHA(ω3脂肪酸)の摂取量が最も多いグループは、アルツハイマー病の発症率が60〜80パーセント低減したことが統計上明らかとなった。同誌は、“ω3脂肪酸を摂取し、週1回魚を食べることによってアルツハイマー病の発症率を低減することができる”と結論付けた。

この研究では、アルツハイマー病に対する予防効果を同定するため、65〜94歳の815名を対象に魚の消費量と、DHAやその他のタイプのω3脂肪酸の摂取量を調査した。参加者は、魚、DHA、EPA(エイコサペンタエン酸)、αリノレン酸それぞれの摂取量、または、DHA、EPA、αリノレン酸などのω3脂肪酸を組み合わせた総摂取量にもとづいて分類・評価された。

PRNewswire-FirstCall,2003年7月28日

Targeted Genetics社とCystic Fibrosis Foundation Therapeutics社がフェーズIIbの嚢胞性繊維症臨床治験を開始

Targeted Genetics社とCystic Fibrosis Foundation Therapeutics(CFFT)社が、嚢胞性繊維症(CF)を対象とした遺伝子治療tgAAVCFのフェーズIIb臨床治験を開始した。両社は、製薬候補のtgAAVCFの開発を進めるため、Targeted Genetics社が実施した臨床治験のうちでも最大のCF臨床治験を共同で行っている。

Targeted Genetics社のtgAAVCFは、アデノ随伴ウィルス(AVV)ベクターを使って、CFTR(嚢胞性繊維症貫通型調節たんぱく質)遺伝子と機能的に同等の働きをする遺伝子コピーを肺に直接導入する。現在のところ、TgAAVCFは他のどのCF遺伝子治療法よりも高度であることから、今後のCF治療法が変わるかもしれない。これによって疾病の兆候や症状のみでなく原因も解明されるようになる。

CF患者は、欠陥CF遺伝子の2つのコピーを持つ。健常な遺伝子コピーが患者の細胞に導入され受け入れられた場合、欠陥遺伝子は1コピーのみが細胞内に存在することになり、疾病の進行を阻止できる可能性がある。この臨床治験では、CFの影響を最も受けやすくCF患者にとって最も死亡原因となる肺組織に健常な遺伝子を導入する。

研究資金はCFFT社の製薬開発ネットワークによって支援されている。

PRNewswire-FirstCall,2003年7月15日

ストレスによるうつ病のリスクを倍増させる遺伝子

ウィスコンシン大学とロンドンのKing’s Collegeの研究者達は、過去5年間にわたってストレスの多い生活をした人達を対象に研究を行い、あるタイプの遺伝子を持つ人達の43パーセントがうつ病にかかったのに対し、その遺伝子の違うタイプを持つ人達では17パーセントしかうつ病にかからなかったことを発見した。

セロトニン・トランスポーター遺伝子の“短い”もしくはストレスに対して感受性の高いタイプの遺伝子を持つ人で、子どもの頃に虐待を受けた人は、うつ病にかかるリスクが高い。しかし、どんなにストレスの多い生活をした人でも、“長い”もしくはストレスに対して防御できるタイプの遺伝子を持つ人は、全くストレスを受けなかった人とほぼ同じ割合でしかうつ病にかからない。“短い”遺伝子は、失職や失恋、身近な人の死、長期の疾病などのストレスに弱いことが明らかになった。

もっとも広く利用されている抗うつ薬はセロトニン・トランスポーターのたんぱく質を阻害することから、セロトニン・トランスポーター遺伝子は気質障害や不安障害の一番の要因とされてきたが、過去8回の研究においてはうつ病との関連性が確認されなかった。

両大の研究者達は、国立精神衛生研究所(NIMH)だけでなく以下の機関の支援を受けた。

ウィスコンシン大学大学院
英国医療研究委員会(MRC)
ニュージーランド衛生研究委員会
William T. Grant財団
Royal Society-Wolfson Research Merit Award

NIH,2003年7月17日


バイオテクノロジー企業が特許権契約の違法延長としてコロンビア大学を告訴

同じ技術に新しい特許権を発行することによって特許権使用料として数億ドルを獲得しつづけようとしているとして、コロンビア大学を告訴するバイオテクノロジー企業が増加している。

マサチューセッツ州の3大製薬企業、Biogen社、Genzyme社、Abbott Laboratories社は、ボストンの連邦裁判所においてコロンビア大学を告訴した。この民事訴訟でコロンビア大学は、がんから関節リウマチにいたるまで数多くの疾病を治療するたんぱく質を作製するのに使われるプロセスの専売特許を違法に延長したとして訴えられた。

17年間にわたるこの特許契約によって、コロンビア大学は30以上のバイオテクノロジー企業から約3億ドルを既に受け取っている。2002年9月には、新しい特許権を獲得し、さらに17年間の契約が保証された。同大は、企業に対しこの特許権契約にもとづいて特許権使用料を継続して支払う義務があるとした。

問題になっている特許権は、コロンビア大学Richard Axel教授が1970年代に行った研究にもとづいている。連邦助成金を受けたAxel教授と同僚2人は、DNA断片を生きた細胞に接合し、ヒトたんぱく質を生成する方法を開発した。

Boston Globe,2003年7月16日

Dupont社のBAXシステムが新しい食品媒介性病原体を検知

DuPont社は先頃、独自のBAX検知システムによって、粉ミルク、乾燥乳製品、大豆製品中に存在する細菌Enterobacter sakazakiiを同定することができると発表した。BAXシステムは、革新的な遺伝子ベースの検出法で、食品や食品加工装置の中の危険な細菌や病原体を数時間で正確に同定することができる。

食品医薬品局(FDA)およびその他連邦政府機関は、特に未熟児や免疫能の弱い新生児における髄膜炎、敗血症、壊死性小腸大腸炎を引き起こす新種の食品媒介性病原体としてEnterobacter sakazakiiを特定している。

世界中の新生児集中治療室で起こっているEnterobacter sakazakii感染の数例を調査したところ、乳児用粉ミルクとの相関が明らかとなった。粉ミルクは無菌製品ではないため、Enterobacter sakazakiiなどの日和見感染を引き起こす細菌が含まれる可能性もある。

DuPont社の科学者達は米国とスイスのNestle Research Centerと提携して、BAXシステムを使って食品および環境サンプルの中のEnterobacter sakazakiiの迅速な検知方法の開発に従事してきた。BAXシステムの写真は以下のウェブサイトに掲載されている。
http://www.qualicon.com/photos.html

PRNewswire-FirstCall,2003年7月31日

MedImmune社、売上急増とFluMistのコスト低減によって収益拡大

初めての鼻腔スプレー型インフルエンザワクチンを開発したメリーランド州Gaithersburgのバイオテクノロジー企業MedImmune社は、2つの主要薬剤の売上急増によって第2四半期の収益が大幅に増大したと発表した。

同社は、6月30日に終了した第2四半期において、昨年同期の損失2,950万ドル に比べて1,350万ドルの収益を上げた。同社の収益は、昨年の6,370万ドルから1億1,780万ドルへと85パーセント増となった。

小児用肺感染症治療薬Synagisの売上は5,500万ドルと69パーセント増、抗がん剤Ethyolの売上は2,500万ドルと49パーセント増であった。

MedImmune社は、FluMistの規制認可を受けたことによってパートナー企業から2,800万ドルの収益を獲得しただけでなく、Synagisのエンドユーザー売上額は1億ドルを越えている。

Washington Post,2003年7月25日

ABI社が全ゲノムマイクロアレイの発売計画を発表

Applied Biosystems(ABI)社は、単一チップ上に3万個以上のヒト遺伝子の解析が可能なマイクロアレイを今年中に発売する予定であることを発表した。Affymetrix社が5種類のチップから構成されるヒトゲノムセットを2種類のチップに集約するなど、マイクロアレイ市場も変化しているが、単一チップに全ヒトゲノムを統合できるマイクロアレイを大量販売する企業は現在のところ存在しない。

ABI社の遺伝子発現解析アレイシステムはマイクロアレイ・アナライザー、遺伝子・たんぱく質情報のデータベース、試薬とパッケージで販売される。同社によると、マイクロアレイに使われる遺伝子プローブは、Celera社と公共ゲノムデータベースから引用される。

GenomeWeb,2003年7月22日

Roche社がIgen社を14億ドルで買収

巨大製薬企業のRoche Holding AG社が、血液検査製品の製造業者であるIgen International社を14億2,000万ドルで買収することに合意した。

この買収によって、Roche社診断部門が使用していたOrigenと呼ばれるIgen社の技術の特許権について長期にわたって繰り広げられた抗争に決着がつく。メリーランド州Gaithersburg拠点のIgen社を買収することによって、Roche社はOrigenの特許権を獲得することになる。

Igen社の株主は、一株あたり現金で47.25ドルを受け取り、Igen社から分離して新しく誕生する株式会社の一株が与えられる。Igen社の株主に全面的に所有されることになった新しい企業は、Origen技術の特許権を保持するだけでなく、Roche社から約1億5,500万ドルの運営資本を得ることになる。

Dow Jones Business News,2003年7月24日

MedImmune社とCritical Therapeutics社が重度の炎症性疾患の治療薬を共同開発

MedImmune社と民間生物製薬企業であるCritical Therapeutics社は、重度の炎症性疾患を治療するため、最新の炎症性サイトカインを標的とした生物製品を共同開発する契約を提携した。

両社は、関節リウマチや敗血症などの炎症性疾患による組織損傷に関連していると考えられているHigh Mobility Group Box Chromosomal Protein 1 (HMGB-1)を標的にした抗体や治療薬の共同研究開発を行う。両社は、HMGB-1を阻害するための新薬開発に重点をおき、これに成功すれば重度の炎症性疾患による疾病や死亡率を削減できる。

この契約によると、Critical Therapeutics社(マサチューセッツ州Cambridge)はMedImmune社から前払い金として1,250万ドルを受け取り、金額は公表されていないが、この研究によって開発・承認された製品の売上による特許使用料と報奨金も受け取ることになる。MedImmune社(メリーランド州Gaithersburg)は、開発された薬剤の商業生産を行うだけでなく、研究開発の大部分に資金援助する。

Dow Jones Business News,2003年7月31日

Vical社が西ナイルウィルスワクチンを製造

Vical社は、ワクチン研究センター(VRC)、国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)、国立衛生研究所(NIH)によってワクチン開発が計画されている、西ナイルウィルスに対する臨床治験用実験的DNAワクチンの製造の発注を受けた。

西ナイルウィルスは、過去数年間において米国で季節性の疾患として急増しており、トリ、ウマ、ヒトの感染数・死亡件数が毎夏増強している。この疾病は、宿主から宿主へとウィルスを運ぶ数々の蚊種によって感染する。感染者のほとんどには症状が表れないが、中には軽い症状が見られる感染者もいる。しかし、感染者150名のうち約1人には中枢神経系に関連した重篤な疾病症状が見られ、神経系が永久的に損傷されることもある。

完全に死滅した西ナイルウィルスを使ったこれまでのワクチンは、ウマや数種類のトリに使用することができる。しかし、この方法を使ってヒト用ワクチンを開発するには、安全性と効果を十分証明するために長年の開発と検査が要される。

PRNewswire-FirstCall,2003年7月15日

BioReliance社がスコットランドの競争企業との買収交渉

メリーランド州RockvilleにあるBioReliance社は、スコットランドの民間企業Q-One Biotech社を買収する交渉に踏み出した。この動きは、成長を続けるバイオテクノロジーの検査や製造を行う請負業者にも手を広げていこうとするBioReliance社の戦略の一環である。英国の規制当局の許可が必要とされるこの企業買収は、すべて現金で行われる予定であるが、その条件等については公表されていない。

BioRelaince社とQ-One Biotech社の吸収合併によって、800人以上の従業員と年収1億2,000万ドルという、生物製剤に貢献する契約研究・製造組織の中で最も巨大な企業が誕生する。

BioReliance社は、成長する契約サービス業のリーダーとして頭角を表し、10大バイオテクノロジー・製薬企業のうち9社を顧客としている。同社の2002年度の収益は2001年度に比べて18パーセント増の8,240万ドルを計上し、純利益は83パーセント増の1,080万ドルを記録した。

スコットランドGlasgowにあるQ-One社は、マサチューセッツ州Worcesterに支社をかまえ、2002年3月31日に終了した会計年度においては2,400万ドルの収益を上げた。民間企業である同社は収益高については公表していない。

Washington Post,2003年7月18日


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