2017年11月17日 運輸省、ドローン統合パイロット計画の詳細を発表

運輸省、ドローン統合パイロット計画の詳細を発表

 

2017年11月17日
NEDOワシントン事務所

 

チャオ運輸長官は11月2日、トランプ大統領が運輸省に設置を指示した 「UAS(Unmanned aircraft systems:以下「ドローン」)統合パイロット計画(以下「パイロット計画」)」[1]の詳細を発表した。

パイロット計画では、民間部門と州・地方政府との間に協力関係を構築し、有視界外飛行 (遠隔地のパイプライン検査等)、頭上飛行 (ニュース報道の写真撮影等)、商品・医薬品の配達といった高度なドローン操作について、連邦航空局(Federal Aviation Administration:FAA )の監視下での地域レベルの実験実施を盛り込んでいる。他方、FAAにおいては、同計画で得た経験に基づき、現行では特別許可が必要なドローン操作を迅速に認可することが可能となるほか、急成長するドローン産業の更なる拡大を促進する政策策定に必要な情報が得られることが期待されている。

パイロット計画の詳細(設置の告示、及び、プロジェクト応募要項)は、FAA により11月8日の連邦公報(Federal Register)[2]で発表された。ここでは、連邦公報に掲載された詳細のうち、パイロット計画の目標、申請手順、プロジェクト選定基準及び運輸省が示したプロジェクト例を概説する。

Ⅰ.パイロット計画の目標

  1. 制御された環境下で有視界外飛行(特に、検知回避技術、指揮管制、航行術、気象、人的要因を重視)を実験・実証することにより、ドローンの領空域への安全統合を促進すること
  1. 連邦・州・地方政府等の法施行機関とドローン操縦士の間のコミュニケーションを改善することにより、人間及び重要インフラ近接領域におけるドローン操作の安全・危機管理に係るリスク懸念に対応すること
  1. 農業部門、危機管理部門、検査サービス部門及び輸送安全部門を重点分野として、米国ドローン産業のイノベーション及び発展を推進すること
  1. ドローン統合に対する地元の関心と国の関心を両立させる最も効果的なモデルを特定すること

Ⅱ.申請手順

  1. 中心となる応募機関(以下「リード機関」)[3]は2017年11月28日までに、意思通知書(Notice of Intent) をFAAへ提出[4]し、同年12月13日までに申請書I(リード機関の情報)及びII(コンセプト概説)を提出
  1. 同パイロット計画への参加希望者[5]は2017年12月13日までに、FAAの契約ウェブサイトにある関心団体リスト(Interested Parties List)に登録
  1. リード機関は2018年1月4日までに、申請書III (使用する領空域及び運用構想プラン)、IV(主要検討事項)、V(チームメンバー及び過去の実績)及びVI(インフラストラクチャー)を提出
  1. 選定されたリード機関[6]は2018年5月17日までに、同パイロット計画への参加条件を定める覚書をFAAと締結

Ⅲ.プロジェクト例

  1. 農業州及び当該州内の一部自治体が、利害関係者と連携し、農業従事者のコスト削減(農作物の病虫害検査、春生まれの子牛の集計、壊れた塀の遠隔検査等)に役立つドローン利用方法を調査するプロジェクト
  1. 州政府がドローン操縦者と提携して、橋の検査に関し、コスト削減及び公益のためにドローンを利用するプロジェクト
  1. 自治体(市)が、ドローン操縦者と提携して、危機管理計画・対応における政府活動の支援にドローンを活用。所轄領空域内でのドローン操作の高度を制限し、特定領空域での飛行最高速度を規定するプロジェクト
  1. 自らのコミュニティで商用ドローンの開発・イノベーションを推進するため、自治体(市)が利害関係者と提携して、企業誘致のために専用のドローン発着場、または、ドローン技術研究用資源を構築するプロジェクト
  1. 郡の産業開発庁が単独または複数の連携により、ドローン操縦要員育成地となることを目指すプロジェクト
  1. 自治体が、地元の危機管理、災害対応、法執行活動にドローンを活用するプロジェクト
  1. 自治体(市)が、ドローンメーカー及び小売店と協力して、様々なシナリオ及び状況の下で、ドローンを活用して事務所及び家庭に商品を配達するための運用概念を開発・実験するプロジェクト

Ⅳ.プロジェクトの選定基準

  1. 経済、地理、気候面での多様性
  1. 政府関与モデルの多様性
  1. ドローン操作の多様性
  1. 重要インフラの存在位置
  1. 民間企業の提案への関与、及び、民間企業の目標達成への前進能力
  1. パイロット計画に対する当該コミュニティの関与及び支援
  1. 国防・国土安全保障・公安に係る要求事項遵守、及び、競争・プライバシー問題・市民の自由への対応に対する各政府及びドローン操縦者のコミットメント
  1. (i) イノベーション・経済発展の促進、(ii) 運輸安全の強化、(iii) 職場安全の強化;(iv) 緊急事態対応・捜索救助活動の改善、(v) 電波スペクトルの効果的・競合的利用、という政策目標の達成に対する各政府及びドローン操縦者のコミットメント

 

[1] トランプ大統領が10月25日に発布した、同プログラムの設置を指示する大統領覚書の概要については、NEDOワシントン事務所の2017年10月26日付け調査報告『トランプ大統領、ドローン統合パイロット計画の設置を指示』を参照されたし。

[2] https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2017-11-08/pdf/2017-24126.pdfで入手可能

[3] 州政府、地方政府、またはインディアン部族政府機関のみ。

[4] プロジェクト・パートナーの決定前であっても、参加を希望するリード機関は意思通知書を提出する必要あり。

[5]ドローンオペレーター等の民間企業、及び、法執行機関等の政府機関等。

[6] プロジェクトの申請書が完了した順に運輸省がプロジェクト提案を審査、選定する。運輸省は、プロジェクト5件が覚書を締結した後であっても、資源が許す限り、提案の評価を継続する。

2017年 調査レポート

NEDO本部
Focus NEDO
NEDO Channel
PAGETOP
Copyright © NEDO Washington DC Office All Rights Reserved.