NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2003年10月26日発行


NSFが植物ゲノム研究に対して31の助成金

国立科学財団(NSF)は、植物ゲノム研究を支援する31の新しい助成金、計1億ドルを交付したと発表した。

NSFによると、2〜4年間にわたって供与される助成金60万〜約1,100万ドルが全米の大学および研究機関に供与された。助成金を受けた機関には以下が含まれる。

インディアナ大学
フロリダ州立大学
ラトガース大学
Fred Hutchinson Cancer Research Center
イェール大学
Cold Spring Harbor Laboratory

NSFによると、助成金を供与されたプロジェクトの中には、それぞれの研究目的に焦点を当てた研究者達による新しい6つの植物ゲノム・バーチャルセンターが含まれている。たとえばトウモロコシにおける全ゲノムの遺伝子発現を研究する科学団体を設立5年間の累計額は21億ドルするものもある。

GenomeWeb,2003年10月6日

NIHがあらゆる科学分野の共同研究の増強に取り組む

国立衛生研究所(NIH)は、疾病研究への助成金交付の方法を大幅に改革する計画である。これまでの交付方法とは全く異なり、通常は助成金を交付されないような、さまざまな分野の専門家達が共同で取り組むプロジェクトの支援を増強する予定である。この新しい方針によって、学際的研究センターが開設されるだけでなく、これまでは実現しなかった急進的アイディアを追求しようと試みる研究に対しても助成金が交付されることになる。

さまざまな科学分野の交流を促進するためにいくつかの新しい研究センターが開設される予定である。公的援助を受ける科学者およびその科学者と契約する企業は、両者にとっての便益を生む共同研究を行うことが奨励されている。このNIH計画のなかでも従来と大きく異なる要素として、一般的に“天才賞(Genius Award)”と呼ばれているMacArthur財団賞のように、非常に独創的な考えを持つ科学者に対して50万ドルを供与する予定である。

会計年度2004年の支出額は1億3,000万ドル、5年間の累計額は21億ドルと予測され、これはNIHによる助成金供与額でも最高額である。

Washington Post,2003年10月1日

バイオテロを懸念してバイオテクノロジー研究のスクリーニングを喚起

全米科学アカデミー(NAS)のレポートによると、米国でバイオテクノロジー研究を行っている研究者達は、研究による便益がバイオテロリストによって悪用される可能性よりも重要であるかどうかを決定する、特別な訓練を受けた科学者および国家保安専門家達による委員会に研究プランを事前に提出することを義務付けられるようになる。

この勧告が適用された場合、法的に義務付けられてはいないにしても、これまでは公的援助を受けている科学者のみを対象にしてきた連邦レベルの審査を創薬企業、バイオテクノロジー企業、民間援助による研究機関に対しても行うよう促すことになり、これまで米国で行われてきたバイオテクノロジー研究に対する監視を大幅に改訂することになるであろう。

しかし、この報告書自体は、科学研究や科学情報の普及に対する政府の新しい規制案に反対している。この規制に従って審査申請を行うかどうかは任意のもので、関連委員会は研究の施行を禁止する法的権力を持たないのであるから、それよりもむしろ、研究者達がまず各自の研究所の専門家委員会に提案書を提出し、その委員会がこの研究のリスクの有無を決定した後、リスクを伴うと考えられる研究は、国立衛生研究所(NIH)の新しく拡張された組み換えDNA諮問委員会に審査されるべきであるとしている。

Washington Post,2003年10月9日

Novavax社のエストロゲンローションが承認される

食品医薬品局(FDA)は、のぼせや寝汗などの更年期障害の新しい治療法としてNovavax社のエストロゲンローションを承認した。これは、現在は処方薬の錠剤や貼布剤が主流であるホルモン補充療法としての初めてのローションタイプの製剤である。

FDAは、Estrasorbと呼ばれるこの新薬が更年期障害の慢性的な症状を効果的に治療することを確認した。女性ホルモン・エストロゲンを含むこのローションを足、大腿、ふくらはぎに毎日塗布することによって、失われたホルモンを補充し、更年期障害を治療する。Novavax社は、のぼせや寝汗などに対する短期的エストロゲン療法としてEstrasorbを販売する予定である。

バイオテクノロジー・アナリストによると、Estrasorbは16億ドルのエストロゲン療法市場において最終的には年間2億ドルのすき間市場となる可能性があると予測している。Estrasorbは錠剤やパッチ剤を使用したくない女性患者を対象としている。アナリスト達は、このエストロゲンローションの価格を月40ドルと予測しており、これは他のエストロゲン療法よりも若干高価である。

Washington Post,2003年10月11日

CDCが感染症診断法の開発のためIsis社に600万ドルを交付

米国疫病管理予防センター(CDC)は、ヒトおよび動物の感染症の治療や生物兵器防衛のためのRNAベースの診断技術を開発するカリフォルニア州のIsis Pharmaceuticals社に600万ドルの助成金を交付した。

この助成金はアンチセンスを用いた治療法を開発する同社のIbisプログラムに利用される。Ibisプログラムとは、RNA、ゲノミクス、バイオインフォマティクス、質量分析ベースの高性能スクリーニングに関するIsis社の専門性を活かして低分子抗菌剤および抗ウィルス薬を開発することを目的としている。

Ibis社はまず、2001年10月に米国防総省高度研究計画局(DARPA)から受けた助成金を使ってTriangulation Identification Genetic Evaluation of biological Risks (TIGER)と呼ばれるバイオセンサー技術を開発した。同社がCDC助成金を使って診断技術を開発することによって、SARS、コロナウィルス、西ナイルウィルス、サル痘ウィルス、薬剤耐性菌などの病原菌を同定することができる。

GenomeWeb,2003年10月7日

NISTが最新のゲノムタイピング技術を開発するGene Check社に助成金200万ドルを交付

国立標準規格技術研究所(NIST)は、ゲノムタイピング技術を開発するコロラド州のGene Check社に対し、患者のDNAから“最大で10万個”の一塩基多型(SNPs)を同時に検出できる技術を開発するために助成金200万ドルを交付した。

この3ヵ年契約によって、Gene Check社は1種類のDNAサンプルから最大で10万個のSNPを正確に検出し、ゲノムタイピングを同定するための低コストの手法を開発する。

最終的には、SNP毎に2セント以下という低コストで、一秒間に20個以上のSNPのゲノムタイプを同定する完全自動のSNP検出システムの開発を目標としている。これによって、標準機を使って10万個のSNPのゲノムタイピングを2,000ドル以下で3時間以内に同定することが可能になる。

GenomeWeb,2003年10月2日


遺伝子発現プロファイルによって小児白血病のテーラーメード医療が可能に

遺伝子発現プロファイルによって、医師は特殊型の小児急性リンパ性白血病(ALL)を正確に同定することができる。特殊型のALLを診断することによって、医師は患者の治療への反応にもとづいて治療プログラムをカスタマイズすることができる。

小児急性リンパ性白血病には数々の特殊型があり、それぞれが独自の細胞および分子の特徴を持っている。特殊型は予後診断が難しいことから、個々の患者の特殊型を診断することによって、疾病の再発を防ぐためにテーラーメード医療を施すことが重要である。研究者達は、マイクロアレイによって作製された遺伝子発現プロファイルを使って小児急性リンパ性白血病を正確に診断し、分類することに成功したわけである。

マイクロアレイ技術が費用対効果よく利用できれば、すべてのALL患者に対して遺伝子発現プロファイルを行い、白血病細胞でどの細胞がスイッチオン・オフされているかにしたがって独自のテーラーメード医療を行うことができる。また、マイクロアレイ技術によってがんの発生に関与する遺伝子突然変異を同定することも可能である。これは、疾病の症状だけでなく原因も標的にする治療法をデザインする第一のステップである。医師が損傷したDNAを標的にし、修復することができれば、がんが進行するのを防ぐことができるかもしれない。

American Society of Hematology,2003年10月8日

チップ上でDNA鎖の伸張に成功、未来のコンピューターへの利用可能に?

パデュー大学の研究者達は、シリコンチップ上に正確にDNA鎖を乗せ、コードされた情報を読み取りやすいようにDNA鎖を引き伸ばすことに成功した。この2つのステップによって、将来DNAを電子機器やコンピューターに使用できるかもしれない。

研究者達は、市販の帯電ポリマーを持つテンプレートを作製した。プラスに帯電されたポリマーはマイナスに帯電されたDNAとは反対であるため、遺伝物質はチップの上に落とされると自動的に帯電ポリマーに引き付けられる。このような帯電性の構造によって、研究者達は特定の場所の生体分子を誘導することができる。

この手法によって、電子チップ上の特定の位置にあるDNA分子を引き伸ばすことができる。これはDNAの記憶容量を未来のコンピューターに利用するのに非常に重要である。理論上では、未来のコンピューターはDNAが生体の複雑な青写真を保存できるような膨大な記憶容量を持つことも可能である。このような新しいコンピューターは、これまでの2桁番号の替わりにDNAの4文字のコードにもとづいて作動し、複雑な問題を解決するにあたって従来のコンピューターよりもスピード、メモリ容量、エネルギー効率などの点で優れている。

Purdue University,2003年10月9日

出産後の新生児に対する抗レトロウイルス療法によって、HIVの母子感染が低減

ジョンズ・ホプキンス大学Bloomberg School of Public Healthの研究者達によると、生まれた直後の新生児に抗レトロウィルス療法を施行することによって、HIV感染を防ぐことができる。

HIV-1に感染した1,119名の母親から生まれた新生児を研究したところ、ネビラピンとジドブジンの処方によって、HIVの母子感染を防ぐのに36%の効果を見せた。また、新生児に薬剤を投与するほうが、妊娠中の母親に抗レトロウイルス薬を投与するよりも簡単であると研究者達は報告している。

研究者達は、新生児へのネビラピンとジドブジンの処方は非常に簡単で、ネビラピンを1回経口投与した後、1日2回、7日間にわたってジドブジンを経口投与するだけでよい。接触後感染の予防を新生児のみに施すことは、妊娠中の母親と新生児に抗レトロウイルス薬を投与するよりも簡単である。

Johns Hopkins University,2003年10月10日

新しい治療法によって乳がんを克服した患者の再発率が低減

カナダの研究チームが率いる国際的臨床治験によると、更年期以降に初期乳がんを克服し、5年間のタモキシフェン治療を受けた患者のうち、Letrozoleを投与した患者は、プラセボを投与した患者に比べてがんの再発率が大幅に低減したことがわかった。この臨床治験は、良好な結果が得られたことから予定よりも早めに中断され、世界各国から治験に参加した5,187名の女性患者にもその結果が報告されている。

この研究では、5年間のタモキシフェン治療を受けた後にLetrozoleを投与した場合、がんの再発率が大幅に低減されることが証明された。プラセボを投与した患者のうち132名ががんを再発したのに対し、Letrozoleを投与した患者では75名しかがんを再発しなかった。総体的にみて、Letrozoleはがんの再発率を43%低減したことになり、乳がんによる死亡率も低減された。

乳がんのホルモン治療薬のひとつであるLetrozoleは、アロマターゼと呼ばれる酵素を阻害しエストロゲンの産生を抑制する。エストロゲンは、乳がんの主要な増殖促進因子である。

一日一回錠剤として投与されるLetrozoleの副作用は、更年期障害の症状と非常に良く似ているが、治験に参加した患者に見られた副作用は比較的軽いものであった。

National Institutes of Health,2003年10月10日

天然痘研究グリッド・プロジェクト完了

Accelrys社、IBM社、United Devices社、オックスフォード大学等の共同研究によって、天然痘ウィルスのトポイソメラーゼたんぱく質を阻害する標的である3,500万個の分子の解析が完了した。

このプロジェクトの一部は米陸軍感染症研究所(USAMRIID)によって資金援助され、コンピューター250万台に相当する計算能力と195カ国のボランティア・ユーザーが利用された。このグリッドは合計25万年分のCPU時間を使ったことになる。

このプロジェクトの課題は、選択された分子がヒト・トポイソメラーゼを阻害することなく天然痘トポイソメラーゼたんぱく質を阻害することであった。トポイソメラーゼに阻害作用を持つ化合物が反応すると、天然痘ウィルスのDNAが開かないために転写を開始できず、ウィルスの実効性が阻害される。

必要なデータが収集されたことから、USAMRIIDは研究グリッドの情報を使って新薬を開発することができる。

GenomeWeb,2003年10月3日

SARSウィルスは急速かつ予測もなく変化することができる

ミシガン大学の研究結果によってSARSウィルスは急速に、かつ予測がつかない変異をすると判明したことから、SARSへの対処と新薬およびワクチンの開発が非常に困難となった。

ミシガン大研究チームは、たんぱく質配列を進化の過程から解析することによりSARSウィルスがこれまであまり知られていなかった異なる系統を示していることを発見した。この系統では、遺伝子の組み換えや異なるウィルス種同士で遺伝子領域の交換が起こったことを意味している。遺伝子組み替えによって遺伝的多様性が生まれ、ウィルスは新しい宿主でも生存かつ適応することができる。この研究結果は、Infection, Genetics and Evolution誌9月号で発表されている。

SARS-CoVとして知られるこのウィルスはコロナウィルスの一種で、スパイク型の王冠の形状をした表面を持つ。ミシガン大研究チームは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RDRP)として知られるたんぱく質の遺伝子を解析することによって遺伝子組み替えの有無を検討した。この解析では、RDRP遺伝子の一端はグループ3に属するコロナウィルスと最も関連しているが、反対側は、すべてのコロナウィルスとほとんど関連していないことがわかった。これは、SARS-CoVのRDRP遺伝子は、過去に異なるコロナウィルス種から抽出されたRDRP遺伝子の一部と統合したことを示唆する。

University of Michigan,2003年10月3日

TIGRがトリコモナス症の原因となる寄生虫のゲノム塩基配列を一般公開

10月1日、Institute for Genomic Research (TIGR)の科学者達がTrichomonas Vaginalisの初めてのゲノムドラフト地図を一般に公開した。

初期研究によって、この寄生虫のゲノムは、研究開始前に予測されていたより5倍以上も多く、8,000万〜9,000万個のDNA塩基対からなるという驚くべき結果が得られた。このゲノム地図はまだ完成されていないが、TIGRは科学コミュニティーのためにゲノム配列解読過程に定期的にデータを公開する予定である。

T. Vaginalisは、北米で最も蔓延している寄生虫で、年間約500万件の膣炎が確認されている。ゲノム塩基配列の解読によって、研究者達は性感染症の原因となる寄生虫の生態についての理解を深めることができる。T. Vaginalisは、HIV感染だけでなく、早産、未熟児、乳児死亡率の増加、子宮頸癌の素因に関連した問題などを助長する重要な原因として関心を集めている。

T. Vaginalisの罹患率およびいくつかの重篤疾病の要因となっていることから、ゲノム塩基配列を利用して迅速にワクチンを開発することが研究の優先事項とされている。

Institute for Genomic Research,2003年10月6日


OriGene社とTanox社が共同研究に踏み出す

メリーランド州RockvilleのOriGene Technologies社とテキサス州HoustonのTanox社は、膜結合たんぱく質をコードする全cDNAクローン2,000個の機能解析を行う共同研究に合意したことを発表した。

モノクローナル抗体を開発し、ヒト免疫系疾患を標的にするTanox社は、この共同研究によって開発された治療法の所有権を保持し、OriGene社は研究・診断用試薬の開発に対して権利を保持する。

OriGene社は、高性能クローニングおよび発現プロファイル技術を使って、トランスフェクションに適した2万個の全ヒトcDNAクローンの遺伝子バンクを単離かつ分類し、in vitro実験で発現させる。

GenomeWeb,2003年10月8日

Monsanto社、集団訴訟を拒否される

連邦裁判所は、Monsanto社が種子の価格操作の疑いで起訴されたに訴訟に対し、種子の価格操作は行われていなかったとして集団訴訟を却下した。本訴訟が却下されたのはこれで2回目である。同社は、1999年、Monsanto社のRoundup Ready技術を使って遺伝子組み替えされた大豆とトウモロコシを栽培する農業経営者らによって起訴された。同社がRoundupという商標で販売しているグリホサートと呼ばれる除草剤に対して農作物が耐性を獲得していることから、農業経営者は効率的に除草できる。

この訴訟で、Monsanto社とRoundup Ready技術のライセンス権を持つSyngenta社、Bayer社、Dupont社などの種苗企業は、農業経営者に対して技術料を課すことによって価格操作をしたという疑いで起訴された。また、これらの企業が欧州数カ国に拒否されている遺伝子組み替え農作物を販売していることに対しても、企業の過失が訴えられている。遺伝子組み替え農作物は輸送の際に従来の農作物と混合する可能性があることから、欧州諸国は米国の農業経営者が栽培した全ての農作物の輸入を拒否しており、米国の農業経営者は売上を失うことになったというものである。

農業経営者側が従来の農作物が遺伝子組み替え農作物を“汚染”したという証拠を提示することができなかったため、被害の証明が不足しているとして、この不法行為を訴える申し立ては9月に取り下げられた。こうして2回の判決によって原告側の申し立てが却下されたことから、Monsanto社は勝訴を確信し、次回の審議で訴訟が取り下げられることを期待している。

St Louis Post-Dispatch,2003年10月1日

ヘルスケア関連の投資信託が上昇傾向に

ヘルスケア関連の投資信託は第3四半期に1.9%増強し、第1・2四半期も上昇傾向を見せたことから本年度は22.4%も増強した。バイオテクノロジー業界の株式上昇によってヘルスケア業界も上昇傾向となったが、一方巨大製薬業界は総体的に遅れをとっている。

多くの専門家達によれば、バイオテクノロジー業界の株式上昇の主な要因は“改革にフレンドリーな”食品医薬品局(FDA)の態勢であり、その結果、新薬申請過程も迅速化されている。新薬申請が拒否された場合でも、企業がそれを早く知ることができれば、財源をより効率的に再分配できるため最終的にコストの削減につながる。

新薬審査の結果が良好だった場合には、投資家達は業界に対し強気になる。例えば、Genentech社の大腸癌治療薬Avastinは、今夏、米国がん治療学会(ASCO)に良好な臨床治験結果を提出し、FDAからファーストトラック指定を受けた。

USA Today,2003年10月6日

Affymetrix社が全ヒトゲノムの新しい遺伝子チップを発売

Affymetrix社が、新しいヒトゲノム・マイクロアレイの受注を開始した。10月に販売が開始されるGeneChip Human Genome U133 Plus 2.0アレイと呼ばれるこの新しいマイクロアレイを使って、約5万個のRNA転写と転写ごとに22の異なるプローブを持つ変異型の発現レベルを解析することができる。

カリフォルニア州SantaClara拠点のAffymetrix社は、ヒトゲノムを構成する3万5,000個の各遺伝子の断片を含む単独の遺伝子チップを販売する企業競争に勝ったが、同州Palo AltoのAgilent Technologies社、Foster CityのApplied Biosystems社も独自の全ヒトゲノム・マイクロアレイ技術の発売を間近にしている。

この遺伝子チップはヒト遺伝子情報の創薬への利用において大きな技術的進歩となり、最終的にはチップを使って各患者のDNAの特徴にもとづいた治療法をカスタマイズすることが可能になる。また、将来的に医師は小型装置に患者の血液サンプルをのせることによって、問題のあるDNAの全ゲノムをスキャンすることができるようになるかもしれない。

この遺伝子チップには、2億5,900万ドルを計上した同社製品ラインのトップセラーであるヒト遺伝子プローブの2アレイセットに含まれる全テストも盛り込まれている。また、この遺伝子チップにはさらに6,500個の塩基配列、計5万個の遺伝子が含まれている。同チップは既存の2アレイセットの約半額にあたる300〜500ドルで販売される予定である。

San Francisco Chronicle,2003年10月3日

バイオテクノロジー産業に回復の兆し

先頃開催された全米最大の地方バイオテクノロジー会議Biotech 2003において、専門家達は出席者に、製品販売による収益とベンチャーキャピタル投資の増強、株価の回復、新薬の承認獲得など、バイオテクノロジー産業は期待通りに復興していると述べた。

同会議において様々なスピーカー達が、バイオテクノロジー企業は、ベンチャー投資家が慎重になったことによる公募増資の急落、世界経済および株式市場の不況、また研究開発費の削減にいたるまでの数々の要因を乗り切ってきたが、今や業界は強いパイプラインとよりはっきりした目標を持ち、IPO市場も上昇傾向にあると発言した。

ヘルスケア情報サービス企業のIMS Health社によると、バイオテクノロジー関連の売上高は世界で約380億ドルにものぼり、来年には400億ドルを計上すると予測している。バイオテクノロジー薬品を販売するトップ10企業には、Johnson & Johnson社、Eli Lilly社、Schering – Plough社、Aventis社などの製薬企業だけでなく、プリンストンのNovo Nordisk社、またRoche社とGenentech社とのパートナーシップも含まれる。

バイオテクノロジー薬品のトップ商品には以下のものが含まれる。

貧血(再生不良性貧血)患者の赤血球の産出を促進するための合成ホルモン(商品名:Procrit、Epogen)

C型肝炎患者やがん患者を対象とするインターフェロンなどの遺伝子組み替え免疫促進剤

その他がん治療薬および遺伝子組み替えインスリン

Associated Press,2003年10月4日

United Therapeutics社がメリーランド州に進出

United Therapeutics社は、同社がボストンに移転するのを防ごうとするメリーランド州モンゴメリー郡との開発提携のもと、同州Silver Springに約3,700平方フィートの研究所を開設することを発表した。

1,500万ドルをかけたこの研究所には、同社の卵巣がん研究部門が設けられる。同社は2005年末までに開設が予定されているこの新しい研究施設のために25名を雇用する予定である。

モンゴメリー郡経済開発局幹部の強い要請によって、先週、メリーランド州計画委員会は、プランニングに必要な2つの書類を一時的に免除することに同意した。これらは、敷地図と、区画分譲計画で、本来なら建築許可を申請する前に提出することが義務付けられている。この措置によって、許可プロセスがおよそ6ヶ月短縮されることになる。

昨年、食品医薬品局(FDA)は、肺に血液を送る血管が閉塞することによって致命的となる肺動脈高血圧症を治療するUnited Therapeutics社のRemodulinを承認した。同社の収益は2001年度の570万ドルから2002年度は3,000万ドルへと急増した。ウォールストリートのアナリスト達は、同社が2004年初期には利益を上げるだろうと予測している。

Washington Post,2003年10月1日

Biogen社が乾癬治療薬のライセンス権を獲得

マサチューセッツ州CambridgeのBiogen社が、スイスのFumapharm AG社の実験段階にある乾癬治療薬のライセンス権を獲得した。

Biogen社は、現在欧州でフェーズ3臨床治験段階にあるこの乾癬治療経口薬を、開発し市場に出す独占権を獲得した。

この乾癬治療薬はFumadermと呼ばれる薬剤の第2世代バージョンである。Fumadermは現在、中度から重度の乾癬に対する主要経口処方薬としてドイツのみで販売されている。

Biogen社によると、Fumadermは、免疫系に過激な刺激が与えられるのを防ぐ働きがある。免疫系に過激な刺激が与えられることによって皮膚にうろこ状の斑点ができることが乾癬の特徴として知られている。

Reuters,2003年10月1日


Cambridge Healthtech Institute: Transmissible Spongiform Encephalopathies

日付: 2004年2月23-24日

場所: Washington, D.C.

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=509520

3rd Annual Somatic Cell Therapy Symposium: Regulatory Issues For Scientists And Clinicians

日付: 2003年9月13-15日

場所: Chesapeake Bay - Cambridge, Maryland

参照: http://www.celltherapy.org/soma2003/

ACS ProSpectives - Combinatorial Chemistry: New Methods, New Discoveries

日付: 2003年9月21-24日

場所: Lansdowne Conference Center, Leesburg, Virginia

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=485320

Virginia Biotechnology Summit

日付: 2003年10月13-15日

場所: McLean, Virginia

参照: http://www.biospace.com/news_story.cfm?StoryID=13915120&full=1

International Life Science Summit

日付: 2003年10月20-21日

場所: Georgetown University

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=499420


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