2017年02月10日 ドローン諮問委員会の第二回会合

ドローン諮問委員会の第二回会合

2017年02月10日
NEDOワシントン事務所

 

ドローン諮問委員会(Drone Advisory Committee=DAC)は、UAS(unmanned aircraft systems:以下「ドローン」)の領空域への統合に係る課題を討議するため、2017年1月31日にネバダ州リノ市にあるネバダ大学リノ校で第二回会合を開催した。

今次会合の目的:

(1)今次会合の目的は、以下の3作業部会の検討状況に関する共有・評価。

  • 作業部会1:ドローン規制・規則の施行における、連邦政府・州政府・地方政府の多様な役割と責任の規定
  • 作業部会2:連邦航空局(FAA)が小型ドローン規制で現在認可している以上の空域へのアクセスをドローン操縦者に認める、技術・規制面メカニズムの特定
  • 作業部会3:ドローン活用を促進するために必要な諸サービスの提供拡大に対する資金提供方法の検討

(2)主な検討課題・結果

  • 作業部会1
    主な検討事項は、ドローン規制・規則に対する州・地方政府の関心事項;一部のドローン空域を州・地方政府規制に委譲する可能性の有無;安全性・空域に係る連邦規定を州・地方政府が施行するためのメカニズム等の検討。
    州・地方政府のドローン規制・規則に対する、連邦專占条項(preemption)問題の検討。本作業部会では明確な結論が出ず、議論は持ち越し(詳細については、下記参照)。
    なお、安全・セキュリティー上の脅威となるドローンを上空で追撃することについて、現段階では、対抗手段やその他の積極的対応措置の検討は[作業部会1の]対象外。
  • 作業部会2
    主な検討事項は、ドローンの全米航空システム(National Airspace System=NAS)への統合に関連する事例、活動、機器の検証。
    このほか、①ドローンの耐空性を証明する承認制度、②自律指揮統制機能(無線帯域の配分や無線セル等)を促進する適切な技術・メカニズム、③小型ドローン規制が現在認可する以上の操作(有視界外飛行(BVLOS)や夜間飛行等)を許可するための操作条件の改訂。
  • 作業部会3
    主な検討事項は、ドローンを領空域へ統合するために必要な資金・資源配分の検討。

(3)連邦専占条項(preemption)に係る論点

現時点での関連事項は、以下のとおり。

  • FAAは、 『2012年FAA近代化及び改革法(The FAA Modernization and Reform Act of 2012)』に基づき、小型ドローン規制を策定。
    FAAは、「小型ドローン利用に係る法的側面は州・地方政府レベルでの対応が適当」という判断により、小型ドローン規制には連邦專占条項を含めず。
  • 州・地方政府は、小型ドローンに関して独自の規制策定を継続。
    (例)フロリダ州オーランド市が先般、同市内でのドローン操作を制限する厳格な条例を可決。新条例が禁止する地域でドローン運転を希望する操縦者は、オーランド市に許可証を申請するとともに、保険証明書の提出が必要。

他方、FAA主席法律顧問室のファクトシート「州・地方政府のドローン規制ファクトシート(State and Local Regulation of Unmanned Aircraft Systems Fact Sheet)」には、連邦專占条項に関するガイダンスとして以下が記載されている。

  • 多くの州・地方政府による個々のドローン規制・規則は、航行可能空域の管制を分割することになり、空域や飛行パターンの制御及び安全で効率的な航空交通流の確保において、FAA規制の柔軟性を制限しかねない。
  • 特に、ドローンの飛行高度や飛行経路の制限;飛行禁止;航行可能空域の規制;ジオフェンシングのような航空安全に関連する機器や訓練を義務付ける条例については、州・地方政府とFAAの協議を促進すべき。
  • DACは、小型ドローンの商用利用に対する州・地方政府の関心と連邦政府の関心の間に存在する相違点の解消に迅速に取り組み、今後の会合において、連邦專占条項問題に早急に対応する必要がある。

【関連情報】

AI(人工知能)を活用した「群飛ドローン」

国防省は近々、無人機システムに対する将来投資と技術開発に係る新ロードマップ(2016年から2041年対象)を発表する見通し。同ロードマップでは、AI活用の「群飛ドローン(swarming drones)」が重要要素の一つして位置づけられる可能性が高い。

こうした中、国防省の戦略能力室(Strategic Capabilities Office=SCO)とNAVAIR(Naval Air Systems Command)は昨年10月、カリフォルニア州チャイナレークで、超小型ドローンを使った世界最大規模の群飛実証試験に成功した。3機のFA-18スーパーホーネットから空中で発射された103個のPerdixドローンは、集団としての意思決定、[状況に]適応した編隊飛行、自己回復(self-healing)等、高度なAI群飛行動を実証した。これについて、2017年1月8日のCBS番組「60 Minutes」でその実験・実証の成功が報道された。

PerdixドローンはMITリンカーン研究所の工学部学生によって設計されたもので、2013年に軍事用に改良された。Perdixのソフトウェア及びハードウェアは継続的に更新され、チャイナレークで行われた実証で使用されたのは第6世代のデザイン。

SCOは、Perdixの生産目標を一回1,000ユニットと設定。国防省のDIUx(Defense Innovation Unit Experimental:国防イノベーション実験ユニット)と提携して、MITリンカーン研究所のデザインを使ってPerdixを量産できる企業を探している。

上記のような、高速飛行が可能で耐久性に優れた小型群飛ドローンは、強風でも飛行可能であり、速度マッハ0.9の戦闘機から放り出されても、イラクの砂漠で兵士により空中に投げ出されても支障がない。相互位置の自律的な調整;ミッション途中での攻撃戦略変更;カミカゼ式の標的攻撃を完遂できる武装した飛行ロボットの「群れ」は、将来の戦闘には重要要素であると見られている。

なお、関連してDARPAでも、「群飛する」AI利用技術・システムの開発を実施。昨年末、100個以上のドローンや陸上無人システム(unmanned ground system)を想定した「群れ戦略(swarm tactics)」を実現するOFFSET(OFFensive Swarm-Enabled Tactics)プログラムを開始。

2017年 調査レポート

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