2012年11月16日 カリフォルニア州政府、連邦政府自動車GHG規制の受け入れを決定

カリフォルニア州政府、連邦政府自動車GHG規制の受け入れを決定

2012年11月16日
NEDOワシントン事務所
松山貴代子

 

カリフォルニア州大気資源局(Air Resources Board =ARB)は11月15日、2017年型から2025年型自動車の温室効果ガス(GHG)規制に対する連邦-州政府間協力の最終段階として、環境保護庁(EPA)のGHG基準を受け入れ、自州のGHG基準1を連邦基準に整合させることを採択した。

カリフォルニア州は2009年に2012年型から2016年型車のGHG排出基準についてオバマ政権との協力を開始し、これらについては連邦規制に合致するよう州基準を既に変更していた。同州ARBのMary Nichols局長は、今回の決定が、自動車燃費改善によるGHG排出削減を狙った単一の国家プログラム確立に向けた最終ステップであり、2年間に及ぶオバマ政権との密接な協力の賜物であると語っている。これによって、米国の自動車燃費基準は、2012年8月にEPAと運輸省の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration=NHTSA)が発表した2017年型車から2025年型車までのGHG排出基準と燃費基準に全国一律で統一されることになる。

2017年型から2025年型車2までの企業平均燃費(Corporate Average Fuel Economy =CAFE)基準は以下の通り:

【2017年型車から2021年型車のCAFE基準】

車両のフットプリント(footprint)3に基づいて、NHTSAは2025年型車の平均燃費基準を48.7マイル/ガロン(mpg)~49.7mpg 、EPAは2025年型車の平均GHG排出基準を163グラム/マイル(g/mi)と設定。排出削減の全てが燃費の改善(自動車の空調システム改善も含め)で達成された場合、EPAのGHG排出基準は54.5mpgに相当することになる。

  1. NHTSAが設定した推定必要平均燃費(mpg)
年型 2017 2018 2019 2020 2021
乗用車 39.6~40.1 41.1~41.6 42.5~43.1 44.2~44.8 46.1~46.8
小型トラック 29.1~29.4 29.6~30.0 30.0~30.6 30.6~31.2 32.6~33.3
乗用車・小型トラックの合計 35.1~35.4 36.1~36.5 37.1~37.7 38.3~39.0 40.3~41.0
年型 2022 2023 2024 2025
乗用車 48.2~49.0 50.5~51.2 52.9~53.6 55.3~56.2
小型トラック 34.2~34.9 35.8~36.6 37.5~38.5 39.3~40.3
乗用車・小型トラックの合計 42.3~43.0 44.3~45.1 46.5~47.4 48.7~49.7

(NHTSAの Fact Sheet 「NHTSA and EPA Set Standards to Improve Fuel Economy and Reduce Greenhouse Gases for Passenger Cars and Light Trucks for Model Years 2017 and Beyond」より抜粋)

  1. EPAが設定したCO2排出基準(g/mi)と、排出基準に相当する燃費(mgp)
年型 2017 2018 2019 2020 2021
乗用車(g/mi) 212 202 191 182 172
小型トラック(g/mi) 295 285 277 269 249
乗用車と小型トラックの合計(g/mi) 243 232 222 213 199
乗用車と小型トラックの合計(mpg) 35.5 36.6 38.3 40.0 41.7
年型 2022 2023 2024 2025
乗用車(g/mi) 164 157 150 143
小型トラック(g/mi) 237 225 214 203
乗用車と小型トラックの合計(g/mi) 190 180 171 163
乗用車と小型トラックの合計(mpg) 46.8 49.4 52.0 54.5

(EPAのFact Sheet 「EPA and NHTSA Set Standards to Reduce Greenhouse Gases and Improve Fuel Economy for Model Years 2017-2025 Cars and Light Trucks」のTable 1に基づき、ワシントン事務所作成)

 

1米国の「クリーンエア法」の第209条は、連邦法令が成立する以前から自動車排出を規制してきたカリフォルニア州に対して、連邦政府規制よりも厳格な基準を制定できる特別権限を付与している。この特別権限に基づいて同州が制定した独自の自動車GHG基準と連邦政府の基準には僅かな差異があるものの、カリフォルニア州ARBの算定によると、この基準の差で生じる州内GHG排出削減のロスは4.5%に過ぎないという。
2 対象は、乗用車と小型トラック(サブコンパクト車から大型セダン、ステーションワゴン、SUV、ミニバン、大型ピックアップトラックまで)。
3 フットプリントは、車両の前輪2本の間の幅(track width)と後輪2本の間の幅(track Width)の平均値に長さ(wheelbase)をかけて算出された数値。

 

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