2018年02月09日 『2018年超党派予算法』の概要(エネルギー関連条項)

『2018年超党派予算法』の概要(エネルギー関連条項)

 

NEDOワシントン事務所
2018年2月9日

 

共和党及び民主党の上院議員が超党派で作成した 『2018年超党派予算法案 (Bipartisan Budget Act of 2018)』は、2月9日未明に上院本会議で71対28、早朝には下院本会議で240対186で可決された。

同法案は、①2018年度暫定歳出予算を2018年3月23日まで延長し、②2018年度及び2019年度の支出上限を3,000億ドル引き上げ[1]、③2019年3月1日まで連邦債務上限を適切な金額で引き上げる、という内容。トランプ大統領は同日、同法案に署名。これにより、今年2度目となる連邦政府機関の閉鎖は数時間のみで、事実上回避されることになった。

同予算法には省庁別予算の記載はない[2]ものの、非国防関連歳出の優先事項として、インフラ基盤整備 (2018年度及び2019年度に各100億ドル)、国立衛生研究所 (NIH) の研究支援 (2018年度及び2019年度に各10億ドル) 等が挙げられている。また、2016年12月31日で期限切れとなったエネルギー関係の税額控除、及び、住宅ローン保険・高等教育経費等の個人向け税額控除の復元、延長も盛り込んでいる。ここでは、エネルギー関連条項の概要を報告する。

エネルギー関連条項(2016年12月31日で終了した税額控除の延長)

  • 既存住宅のエネルギー効率改善設備購入に対する10%の税額控除を遡及的に2017年12月31日まで延長。省エネ窓に最高$200、省エネボイラー及び加熱炉に最高$150、その他の改善に最高$300。納税者が1年間に受ける税額控除の総額は最高$500。
  • 住宅用の適格燃料電池装置、適格小型風力装置、及び適格地中熱利用ヒートポンプに対する税額控除を2021年12月31日まで延長。控除率は以下の通り:
    • 2017年1月1日から2019年12月31日までに稼働開始:設備費用の30%
    • 2020年1月1日から2020年12月31日までに稼働開始:26%
    • 2021年1月1日から2021年12月31日までに稼働開始:22%
  • 新車の燃料電池自動車に対する税額控除を2017年12月31日まで延長。控除額は、自家用車と軽トラックが$4,000、大型車の控除額は車両の重量で決定し、最高$40,000。
  • 時速45マイル以上で走行可能なプラグイン電気二輪車及び三輪車の購入に対する10%、最高$2,500の税額控除を2017年12月31日まで延長。
  • 代替燃料車の燃料補給所 (水素補給所、充電施設を含む) 設置に対する30%、最高$30,000のITCを2017年12月31日まで延長。
  • 第二世代セルロース系バイオ燃料生産に対する$1.01/ガロンのPTC、バイオディーゼルに対する$1.00/ガロンのPTCを2017年12月31日まで延長。
  • アメリカ先住部族民の所有する土地で生産された石炭に対する$4.375/トンのPTCを2017年12月31日まで延長。
  • バイオマス、地熱、太陽光、埋立地ガス、都市ゴミ、及び、適格水力発電所で生産される電気に対するPTC[3]を延長。2017年12月31日までに建設を開始した施設が対象。
  • 2006年国際省エネルギーコード (IECC) 第4章の基準に従って建設された類似住宅と比べて冷暖房用の年間エネルギー消費が50%少ない、新築の省エネ住宅に対する税額控除を2017年12月31日まで延長。
  • 適格燃料電池[4]、適格小型風力発電装置[5]、及び、ビル内を照らし出す光ファイバー太陽光採光装置 (fiber-optic distributed sunlight) に対するエネルギークレジット[6]を2021年12月31日まで延長。エネルギークレジットは以下の通り:
    • 2017年1月1日から2019年12月31日までに設置:30%
    • 2020年1月1日から2020年12月31日までに設置:26%
    • 2021年1月1日から2021年12月31日までに設置:22%
  • 適格第二世代バイオ燃料工場資産の減価償却を1年間延長し、2017年12月31日までに稼働した工場に適用。
  • 照明装置・冷暖房・換気装置・温水システム等の利用によって、Standard 90.1-2007の最低要件を満たす類似ビルと比べてエネルギー効率が50%以上改善されている省エネ商業ビルに対する最高$1.80/平方フィートの税額控除を2017年12月31日まで延長。
  • 代替燃料及び代替燃料混合物に対する50¢/ガロンの税額控除を2017年12月31日まで延長。

 

二酸化炭素隔離に対するクレジット

  • 適格施設において、同予算法の成立以前に稼働を開始した炭素回収装置によって回収され、安定した地層に貯留される二酸化炭素に対して、毎年$20/トンの炭素隔離クレジットを提供
  • 適格施設において、同予算法の成立以前に稼働を開始した炭素回収装置によって回収され、原油または天然ガスの増進回収事業で三次注入物質として利用される二酸化炭素に対して、毎年$10/トンの炭素隔離クレジットを提供
  • 適格施設[7]において、同予算法の成立日またはそれ以降に稼働を開始する炭素回収装置によって回収され、安定した地層に貯留される二酸化炭素に対して、炭素回収装置の稼働後12年間、下記のクレジットを提供
    • 2026年12月31日まで、線形補間 (linear interpolation) で確立する$22.66/トンから$50/トンの間のクレジットを毎年提供
    • 2027年1月1日からクレジット対象期間終了時まで、$50/トンを毎年提供
  • 適格施設[8]において、同予算法の成立日またはそれ以降に稼働を開始する炭素回収装置によって回収され、原油または天然ガスの増進回収事業で三次注入物質として利用される二酸化炭素に対して、炭素回収装置の稼働後12年間、下記のクレジットを提供
    • 2026年12月31日まで、線形補間で確立する$12.83/トンから$35/トンの間のクレジットを毎年提供
    • 2027年1月1日からクレジット対象期間終了時まで、$35/トンを毎年提供

 

[1] 国防関連の自由裁量予算上限を2018年度に6,290億ドル、2019年度に6,470億ドル、非国防関連の自由裁量予算上限を2018年度5,790億ドル、2019年度5,970億ドルと設定。

[2] 各省庁への具体的な歳出額は、当該歳出委員会に委ねられる。

[3] クローズドループ・バイオマス、地熱、太陽光は2.3¢/kWh、埋立地ガス、都市ゴミ、適格水力発電は1.2¢/kWh。

[4] 電気化学プロセスで最低0.5 kWを発電する燃料電池

[5] 設備容量が100 kW以下の小型風力タービンを使用する装置

[6] REC (Renewable Energy Certificate) として取引可能なクレジット

[7] 2024年1月1日以前に建設が開始される施設で、(i) 年間の二酸化炭素排出量が50万トン以下で、年間25万トン以上の二酸化炭素を回収する産業施設;(ii) 年間50万トン以上の二酸化炭素を回収する発電所;(iii)二酸化炭素を 年間10万トン以上を回収するDAC (Direct Air Capture) 工場

[8] 同上

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