2017年08月07日 下院エネルギー・商業委員会、高度自動化車両の安全確保を目的とする『SELF DRIVE Act』を可決

下院エネルギー・商業委員会、高度自動化車両の安全確保を目的とする『SELF DRIVE Act』を可決

2017年8月7日
NEDOワシントン事務所

 

下院エネルギー・商業委員会は2017年7月27日に、高度自動化車両(highly automated vehicle)の安全性保証に関する連邦政府の役割を明確にすることを目的とする 『SELF DRIVE Act(Safely Ensuring Lives Future Deployment and Research)』という法案(以下「同法案」)を可決した。同法案の主要条項は以下のとおり。

  1. いかなる州[1]政府及び州の行政機関であっても、高度自動化車両(highly automated vehicle)[2]、自動走行システム(automated driving system)[3]又はシステム要素の設計・建設・性能に関する法令・規制が同法において規定される基準と同一でない場合、当該法令・規制を指示、施行及び継続してはならない。ただし、自動走行車の許可、登録、保険、及び法執行に関しては、州政府等が従来どおりの行政権限を保持するものとする。
  2. 運輸長官は、同法施行後24ヶ月以内に、高度自動化車両又は自動走行システム開発事業者[4]に安全性評価証明(safety assessment certificate)の提出を義務付ける最終規則を発行する。最終規則が発行されるまでは、当該事業者は、2016年9月に発表された「国家自動走行車政策」に従い、安全性評価レター(safety assessment letter)を国家道路交通安全局(NHTSA)に提出するものとする。運輸長官は最終規則発表後5年以内、及びそれ以降は少なくても5年に一度は、規制の見直しと改定を実施するものとする。
  3. 高度自動化車両及び部分的自動運転車両の製造業者(manufacturers)[5]は、サイバーセキュリティ計画[6]及び消費者プライバシー計画を策定して発表するまでは、これら車両の販売及び輸入を行ってはならない。
  4. 運輸長官は、高度自動化車両の安全機能の開発及び実地評価に資すると判断される場合、これら車両を連邦自動車安全規制から一時免除する。なお、公道での実験走行のために規制免除となる高度自動化車両の台数は、1年目が5万台、2年目が5万台、3年目と4年目が各10万台とする。運輸長官は、同安全規制から免除された各車両を一般市民が検索できる電子データベースを構築することとする。
  5. 運輸長官は、同法施行後3年以内に、消費者に対して高度自動化車両及び部分的自動運転車両の能力と限界に関する情報を提供する効果的な方法及び専門用語を決定するための調査を終了し、当該情報をSAE International社の『Recommended Practice Report J3016』の定義する用語に基づくべきであるか否かを決定することとする。
  6. 高度自動化車両諮問委員会

・ 運輸長官は同法施行後6ヶ月以内に、NHTSA内に高度自動化車両諮問委員会(Highly Automated Vehicle Advisory Council)を設置することとする。当該諮問委員会は、ビジネス業界の代表、学界、個人研究者、州政府代表、地方政府代表、安全推進団体、消費者保護団体、エンジニア、労働組合、環境エキスパート、NHTSA代表、及び運輸長官が適切と判断するその他メンバーで構成し、メンバーの任期は3年間とする。
・ 諮問委員会は、①身体障碍者や高齢者等のモビリティ、②自動運転システムの実験・導入・更新に係るサーバーセキュリティ、③高度自動化車両のメーカーが公道での実験走行や導入に関する情報を他のメーカーやNHTSAと共有する枠組みの構築、④高度自動化車両の導入に関連する労働・雇用問題、⑤消費者プライバシー及び高度自動化車両が収集する情報の保護等に関して情報収集を行い、技術的アドバイス、ベストプラクティス及び提言を策定し、これを下院エネルギー・商業委員会及び上院商業・科学・運輸委員会に報告することとする。
・ 同諮問委員会は、同法施行6年後に解散することとする。

  1. 運輸長官は同法施行後2年以内に、車両重量が1万ポンド未満のすべての新乗用車に対して、エンジン停止後に運転手に後部座席について喚起をうながす警報システム[7]の装備を義務付ける最終規則を発行することとする。

 

脚注

[1] 「州」は、米国50州、コロンビア特別区、プエルトリコ、北マリアナ諸島、グアム、米領サモア、及び米領バージン諸島を意味する。

[2] 「高度自動化車両」は、自動走行システム装備の自動車(業務用車を除く)を意味する。

[3] 「自動走行システム」は、DDT(dynamic driving task:動的な運転タスク)を継続して遂行できるハードウェア及びソフトウェアを意味する。

[4] 「開発事業者」は、高度自動化車両又は自動走行システムを開発する事業者を意味する。

[5] 「製造業者」は、(a)自動車又は自動車用装置の製造又は組立を行う事業者;(b)米国内での販売の為に自動車又は自動車用装置を輸入する事業者を意味する。

[6] サイバー攻撃、不正侵入及び偽造操縦指令の検知・対応に係る製造業者のベストプラクティスを明示するサイバーセキュリティ政策文書;製造業者側のサイバーセキュリティ管理責任者の特定;自動走行システムへのアクセス制限プロセス;同項で義務付ける政策及び手順を実施・維持するために必要な従業員の教育及び監督に関するプロセス、を含む。

[7] 後部座席に幼児を置き忘れることを回避するためのシステム。

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