2016年07月19日 共和党全国大会、「2016年共和党綱領」を採択

共和党全国大会、「2016年共和党綱領」を採択

2016年07月19日
NEDOワシントン事務所
松山貴代子

 

共和党全国大会が大会第一日目の7月18日、「2016年共和党綱領(Republican Platform 2016)」を正式に採択した。全66ページの共和党綱領は、共和党のテーマを (1)アメリカンドリームの復元; (2)立憲政治の再生; (3)米国の天然資源:農業、エネルギー、及び環境; (4)政府改革; (5)素晴らしいアメリカの家庭、教育、ヘルスケア、及び刑事司法; (6)アメリカ復活(American Resurgent)に分類して説明している。ここでは、「2016年共和党綱領」に盛り込まれた、エネルギー、環境、及び運輸に関する主なテーマを拾い、概説する。

エネルギーと環境

  • 配電網の迅速な立地プロセス、及び配電網の思慮深い拡大を支援する。
  • 国有地と連邦管轄大陸棚(outer continental shelf)を資源開発に解禁することを支援する。
  • オバマ政権のクリーン発電計画(Clean Power Plan)を排除する。
  • オバマ政権は国防省に2025年までに使用電力の25%を再生可能エネルギー電気でまかなうことを義務付けているが、気候変動は米国の最も差し迫った国家安全保障問題とは言い難い。議会はこれを阻止しなければならない。
  • 助成金無しでも、自由経済において市場性のある全てのエネルギー(石炭、石油、天然ガス、原子力、水力)開発を支援する。
  • 風力、ソーラー、バイオマス、バイオ燃料、地熱、及び潮汐エネルギーといった再生可能エネルギーを民間資本でコスト効率的に開発することを奨励する。
  • 国有地でのレアアース生産許可プロセスの迅速化を支援する。
  • 原子力発電のレスポンシブルな開発を認めるために制約を撤廃する。
  • 炭素税は全面的にエネルギー価格を引き上げ、特に、民主党の非成長経済で苦闘している家族に最も大きな打撃をもたらす。共和党はいかなる炭素税であってもこれに反対する。
  • 環境規制の責任を連邦政府官僚から州政府へと移し、環境保護庁(EPA)を原子力規制委員会(NRC)に類似する独立超党派委員会に一変させる。
  • クリーンウォーター法(Clean Water Act)に関し、EPA規制による歪曲ではなく、当初の意図を施行する。
  • EPAが二酸化炭素を規制することを禁じる。
  • クリーンエア法(Clean Air Act)の下で全米環境大気質基準(National Ambient Air Quality Standards)を設定する権限を議会に戻す。
  • 気候変動に関する情報、特に長期的な将来見通しは、確かなデータの冷静な分析に基くものでなければならない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、先入観のない科学機関ではなく、政治機構である。よって、京プロトコル及びパリ合意のいずれのアジェンダも拒絶する。
  • 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)への米国資金提供を即時中止ことを要求する。

運輸

  • 連邦政府輸送イニシアティブを段階的に廃止する。
  • 交通プロジェクトの遅延やコスト上昇を引き起こす、国家環境政策法(National Environmental Policy Act)の条項を改正する。
  • 連邦ガソリン税の引上げに反対。
  • 米国北東部において、民間企業がAmtrakに競合する鉄道旅客輸送を提供することを認可する。

カリフォルニア州の高速鉄道のような無駄な事業に対する連邦支援を終了する。

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