NEDO ワシントン事務所
米国バイオテクノロジー関連情報

2004年2月15日発行


6カ国が今年中にポリオを撲滅することを宣言

ポリオが未だに蔓延している6カ国の政府が2004年末までに、ポリオを撲滅することを宣言した。これは、世界保健機構(WHO)が設定した期限よりも1年早いものである。

アフガニスタン、エジプト、インド、ニジェール、ナイジェリア、パキスタンの政府幹部は、“2004年末までにポリオウィルスの感染を遮断する”ことに専念すると宣言した。これは、先頃、小児麻痺を引き起こすポリオウィルスの撲滅を目的に16年間行われてきたキャンペーン活動が失敗したことに対して、WHO幹部が各国の保健大臣を召集して開催した首脳会議で発表された。

1988年にポリオ撲滅活動が開始されてから、年間感染件数は35万件から約700件へと低減した。しかし、過去2年間において、インド北部での感染数が急増し、ナイジェリア北部では撲滅運動が実質的に崩壊した。どちらの場合にも、イスラム教徒の少数民族集団の中にポリオワクチンの接種を拒否した者がいた。

インドでのワクチンに対する抵抗はほとんどおさまったが、ナイジェリア北部では、ポリオワクチンがエイズウィルスや経口避妊薬に汚染されているという噂が広まっている。

Washington Post、2004年1月16日

専門化委員会が遺伝子組み替え規制について呼びかける

米国学術研究会議(NRC)は先頃、遺伝子組み替えサケや遺伝子組み替えトウモロコシ、その他の生物の普及を制限する技法はまだ未発達段階にあって、新製品が食糧供給を汚染したり、重要な生物を全滅させないようにするためにはまだまだたくさんの取り組みが必要であると主張した。

これまでのところ、屋外で栽培された有害な遺伝子組み替え種を規制するためには、周辺の関連植物と交配しないようにするために一連の樹木などの境界を設けたり、栽培時期をずらすなどの方法が取られていた。しかし、これらの方法では人為的ミスを起こしやすく、遺伝子組み替え昆虫やその他の動物が続出するなかで、こういった物理的な方法は効果的でなくなる。

科学者達は遺伝子組み換え生物による便益を期待しているが、遺伝子組み替え農作物が野生の関連種と交配し、例えば強力な雑草などが誕生したり、遺伝子組み替えサケや遺伝子組み替えミツバチが、食物争いで打ち負かすことによって関連種の絶滅につながるのではないかとの懸念を抱いている。

Washington Post、2004年1月21日

米軍の安全のための新しい生物兵器防衛機関

最近発表された議会報告書によると、ペンタゴンは1991年の湾岸戦争以来、生物物質に対する新しいワクチンを開発しておらず、米軍に差し迫る生物兵器攻撃の脅威に対応するために新しい生物兵器防衛機関を結成するべきだと指摘されている。

米国医学研究所(IOM)と全米科学アカデミー(NAS)の国立研究委員会の報告書によると、生物兵器防衛に対する国防総省の現在の取り組みは資金不足で断片的であることから、“成功の見込みは薄い”としている。

この報告書はまた、ワクチンや生物防衛製剤の開発を能率化し改善するというペンタゴンの最近の取り組みは、“専門性に欠けた”防御脅威緩和機関に権力を集約することによって問題を悪化させる可能性もあると指摘している。

同報告書は、戦場の米軍を守るという特殊任務から、ペンタゴンが独自の生物兵器防衛計画を維持することは“非常に望ましい”と結論している。しかし、ペンタゴンが3年以内に集中的な取り組みを行うことができない場合には、軍事的な生物兵器防衛の取り組みは、たとえば国立アレルギー疾患・感染症研究所などの他機関が担当するべきだと指摘している。

Washington Post、2004年1月23日

プロテイン・データ・バンクがNSFから2,900万ドルの助成金を受ける

先頃、プロテイン・データ・バンク(PDB)は米国科学財団(NSF)から助成金2,900万ドルを供与された。

1月1日に開始したこの5ヵ年にわたる助成金を使って世界規模のPDBが構築される予定である。これには、大阪大学蛋白質研究所および英国の欧州バイオインフォマティクス研究所も参画する。

PDBは、ルトガーズ大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校のサンディエゴ・スパーコンピューター・センター、メリーランド大学、国立標準技術研究所(NIST)によって引き続き管理される。

1975年以降、NSFは、約2万4,000個のたんぱく質およびその他分子の三次元構造が保管されているPDBを支援してきた。

GenomeWeb、2004年1月23日

米国がバイオテクノロジー農作物を徹底的に見直し

1987年からバイオテクノロジー農作物の規制を開始した米国農務省(USDA)は、バイオテクノロジー農作物規制の徹底的な見直しを行う計画である。提案された改訂についての概要は発表されているが、食糧供給を汚染する可能性がある薬剤や工業用化学薬品の製造のために植物を遺伝子組み替えして作製される、最新のバイオテクノロジー農作物のより厳重な規制を訴える食品産業の要求に応えるために改訂された内容もある。

USDAは、旧来の遺伝子組み替え植物の見落としを低減するとともに、未承認の遺伝子組み替え物質が食糧供給に誤って混入することに関する厳しい政策の延期を認めないような改訂に取り組んでいる。

遺伝子組み替え植物の実地試験を規制するUSDAは、食品の安全性を守る食品医薬品局(FDA)と業界の監督責任を共有し、環境保護庁が自らの除草剤を生成するバイオテクノロジー農作物の規制を行っている。

USDAは、バイオテクノロジー農作物を規制するための“重層的でリスクベースの”アプローチをいかに構築するかについて、連邦広報に提示している11件の質問に対する回答を収集するため、一連の公聴会を開催する予定である。USDAがバイオテクノロジー政策についてこのように大規模な意見公募を行ったのは今回が初めてである。

The Wall Street Journal、2004年1月23日

FDAが新しい狂牛病対策を発表

食品医薬品局(FDA)は先頃、養鶏場廃棄物、飲食店の残飯、血液製剤を牛用飼料に使用することを禁止する、新しい狂牛病対策を発表した。この対策は、昨年12月に全米初の狂牛病(牛海綿状脳症:BSE)の発症が確認されたことに対して考案された。これまでヒトへの感染は確認されていないが、 これは米国の牛肉消費者を保護するための対策であると 政府局員は述べた。

新しい対策には以下が含まれる:

家畜飼料への“養鶏場廃棄物”の使用を禁止する。養鶏場廃棄物とは、養鶏場床敷き、飼料の残骸、羽根、糞、など、鶏が生息する場所から出る廃棄物を指す。

“残飯”といわれる、飲食店・食料品店から出る肉片の家畜飼料への使用を禁止する。

哺乳類の血液および血液製剤の家畜飼料もしくは栄養補助食品への使用を禁止する。

交差汚染を防ぐため、家畜飼料とその他の動物の飼料について別々の生産ラインを設けることを義務付ける。

CNN、2004年1月26日


科学者達がSARSの遺伝的進化を追跡

中国のSARS疫学コンソーシアムは、昨年のSARS大勃発の間にSARSウィルスが遺伝的にどのように進化したかを追跡した。この進化が致命的な呼吸器系疾患の感染に拍車をかけたかもしれない。この研究によって、SARSが動物からヒトへと頻繁に感染する可能性があることが証明され、今後、ウィルス種がヒトに適応する前に迅速に対処することが極めて重要であることを示唆した。

中国南部の生鮮市場で売られているマングースに似たハクビシンが、初めてヒトに感染した原因である疑いが高い。Science誌で結果が発表される予定である今回の研究によって、SARS勃発は単一の生物によって引き起こされたわけではないという。実際に、2002年11月以降、中国の広東省珠江デルタ地域で11名が、捕まえられたハクビシンから抽出されたウィルスサンプルと同一のウィルスに、別々に感染していることが確認されている。

SARSはその後、急速な遺伝的変化をとげ、突然変異種のひとつが勃発の原因と考えられている。中国の研究者達は、2003年2月に感染した患者の医師が数日後、香港に行ったことからメトロポール・ホテルの利用者に感染し、世界中に蔓延したことが、突然変異種の蔓延の原因であると考えた。

しかし、先月、最近確認された3つのSARS事例の第1例について、新しい研究で感染患者の解析を行ったと中国政府は発表した。Science誌では、この患者が感染したSARS種は、これまで確認されたヒト感染のSARS種よりもハクビシン感染のSARS種に類似していると報告している。

CNN、2004年1月29日

Maxim Pharmaceuticals社がSARSコロナウィルスの治療薬を発見

世界規模の生物製薬企業のMaxim Pharmaceuticals社は、SARSコロナウィルス(SARS-CoV)の阻害物質となる一連の低分子を発見したと発表した。ユタ州立大学の抗ウィルス研究所にある国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)がMX128533と呼ばれるこれらの低分子の抗菌作用をテストした。

Maxim社のMX128533の主要分子は、0.02(mu)g/mLという低濃度の細胞培養においてSARS-CoVの増殖を阻害することが証明された。MX128533のin vitro研究を行ったところ、コロナウィルスに感染していない高濃度の細胞培養においても毒性は確認されず、選択指標(SI)(selectivity index)は500以上であった。NIAIDの基準によって、SIが10以上の場合は著効とみなされる。

ユタ州立大学のDale Barnard博士は、MX128533は非常に強力なSARS-CoV阻害物質であることをMaxim社に報告した。MX128533は、今後もin vitro研究でテストされ、NIAIDとの合意のもと、薬剤候補を選定するために動物モデルを使った臨床前研究が行われる予定である。

Business Wire、2004年1月22日

Chiron社のHIVワクチン候補の臨床治験が米国で開始される

カリフォルニア州EmeryvilleのChiron社は、米国におけるHIVワクチン候補の臨床治験を開始すると発表した。この臨床治験は、国立アレルギー疾患・感染症研究所(NIAID)支援によるHIVワクチン治験ネットワーク(HVTN)とChiron社の共同研究で、HIVウィルスを中和する抗体反応と細胞免疫反応を誘導する新世代のHIVワクチンをテストする。フェーズI臨床治験では、ワクチンの安全性と免疫原性が評価される。

このワクチン候補は、DNAワクチン接種によって免疫反応を感作し、オリゴマー操作された外膜たんぱく質を刺激して幅広く中和する抗体の産生を促進する。DNAプライムは、DNAを微粒子に導入するという最新の導入システムを使う。Chiron社の ワクチンはヒトを対象にテストされる初めての DNAワクチンである。

Chiron社のワクチンは、生きたHIV およびHIVに感染した細胞から作製されておらず、また、生きた、もしくは死滅したHIVは含まない。この臨床治験は約168名の患者を対象にして約2年間にわたって行われ、各患者は15ヶ月間にわたる積極的参加が義務付けられる。

PRNewswire、2004年1月15日

パニック障害患者には感情を抑制するたんぱく質が欠損

国立衛生研究所(NIH)の国立精神衛生研究所(NIMH)の研究者達が、パニック障害患者の3ケ所の脳領域には、感情を抑制する化学伝達システムが欠損していることを発見した。脳をスキャンした画像の解析によって、脳の中心をまたがる3領域においてセロトニン受容体の一種が約1/3削減されることがわかった。この発見によって、広く処方されている抗不安剤の作用に極めて重要なセロトニン受容体が、パニック障害患者においては異常であることが初めて証明され、これによって遺伝子が脆弱性にどのように影響するかを解明できるかもしれない。

毎年、全米で240万人の成人が、極度の不安感や心臓発作にも似た身体症状を特徴とするパニック障害を起こす。診断を受けずにいる場合、広場恐怖症になることが多い。パニック障害は家族内発症で、遺伝的要因があると長年考えられてきた。

最近行われた動物実験の結果もふまえて、今回の研究結果によって、受容体の発現を低減させるように遺伝子がエンコードすることによってパニック障害の発症率が増加することがわかった。

NIH、2004年1月20日

DNAテストと老化防止との関連性

LAB21社は、個人のDNAと、顔の皮膚の老化を減速するだけでなく復元する局所治療法の開発に関連する重要な発見について、米国特許商標庁に特許申請を行った。ニューヨーク州立大学Stony Brook校で研究に取り組んでいる同社の科学者達の研究によって、ミトコンドリアDNAの情報を使って若々しい肌をとり戻すことができるかもしれない。

LAB21社の特許申請中の技術は、ミトコンドリアゲノムの制御領域の超可変領域1と2のデータとマトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)の働きとを連結する。科学界では、このMMPは、皮膚やその他の組織のコラーゲン、エラスティンなどのたんぱく質を退化させることで知られている。コラーゲンとエラスティンは皮膚構造に関連した主要たんぱく質である。これらのたんぱく質が分解すると、皮膚の弾力性に影響し、皮膚がたるんだりシワの原因となる。 LAB21社の発見によって、これらたんぱく質の分解を阻害することができる。これによって、体はコラーゲンとエラスティンを再構築し、損傷を修復することができることが証明された。その結果、シワも減り、皮膚の張りが改善され、老化の徴候を逆転することができる。

Bio.com、2004年1月29日

急速に蔓延する新型の鳥インフルエンザについての懸念

世界中の公衆衛生局員は、急速に蔓延する致命的な家禽インフルエンザの継続した追跡に取り組んでいる。鳥インフルエンザによって、これまでに東南アジアで8名の死者が確認され、死者8名のうちのほとんどが小児であった。この疾病がヒトウィルスに発展した場合、SARSよりも致命的になる可能性があると専門家達は語っている。鳥インフルエンザとして一般的に知られているこのウィルスは、鳥だけでなく、ブタなどの動物にも感染する。ブタは鳥ウィルスおよびヒトウィルスに感染しやすいため、鳥とヒトの間に疾病を伝染させることが多い。

マサチューセッツ州Worcesterにあるマサチューセッツ大学メディカルセンターの疫学者Richard Ellison博士によると、H5N1と呼ばれるこのインフルエンザ種は、敏速に突然変異を起こし、ブタを介さずに直接、鳥からヒトに感染するので非常に危険である。

世界保健機構(WHO)によると、昨年12月から、公衆衛生局は、韓国、日本、ベトナム、タイ、カンボジアの家禽集団におけるH5N1の勃発を確認した。ベトナムとタイではヒトへの感染も確認されている。ベトナムにおける感染者7名のうち5名の子供と女性1名人が死亡した。

ウィルスの追跡に加え、WHOや国立疾病管理予防センターなどの公衆衛生局は H5N1に対するワクチンの開発に取り組んでいる。

Sentinel & Enterprise、2004年1月29日

2つのたんぱく質によってアルツハイマー病の脳のプラークを防ぐ

ワシントン大学セントルイス校医学部の研究者が1月22日号のNeuron誌で発表した研究結果によると、マウスの2つのたんぱく質が、アルツハイマー病特有の脳のプラークの形成を防ぐことがわかった。このたんぱく質は、apolipoprotein E(apoE)とclusterinと呼ばれ、脳から有害な分子を除去するよう調整する“シャペロン分子(chaperones)”として作用する。皮肉なことに、これらのたんぱく質は重要なプラーク形成過程に関連している。

この研究によると、アルツハイマー病患者に見られるプラークは、アミロイドβ(Abeta)が可溶性から非可溶性に転換され、微小繊維と呼ばれる髪の毛のような糸状に合体する時に形成される。非可溶性であるため脳から除去できず、微小繊維は凝集して、アルツハイマー病の症状であるアミロイド・プラークを形成する。

これまでの研究では、apoEとclusterinの両方が微小繊維を形成することが証明された。新しい研究では、アルツハイマー病様の脳プラークを形成するよう遺伝子組み替えされたマウス、すなわちapoEとclusterinのいずれかを持ち合わせていないノックアウトマウスは、あまり微小繊維を形成しなかった。研究者達は、apoEとclusterinのどちらも持たないノックアウトマウスが形成する微小繊維はより少ないだろうと予測した。しかし、結果は予想外にもその反対であった。また、apoEとclusterinのどちらも持たない動物における微小繊維は、成長の初期段階に形成され、結果としてより進行したアミロイド・プラークが形成されることが明らかとなった。一見して仮説に反しているように見えるが、apoEとclusterinは協力してAbetaの形成を抑制することがわかった。

Washington University School of Medicine、2004年1月22日

抗生物質に耐性を示す肺炎およびマラリアに有効な新しい方法

パン作りに使うイースト菌を疾患モデルとして使うことによって、Darmouth Medical Schoolの研究者達は、肺炎およびマラリアを引き起こす生物の酵素が抗生物質に耐性を増強するメカニズムを解明しようと取り組んでいる。この研究は、これらの蔓延した疾病に有効な新世代の薬剤をテストするカギとなるかもしれない。

研究者達は、遺伝子組み替えされたイースト菌酵素を使って、Pneumocystis jiroveciiの抗生物質に対する耐性の原因となる突然変異を特定しようと試みた。Pneumocystis jiroveciiとは、エイズ関連の日和見感染症でも最も重篤で蔓延した肺炎で、がん治療や臓器移植を受ける免疫不全患者にとっては脅威となりうる。国立衛生統計センターによると、全米の2001年の肺炎による死亡件数は6万1,000件以上にのぼる。

1月23日号のJournal of Biological Chemistry誌によると、研究者達は、1995年から処方が可能となった薬剤アトバクオン(ATV)に対する耐性に関連する突然変異について研究した。アトバクオンは病原体の生存に必須な呼吸器系酵素、チトクロームbc1複合体(cytochrome bc1 complex)を阻害する薬剤である。研究者達は、アトバクオンに耐性を示す肺炎に認められるチトクロームbの突然変異をイースト菌に遺伝子導入することを可能にした。その結果、この突然変異によって、イースト菌はATVに対して耐性を獲得することが明らかになった。また、研究チームは、コンピューター・プログラムを使ってイースト菌酵素の分子モデルを構築した。 

Dartmouth Medical School、2004年1月21日

遺伝子組み替え昆虫のリスクと利点についての研究

Pew Initiative on Food and Biotechnologyの新しい報告書は、遺伝子組み替え昆虫に関する問題は非常に難題であるため、連邦政府が監視方法を今すぐ考案し始めない限り、科学者達が遺伝子組み替え昆虫を自然界に解放するまでに、必要な規制が施行されない可能性があると警告している。

研究者達は、昆虫の遺伝子を操作して10種以上の新しい昆虫を作製している。これによって、さまざまな社会的利点もあるが、複雑な健康・環境問題を引き起こすことも考えられる。開発中の遺伝子組み替え昆虫のほとんどは、実現するまでに最低でも5〜10年はかかるが、連邦政府がこのような研究の監視方法をまだ考案していないのではないかという懸念が高まっている。

このような研究はすでに開始されており、例えば、マラリアを伝染できないようにするために蚊の遺伝子を組替え、マラリアを伝染させる可能性がある蚊の全種にもこの遺伝子を浸透させるために自然界に解放する目的で研究が行われている。

この報告書は、おこりそうな影響を予測するためにどんな研究が必要かをまず決定しなければならず、その後、遺伝子組み替え蚊を自然界に解放することによる利点がリスクにもつながらないかどうかについても考慮しなければならないとしている。米国農務省、環境保護庁、食品医薬品局は、何らかの監視権限を持つが、遺伝子組み替え昆虫のすべてを監視するべきか、またどのように監視するべきかについてはまだ決定していない。

Washington Post、2004年1月22日


バイオテクノロジー産業へのベンチャー資金が増加

バイオテクノロジー産業は、新薬承認に関する問題が減ってきていることから、投資家からより多くのベンチャー資金を獲得しつつある。昨年は、34億ドルのベンチャー資金が新興バイオテクノロジー企業に投資され、これは2002年に比べて6.4%増である。これはベンチャー投資全体は20%も減少しているなかでおこっている。

昨年のバイオテクノロジー産業へのベンチャー投資は、2002年の15%に比べて、ベンチャー投資全体の19.9%に値する。これに対し、ソフトウェア産業へのベンチャー投資は、2002年の24.3%から21.9%へと低減した。

2002年11月にブッシュ大統領が食品医薬品局(FDA)の新局長にMark McClellan氏を選定し、FDAが新薬承認過程を迅速化したことが、バイオテクノロジー産業が上昇傾向を見せる1つの要素にもなった。バイオテクノロジー産業機構(BIO)によると、FDAは、2002年の20件に比べて、昨年は25件の新しいバイオテクノロジー薬剤を承認した。

USA Today、2004年1月25日

Affymetrix社が2003年度に利益を計上

Affymetrix社は、会計年度2003年に3億ドルの収益を計上し、運営面のキャッシュフローが初めて黒字となった。

同社は、昨年同期の7,800万ドルに比べて、第4四半期の総収入として8,900万ドルを計上した。同期の純利益は昨年同期の300万ドルに比べて1,600万ドル、2003年度の純利益は1,400万ドルであった。2002年度の損失額は160万ドルを記録した。

既製マイクロアレイ市場のリーダー的存在であるAffymetrix社は、 昨年同期の6,800万ドルに比べて、昨年12月31日の時点で、現金もしくは現預金で2億7,600万ドルを報告した。

GenomeWeb、2004年1月28日

Paradigm Genetics社がTissueInformatics社を吸収合併

ノースキャロライナ州Research Triangle ParkのParadigm Genetics社は、ペンシルベニア州PittsburghのTissueInformatics社を780万ドルに相当する株式取引で買収する予定である。

TissueInformatics社は、創薬、疾病評価、毒物検査、組織工学分野における組織変化の定量分析のための自動病理学ソフトウェアを開発する。Paradigm社は、バイオマーカーや標的発見にこれらの技術を使う予定である。同社はまた、TissueInformatics社のDiAthegen社とのジョイントベンチャーを通じて、糖尿病、肥満症、老化現象に関連した薬剤標的と診断製品の製品ラインを獲得する。

この契約によって、Paradigm社は即座に340万ドル分の株式を発行し、さらに約270万ドル分の株価が、未公表の成果達成報酬の対象となる。Paradigm社は、現金で約270万ドルを受け取る権利を持ち、取引が締結すれば、約15万ドルの長期借入金およびリース設備資産の債務を受け取ることになる。

契約が締結された場合、Paradigm社は225名の新規雇用を行い、引き続きResearch Triangle Parkを拠点とする予定である。PittsburghにあるTissueInformatics社の運営部門はそのままPittsburgh拠点として維持され、管理部門はParadigm社と合併することになる。

GenomeWeb、2004年1月29日

Monsanto社の遺伝子組み替え小麦がまもなく承認獲得

Monsanto社は、遺伝子組み替え小麦の初の規制承認をまもなく獲得する予定であると発表し、これによって諸外国でも遺伝子組み替え小麦の規制承認獲得を促進することになるであろうと述べた。

Monsanto社によると、ヒト・動物の食用としてのRoundup Ready除草剤耐性小麦の安全性を評価している食品医薬品局(FDA)がまもなくこの遺伝子組み替え小麦を承認する見込みである。

Monsanto社の遺伝子組み替え小麦は、主にヒト食用に承認された世界初の遺伝子組み替え農作物となる。ミズーリ州セントルイス拠点の同社は先頃、米国農務省の質問事項に回答し、現在は同省からの重要な承認を待っている最中である。

Monsanto社は、論議を呼んでいる遺伝子組み替え農作物の支持を得るためにも2004年は非常に重要な年になると予測している。同社は、遺伝子組み替え小麦の栽培業者のためにニュースレターを発行する計画である。このニュースレターは米国・カナダの栽培業者に2月初旬に郵送される予定である。

Reuters、2004年1月26日

GeneSeek社が乳牛のゲノムタイピングに取り組むニュージーランド企業を支援

GeneSeek社は、ヒトの健康問題に関連した乳牛の遺伝子ゲノムタイピングを行うニュージーランドのA2社を支援する契約に合意し、GeneSeek社は乳牛のbeta-casein遺伝子のゲノムタイピングを行う。これによって、乳牛業者はA2牛乳製造およびA2乳製品製造のために乳牛を選ぶことができるようになる。A2社は、これによって製造された牛乳を北米全体に販売する予定である。

GeneSeek社によると、A2ミルクにはbeta-caseinたんぱく質のA1型が含まれていない。Beta-caseinA1は、含有量はさまざまだが、現在米国で販売されているすべての牛乳に含まれており、“特定の健康問題に関連している”と両社は語っている。

ネブラスカ州LincolnにあるGeneSeek社は、昨年12月に米国で確認された狂牛病感染ウシの出所を確認するよう今年はじめに米国農務省が選んだ会社である。

GenomeWeb、2004年1月22日

米国における生物製薬企業の2004年の支出が増加する見込み

Battelle Memorial Institute and R & D Magazineというリサーチ会社の最近の調査によると、米国のバイオテクノロジー企業および製薬企業は、2003年よりも研究開発への支出を増額することが明らかとなった。また、米国政府機関および学際機関によるライフサイエンス技術への支出も増額することが予測される。

米国におけるバイオテクノロジー企業の2004年の研究開発費は16.4%増の81億ドルへと増額される見込みである。一方、製薬企業の2004年の研究開発費は、8.3%増 の596億ドルが予測されている。

ライフサイエンスおよびヘルスケア技術への2004年の公共支出に関しては、国防総省は13%増の663億ドル、国立衛生研究所(NIH)は3.2%増の270億ドル、エネルギー省(DOE)は6.1%増の87億ドル、国立科学財団(NSF)は4.7%増の41億ドルと予測されている。

NSFが収集したデータに基づいているこの調査結果は、http://www.rdmag.com/pdf/RDX0401Forecastfinal.pdfで閲覧することができる。

GenomeWeb、2004年1月22日


Cambridge Healthtech Institute: BioMEMS&NANOtechnology World

日付: 2004年8月16-17日

場所: Washington, D.C.

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=522020

Bio-IT World Conference + Expo

日付: 2004年3月30-4月1日

場所: Boston, MA

参照: http://www.bioitworldexpo.com/boston03/V40/index.cvn

Cambridge Healthtech Institute: Transmissible Spongiform Encephalopathies

日付: 2004年2月23-24日

場所: Washington, D.C.

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=509520

BioCapital Career Expo 2004

日付: 2004年2月24日

場所: Bethesda, MD

参照: http://www.biospace.com/calendar/detail.cfm?CID=527620


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