2018年05月04日 NIST、連邦技術の移転促進に係る情報提供依頼を発表

NIST、連邦技術の移転促進に係る情報提供依頼を発表

 

NEDOワシントン事務所
2018年2月9日

 

米国連邦政府は、連邦研究所、大学、及びその他の研究機関で実施される研究開発 (R&D) に年間約1,500億ドルを投資している。連邦支援を通じて開発された技術の民間市場への移転を推進する 「連邦技術移転の改善」 は、トランプ政権が2018年3月20日に発表した 『大統領の行政管理アジェンダ (President’s Management Agenda)』 において、省庁間優先事項 (Cross Agency Priority =CAP) の3大目標[1]の一つに掲げられている。

「連邦技術移転の改善」[2]は、(1) 技術移転に伴う行政・規制負担の軽減、及び、後期R&Dへの民間投資拡大によって、連邦資金で生まれたイノベーションを研究所から民間市場へ移転することを促進し;(2) より効果的な提携モデル及び技術移転メカニズムを連邦省庁向けに策定・導入し;(3) 連邦支援R&Dの投資利益率 (Return on Investment =ROI)[3]、及び、連邦支援R&Dが経済・国家安全保障へ及ぼす影響を評価する方法を改善することによって、技術移転の有効性を向上させることを目標としている。

こうした中、NISTは『大統領の行政管理アジェンダ』に基づく取組の一環として、連邦支援技術の移転の現状、民間部門が共同研究他のメカニズムを介した連邦支援R&Dへのアクセス状況、及び、知的所有権等に関して、利害関係者からの情報を求める情報提供依頼 (Request For Information =RFI) を5月1日付の連邦広報で発表した。これに関してNISTは、5月17日にカリフォルニア州サンノゼ、5月21日にコロラド州デンバー、5月31日にイリノイ州オークローン、6月14日にメリーランド州ゲイタースバーグで公開討論会を開催。パブリックコメントを2018年7月30日まで受け付け、受領したパブリックコメント及び提言を集約した白書を後日発表する予定。

今回発表されたRFIの概要は以下の通り。

  1. ROIイニシアティブの評価対象:

a) 主要な連邦技術移転原理及び慣行に関し、維持すべき原理と慣行、及び、導入・変更すべき原理と慣行
b) 後期R&D、商業化、及び、先進製造技術への民間投資を促進するため、技術移転の規制負担を削減し、技術移転の効率を高める方法
c) 技術開発・技術成熟を推進するために、民間企業、学界、連邦省庁、州政府、及び、民間機関との新たな提携モデル、及び、技術移転メカニズム
d) 技術移転への障害を削減・排除する新アプローチ、及び、国家戦略重要分野に重点をあてた技術移転の加速化を可能にする新たなアプローチ
e) 連邦R&D投資のROIを評価する、より優れたメトリクス及び手法
f) 連邦政府、大学、及び、研究機関の技術移転の成果を大幅に拡大する新たなアプローチ

  1. 連邦R&Dで開発された技術、ナレッジ、及び、能力を効果的に移転する上での体系的(systemic) 課題:

・知的財産権の条件・補償条項の交渉に係る、高額な取引費用及び遅いレスポンスタイム
・連邦政府省庁毎に異なる、義務要件及び権限の解釈
・連邦政府省庁間で一貫していない慣行
・知的財産権に対する下記のような制限
(i) 官営研究所により開発されたソフトウェア及びデジタル製品は著作権保護が不可能であり、これらの著作権保護を米国企業に移管することが出来ないこと
(ii) 連邦研究所と米国企業が協力する際、企業秘密及びノウハウを保護することが困難なこと
(iii) 政府使用ライセンスの範囲、及び、連邦政府がどのような条件で介入権を施行するか、に対する業界の懸念
・起業及びスピンオフ企業への参加を望む連邦職員には辞職が義務付けられること、及び、技術の開発・商業化に必要な資源へのアクセスを困難にする利害対立条項

  1. 今回RFIにおける利害関係者への質問:

・主要な連邦技術移転原理及び慣行のうち、維持すべき原理と慣行、及び、導入または変更すべき原理と慣行は何か?
・連邦R&Dで開発された技術・ナレッジ・能力の効果的移転に対して体系的な課題をもたらす事項は何か?
・連邦R&Dで開発された技術・ナレッジ・能力の効果的移転に対して体系的課題をもたらす各事項に対する解決策は何か?
・米国のイノベーション及び経済に利益をもたらすためには、他にどのような手段で、連邦R&Dで開発された技術・ナレッジ・能力の移転を大幅に改善するべきか?提案の改善策は、連邦技術移転の慣行・政策・規制・法律に対してどのような変更を求めることになるのか?

[1] 他の目標は、(1) インフラ許認可手続きの近代化、及び、(2) 機密取扱者の人物調査・適合性・資格認定の改革。
[2] 同目標のリード機関は、ホワイトハウスの科学技術政策局 (OSTP) と商務省の国立標準規格技術研究所(NIST)。他の参加省庁は、行政管理予算局 (OMB)、国家安全保障会議 (NSC)、環境保護庁 (EPA)、全米科学財団 (NSF)、航空宇宙局 (NASA)、中小企業庁 (SBA)、農務省、国防省、エネルギー省、厚生省、国土安全保障省、内務省、運輸省、及び、退役軍人局。
[3] NISTは、4月19日に開催した「Unleashing American Innovation」というイベントで、大学及び連邦研究所が国民の税金で行うR&D投資の見返りを増大するために必要な、行政手続きの更新及び組織文化の変革等を評価・確認するために、「ROIイニシアティブ」という新イニシアティブの立ち上げを発表。

 

 

 

 

NEDO本部
Focus NEDO
NEDO Channel
PAGETOP
Copyright © NEDO Washington DC Office All Rights Reserved.