2013年11月01日 米国8州の州知事、2025年までに330万台のZEV導入を目指す覚書に調印

米国8州の州知事、2025年までに330万台のZEV導入を目指す覚書に調印

2013年11月01日
NEDOワシントン事務所
松山貴代子

 

カリフォルニア、コネチカット、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、オレゴン、ロードアイランド及びバーモントの8州の州知事は10月24日、2025年までに330万台の無公害車(ZEV)導入を目指す「州政府無公害車プログラム覚書(State Zero-Emission Vehicle Programs – Memorandum of Understanding)」に調印した。無公害車330万台というのは、締約8州における新車市場の約15%に相当することになる。

同覚書の目的は、消費者の無公害車に対する認識と需要を拡大することであり、締約8州は第一歩として以下の努力で協力することに合意した:

  1. ZEVプログラム実施タスクフォース(ZEV Program Implementation Task Force)を創設し、これに参加する。ZEVプログラム実施タスクフォースは、ZEV規制の効果的かつ効率的な実施を推進する為、プログラム支援や実施問題全ての調整・協力フォーラムの役割を果たす。タスクフォースは覚書調印後6ヶ月以内に、同覚書が特定した目標を達成するための行動計画を策定する。
  1. 2025年までにZEV普及台数を総計で330万台とすることを目標とし、ZEVを支援する燃料供給インフラの構築で協力する。締約各州は年1回、自州内のZEV登録台数、一般市民が利用可能な充電/水素補給所の数、及び、職場におけるZEV燃料補給に関する情報を報告する。
  1. 全州的な建築規格・充電インフラ設置基準による電気自動車(EV)の推進; EV充電器を装備する家庭向けの合理的メータリングオプションの策定; EV向け時間帯別(TOU)電気料金やネットメータリングによる運転コスト削減可能性の評価; ZEVと再生可能エネルギーの接合強化といった行動を通してZEVの商用化とZEV走行距離最大化の努力を支援する。
  1. 締約各州は、自州政府及び準政府機関のZEV購入目標を設定し、ZEV調達を毎年報告する。車両用及び燃料補給所用装備を(締約州で)組織的に調達するチャンスを探り、一般市民に政府所有燃料補給所へのアクセスを提供することに尽力する。
  1. ZEV購入価格を引き下げる金銭的インセンティブ、及びHOV車線(カープール車線)や割引通行料金及び優先駐車スペースといった非金銭的インセンティブの必要性や有効性を査定評価する。
  1. ZEVに対する消費者の認識と容認、業界側コンプライアンス、及び、規模の経済性(economies of scale)を促進するため、一律基準の策定で協力する。こうした基準には、ユニバーサルな標識、電気自動車充電網の共通の支払い方法や相互運用性、及び諸州間におけるZEVインセンティブの互恵(優先駐車スペースやHOV車線利用)等が含まれる。
  1. ZEV市場の拡大を促進するため、自動車メーカーや電気・水素供給業者、燃料供給インフラ部品業界や業務用車両の持ち主、金融機関他と協力する。
  1. ZEVの便益に焦点をあてZEV利用を促進するため、研究や組織的教育・啓蒙キャンペーンを共同で行う。クリーンシティ計画、北東部/中部大西洋沿岸諸州の輸送・気候変動イニシアティブ(Transportation and Climate Initiative)、西海岸Electric Highwayといった既存イニシアティブで協力する。
  1. 水素燃料電池自動車の商用化に必要な展開戦略やインフラ要件の査定・策定に取り組む。

自動車工業会(Alliance of Automobile Manufacturers)のSteven Douglas氏は、この合意を前向きな第一歩であると評価し、自動車工業会のメンバー企業は州政府との協力にコミットしていると語っているほか、米国肺協会や憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)といった公衆衛生擁護団体や環境保護団体も、ZEVは大気浄化に必須であり、輸送部門の大気汚染に起因する喘息等が減少するとして、今回の複数州協定を称賛している。

 

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