2017年08月30日 エネルギー省が発表した『2016年洋上風力技術市場レポート』の概要

エネルギー省が発表した『2016年洋上風力技術市場レポート』の概要

 

2017年8月30日
NEDOワシントン事務所

 

エネルギー省(DOE)は8月8日、国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が作成した 『2016年洋上風力技術市場レポート(2016 Offshore Wind Technologies Market Report)』 を発表した。

同報告書は、政策策定者、開発事業者、研究者、エンジニア、投資家及びサプライチェーンを構成する各事業者に対して、米国内及び世界各国における洋上風力発電の市場・技術・コスト動向に係る定量的情報を提供することを目的としている。この中で、2016年12月31日時点において世界各国で稼働していた洋上風力発電プロジェクト111件、及び、開発段階にあるプロジェクト593件を調査・分析している。

米国の洋上風力に関しては、①世界的な洋上風力発電コストの低下、サプライチェーンの発展、州政府による市場支援政策の活発化によって、洋上風力市場に対する実績・期待が高まっており、②ブロック島沖の米国初の商業プロジェクト、及び、資金と経験を有する洋上風力開発事業者(Dong Energy、スタトイル社、イベルドローラ社、等)の米国拠点構築によって、国内洋上風力業界の活動が加速していると報告している。

同報告書の具体的な調査結果は、以下の通り。

【調査結果】

1. Deepwater Windは2016年12月に、ロードアイランド州のブロック島南岸沖で米国初の商業用洋上風力発電プロジェクトを始動

● 30MWのブロック島風力発電プロジェクトは、GE製の6 MW級アリアッド型(Haliade)風力タービンを5基使用

● ブロック島と本土のグリッドを接続するために電力ケーブルを敷設

2. 欧州の卸売電気市場で、洋上風力発電調達競売の行使価格(strike price)が急落 

● 2017年から2019年に稼働予定のプロジェクト入札価格が約200ドル/MWhであったのに対し、2024/2025年に稼働予定のプロジェクト入札価格は約65ドル/MWhまで低下

3. 2016年に発注された世界全体の新規洋上風力発電容量は、前年より少ない1,188MW

● 2015年が新規発注約4,000 MWという記録的な年であったことに対し、2016年は1,188 MWに縮減。英国の市場支援メカニズムが移行期にあること、ドイツ及びオランダで実施されているプロジェクト数件の相互接続が遅延していることが、新規設備容量減少の主な原因。

● 2016年末時点では、世界各地で稼働中の洋上風力発電の件数は111件、総設備容量が12,913 MW

● 世界各地で建設中のプロジェクト数に基づいて推定した、2017年の新規設備容量は約4,000 MW

● 2016年12月31日時点で開発段階にある世界の洋上風力発電プロジェクトは593件で、設備容量は計231,000 MW

4. 世界的なコスト低下及び米国州政府の政策コミットメント強化によって、米国における洋上風力発電市場の発展に対する業界内の自信が増している

米国内における近年の主な活動:

● 2015年11月9日に海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management:BOEM)がニュージャージー沖34.4万エーカーの借用権販売(lease sale)を実施。 RES America Developments社が160,480エーカーを約88万ドル、US Wind社が183,353エーカーを約101万ドルで落札。

● 2016年8月にCharlie Bakerマサチューセッツ州知事が、2027年6月までに洋上風力発電1,600 MWの調達を可能にする下院第4568号議案に署名。

● 2016年9月にDOEと内務省が 『洋上風力国家戦略(National Offshore Wind Strategy)』[1]を発表。

● 2016年12月15日にスタトイル社が、ニューヨーク沖のBOEMリース地域を前代未聞の4,250万ドルで落札

● 2017年1月10日にAndrew Cuomoニューヨーク州知事が、2030年の再生可能エネルギー使用基準(RPS)50%という州目標達成のため、2030年までに洋上風力発電を最高2,400 MW開発すると確約。2017年1月25日にはロングアイライド電力公社が、Deepwater Wind社のサウス・フォーク風力発電所(モントーク岬沖30マイルに建設される90 MWの洋上風力発電所)計画を承認。

● 2017年3月16日にAvangrid Renewables社が、ノースカロライナ州キティホーク沖の122,405エーカーの借用権を約900万ドルで暫定的に確保。

● 2017年5月にメリーランド州公共事業委員会が、US Wind社(248 MW)及びDeepwater Wind社(120 MW)から調達する計368 MWの洋上風力発電に再生可能電力証書を発行。

5. 開発段階にある米国洋上風力発電プロジェクトは推計24,135 MW

● 開発段階にある米国洋上風力発電プロジェクトは28件で、推定設備容量は24,135 MW。

● 完成間近なプロジェクトの殆どは北大西洋地域に集中しているが、プロジェクトは米国5地域[2]すべてで提案されている。

6. 洋上風力発電業界は、定格出力(rated capacity)8 MW以上の大型タービンを推進

● 洋上風力タービンの開発は引き続き、大型化の傾向

– 2017年初めに完成した英国のBurbo Bank拡張プロジェクトは、ヴェスタス社製の8 MWタービンを使用。

– 世界的には、2015年に設置された洋上風力プロジェクトで使われた風力タービンの平均は3.4 MW、2016年プロジェクトの平均は、4.7 MW。

● 大型化の傾向は今後も続く見込みで、2020年に設置されるプロジェクトでは、洋上風力タービンの大きさは平均7.0 MWに達すると推定

7. 開発段階にある浮体式風力発電プロジェクトは約3,000 MWで、2015年の3倍以上

● 世界各地で開発段階にある浮体式風力発電は、2016年には26プロジェクト、2,905 MWに増大。商業用プロジェクトはこのうちの5件で、ハワイ州、カリフォルニア州、及びフランスで計画されている。

● 浮体式風力発電業界は、単機タービンを使うプロトタイプ開発の段階から、複数タービンを使う商業化前のパイロットプロジェクト開発へと移行。計画段階を超えて、建設中または建設認可を獲得した商業化前浮体式風力発電プロジェクトは11件で、設備容量は計229 MW。

 

 

 

[1] 同報告書の概要は、2016年9月16日付けのNEDOワシントン事務所調査レポート『エネルギー長官と内務長官、「洋上風力国家戦略」を発表』で報告。

[2] 北大西洋地域、南大西洋地域、五大湖地域、メキシコ湾地域、及び太平洋地域。

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